あと少しで2023年も終わろうとしている師走に、今年1年をDRONE編集部が注目する企業や団体と一緒に振り返ってみたい。
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今回、注目企業・団体に以下の3つの質問をしたところ、熱いコメントが集まった。
- Q1:今年の成果 「2023年において、御社にとって最大の成果は何だと思いますか?」
- Q2:新しい取り組み「今年、御社が新しく始めたプロジェクトや事業はありますか?その成果について教えてください。」
- Q3:業界トレンドへの適応 「2024年は、どのようなトレンドに注目し、それにどう対応する予定ですか?」
この1年でDRONEjpのPVは大幅に伸びた。これはドローンやeVTOLの社会的な認知度の向上が、DRONEjpへの関心増加に繋がったではないだろうか。
2023年は、実装のための実証実験が増え、さらに制度面でも進展した。2024年は社会実装が進むことを期待したい。
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各者のコメントを読むと、2024年は試行錯誤を通じて確実に前進させる意気込みを感じる。
是非、DRONE編集部が注目する企業・団体のコメントを読んで、この1年を振り返り、2024年の展望に思いを馳せていただきたい。
※順不同
株式会社ドローンショー・ジャパン
代表取締役:山本 雄貴 氏
- 今年の成果:今年の最大の成果は、全国各地のお祭りや花火大会などの復活を象徴するかのように、様々なシーンでドローンショーをご活用いただけたことです。「ドローンショー」という単語が一般用語化したことも大きな成果です。
- 新しい取り組み:室内環境でのドローンショー(インドアドローンショー)の商用化に成功しました。ももクロ(ももいろクローバーZ)の結成15周年記念ソング「いちごいちえ」で、インドアドローンショー演出を採用いただきました。
- 業界トレンドへの適応:来年は今年以上に需要が高まり、新規事業としてドローンショーを開始される事業者も増加すると考えます。私たちは、自社開発のドローンショー機体と運営ノウハウを積極的に外部提供し、ショーサプライヤーが業界に参入しやすい環境を整備します。
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株式会社プロドローン
代表取締役社長:戸谷 俊介 氏
- 今年の成果:無人航空機(PD6B-CAT3型、物資輸送や測量用途で実績のあるPD6Bをベースに安全面での機能を向上させた改良型)の第一種型式認証の申請が国土交通省により受理されたことです。
- 新しい取り組み:「あいちモビリティイノベーションプロジェクト 空と道がつながる愛知モデル2030」を始動させました。本PTは、愛知県とPRODRONEが立ち上げ、ジェイテクト、名古屋鉄道、VFR、SkyDrive、テラ・ラボが参加しています。2030年までにドローンや空飛ぶクルマ、自動運転車両が安全に制御され、災害にも強靭なモビリティ環境を実現することを目標にしています。空と道をつなげる機体「空飛ぶ軽トラSORA-MICHI」をJapan Mobility Show2023の愛知県ブースで発表しました。
- 業界トレンドへの適応:PD6B-Type3の第一種型式認証を取得し安全性を高めるとともに、災害時はもちろん、日常でも活用できる機体を製造してきます。耐候性(耐風性含む)、高ペイロード、長距離を実現する機体開発を進めます。
株式会社センシンロボティクス
社長室 エバンジェリスト:吉井 太郎 氏
- 今年の成果:11月に実施した資金調達です。もちろん調達はあくまで結果であり、その原動力となったのは創業以来実践してきた、作業代替としてのドローンサービスではない、真の業務改革を目指す取り組みの結実と捉えています。
- 新しい取り組み:屋内点検用ドローン「EP-1」のリリースです。「誰でも使える」をコンセプトに、ソフトウェアカンパニーの視点で開発した新しいドローンで、本来高い操縦技術を要する狭小部・暗所での点検に活用されています。
- 業界トレンドへの適応:当社では、ドローン業界のトレンドというよりも、我々の顧客の業界に注目しています。特に設備保全を含む建設業界おいては、喫緊の課題である2024年問題に伴う業務効率化に、当社の力を活かしていきたいと考えています。
株式会社ACSL
代表取締役CEO:鷲谷 聡之 氏
- 今年の成果:ACSLにとっての2023年の1番の成果は、日本で初めてレベル4飛行が可能なドローンを開発し、第一種型式認証を取得したことだと考えています。これは当社社員が一丸になって取り組んだことで成しえた成果です。
- 新しい取り組み:2023年1月に米国子会社ACSL,Inc.を立ち上げ、米国進出を本格化しました。11/13に輸出許可を取得したことで、ようやく米国のお客様のもとにACSLのSOTEN(蒼天)をお届けする準備が整ったところです。
- 業界トレンドへの適応:経済安全保障を重視する流れは世界的にもさらに加速しています。そうした中で、ACSLのセキュアなドローンを世界のお客様に届けることで、産業用ドローンの社会実装やMade-in-Japan(日本製)ドローンの認知拡大を推進してまいります。
株式会社エアロネクスト
代表取締役CEO:田路 圭輔 氏
- 今年の成果:既存物流にドローンを組み合わせた新スマート物流SkyHub®を地域の新しい社会インフラとして全国9カ所に社会実装し、共同配送の実績を積み上げ、12月には日本初の「レベル3.5」飛行を成功させ、ドローン配送の事業化を実現した。
- 新しい取り組み:新スマート物流SkyHub®の海外展開としてモンゴルでの活動を開始した。9月にシンポジウム、11月には―15℃、標高1300mの過酷な環境下で血液のドローン配送実証実験を成功させた。これを皮切りに今後ドローン配送事業の海外展開を進めていく。
- 業界トレンドへの適応:物流2024年問題により、地域物流はますます困難な状況になることが予想され、ドローン配送コストを削減するための様々な取り組みが加速する見込み。物流ドローン市場を拡大するための手を着実に打っていく。
株式会社Liberaware
代表取締役CEO:閔 弘圭 氏
- 今年の成果:新型モデルである「超狭小空間点検ドローンIBIS2」を6月にローンチしたことです。従来のモデルより安定性や操作性、より鮮明な映像を撮影できるようになるなど我々がターゲットとしている「暗くて・狭くて・危険な」点検エリアでの汎用性をより高めた機体です。新製品発表をしたJapan Drone展では、Japan Drone & AAM Awards 2023 ハードウェア部門で最優秀賞を獲得しました。
- 新しい取り組み:IBIS2ローンチに伴い、「販売」という形態でのビジネスも初めて開始しました。従来は、役務型の点検サービスとレンタルの2プランでしたが、「IBIS2」は操作性も高くなり、またこれまでよりも墜落リスクが下がったので、我々の手から離れても活躍してくれる機体というように期待を込めてお客様のもとに送り届けております。今年ということでは、その他にも自治体や官公庁とタッグを組んで推進したプロジェクトもあり、社としても飛躍の年になったと思います。
- 業界トレンドへの適応:日経トレンディの2024年ヒット予測でも1位に「ドローンショー」が入ってきていることを見ても、更に社会的にドローンが認知され、人々の生活や仕事に介入してくるかと思います。当社のドローンはドローンショーのように一般の方の目に触れづらい環境で活躍しておりますが、少しでも多くの方に「IBISって素晴らしいドローンだね」と思ってもらえるように、日々お客様含めステークホルダーの皆様と共に成長していけたらと思っております。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)
理事長:鈴木 真二 氏
- 今年の成果:(一社)日本UAS産業振興会(JUIDA)は2023年を「ドローン、レベル4飛行実現元年」ととらえ、レベル4飛行を担う、ドローン操縦技能と知識および安全管理能力を備えた人材養成に貢献しました。
- 新しい取り組み:JUIDAは、無人航空機の国家操縦資格のみならず、(一社)日本建築ドローン協会ととともに、ドローン建築物調査安全飛行技能者コースを2023年1月よりスタートさせ、プラント点検スペシャリスト養成コース、森林測量養成コースとともにドローン専門操縦士教育を充実させました。
- 業界トレンドへの適応:JUIDAは2014年の設立以来、年頭に新年会を開催し、その年のトレンドを先読みしたスローガンを発表してまいりました。2024年のスローガンは2024年1月29日の新年会にて発表いたします。お楽しみにお待ちください。
ブルーイノベーション株式会社
代表取締役社長:熊田 貴之 氏
- 今年の成果:12月12日、東京証券取引所グロース市場への新規上場です。これを機に、従業員一同、決意を新たに皆様のご期待に沿えるよう、広く社会に貢献できる企業として、全力を尽くして事業に取り組んでまいります。
- 新しい取り組み:2020年より当社がプロジェクトリーダーとして進めてきた、物流用ドローンポートの設備要件に関する国際標準規格「ISO5491」が2023年6月に正式発行されたことです。これにより世界のドローン物流の社会実装が加速されます。
- 業界トレンドへの適応:点検分野においては、これまで電力や石油などの民間のインフラ施設で貢献してまいりましたが、今後は道路、橋梁、ダムといった公共のインフラの点検ニーズが拡大すると見ており、当社のセンシング技術で貢献してまいります。
GMOインターネットグループ
代表取締役グループ代表:熊谷 正寿 氏
- 今年の成果:3月に国の許可が必要な屋外では日本初となる、空飛ぶクルマの有人実証飛行に参加しました。実証飛行では私自身が操縦士を務め、グループの強みであるサイバーセキュリティと暗号セキュリティの重要性を可視化できました。そして、私達が「空の安全を守る」覚悟を、身をもって示すことができました。
- 新しい取り組み:私達は、暗号セキュリティの観点から、機体を制御する通信を乗っ取られないように保護しています。またサイバーセキュリティの観点からは、機体や通信システムの弱点診断サービスを提供しています。いずれも大阪万博やその後の社会実装に向けて安全性が注目される中、これまで以上に多くの方々にご利用いただいています。
- 業界トレンドへの適応:空飛ぶクルマやドローンに技術的問題はほぼないと考えています。社会実装に向けた課題は、社会的な受容、適切な規制や離発着場の整備などです。私達は来年も引き続き、空の活用には「安心・安全」が不可欠だとセキュリティサービスの提供により示してまいります。そして、社会実装に向けた課題克服にグループを挙げて貢献してまいります。
KDDIスマートドローン株式会社
代表取締役社長:博野 雅文 氏
- 今年の成果:2022年12月の航空法の改正に伴い、より実装フェーズに各領域が動き出した一年だったと感じている。特に、点検や測量、農業といった領域に加え、物流や監視領域といった目視外飛行を活用したドローンの適用が進んできたと実感している。来年はネットワークにつながるドローンがより一般的になると予想されるため、よりお客さまに活用いただけるサービス・ソリューションの提供を加速化していきたい。
- 新しい取り組み:スマートドローンツールズ:4G LTEパッケージ機能拡大。国内初、上空モバイル通信エリアマップをリリース
スマートドローンソリューション:自動充電ポート付きドローン(SkydioDock・DJI Dock)とStarlink Businessでの巡視点検サービスをリリース。また、日本初 医薬品をレベル4飛行で輸送する実証を実施 - 業界トレンドへの適応:スマートドローンツールズ:24年1月「DJI Matrice 300 RTK」向けモバイル通信アタッチメントをリリース予定。また、注目の「Skydio X10」を24年春に発売予定で、モバイル通信対応機体である。今後も、モバイル通信対応機体を拡大していく。
スマートドローンソリューション:レベル3.5により、目視外飛行のハードルが下がり、物流や点検の幅が広がる一年になる予想。Skydio X10が24年春に発売予定となり、従来の橋梁に加え、インフラ点検の活用が期待される。また、セルラー対応も予定しているため、ネットワークにつながるドローンの浸透に向けて、機体メーカーと共に産業を盛り上げていきたい。
NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス本部5G&IoTサービス部 ドローンサービス部門長:柏 大 氏
- 今年の成果:医薬品配送の実証と、建設現場の自動巡回やインフラ設備の点検です。前者については長距離飛行、温度管理、振動対策等の技術面の確立及び費用対効果を検証し、実運用可能なことを確認しました。後者は実際に数多くの案件を受注し、実証から社会実装への移行ができました。
- 新しい取り組み:ドローンの撮影データとAI映像処理などの先進技術を組み合わせた、物流施設における無人点検管理ソリューションを提供開始しました。点検業務の時間短縮や負担軽減、データ利活用による省力化や効率化により物流業界のDXを推進し、他業種・業態への展開も目指します。
- 業界トレンドへの適応:物流業界の「2024年問題」(トラックドライバーの時間外労働上限規制)に注目しています。2023年度に開始したドローン自動運行技術を用いた物流ドローンの実証などを2024年も継続して実施し、物流業界の課題解決に貢献していきます。
エアロセンス株式会社
代表取締役社長:佐部 浩太郎 氏
- 今年の成果:VTOLドローンによる砂防・河川分野等の広域インフラ点検で大きく用途開拓が進んだ。これに連動してエアロボウイングのNETIS登録や第二種型式認証の申請受理など、準備を進めていたことが実を結んできた。
- 新しい取り組み:内閣府主導の経済安全保障重要技術育成プログラムに採択され、次世代機となる大型VTOLの開発が決定した。2025年の完成を目指し製品ラインナップに追加する。有線ドローンやVTOLの災害時活用のソリューション提案をまとめ、自治体などへの展開を開始し、良い事例が作れている。
- 業界トレンドへの適応:レベル3.5により無人地帯での飛行規制が緩和され事業化が本格化し、ドローン操縦免許の取得者も増えて来ている。機体メーカーとして型式認証取得など業界の期待に応えていく。また、DX・防災・物流などのソリューションが注目されるなか、それらを担う運行システムや情報管理システムとの連携も進めていく。
イームズロボティクス株式会社
代表取締役社長:曽谷 英司 氏
- 今年の成果:経済産業省様 中小企業イノベーション創出推進事業において応募テーマ名:行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証公募において採択を受けました。5年間で30億という大型プロジェクトの中で物流ドローンの開発を進めていきます。様々な型のニーズをお伺いしていい製品・システムを作りたいと思います
- 新しい取り組み:年初より、型式認証機体の開発に取り組みました。1種・2種の2機種の同時開発は、かなり難航しましたが来年はそれぞれ取得し、その成果をもって2024年問題に直面する物流マーケットにおいてソリューションを展開していきます。
- 業界トレンドへの適応:レベル3.5とレベル4の普及・実用化に向けて、型式認証機体の機能追加を行い様々な用途で利用できるようにしていきます。特に衛星通信を搭載して通信の途絶のないシステムを目指して取り組んでいきたいと考えています。
ドローン・ジャパン株式会社
CEO:春原 久徳 氏
- 今年の成果:DOP(Drone Open Platform)プロジェクトの参加社数が拡大し、DOP HUBやDOP SUITEといった具体的な製品が出来上がってきた。
- 新しい取り組み:ドローンの実用化において、機体管理や機体サポートが重要になってきているが、機体管理クラウドのDOP SUITEが機体メーカーにおいて採用された。
- 業界トレンドへの適応:ますます実用化が進んでいく中で安定的で使いやすいドローンソリューションは必須になってくるので、こういったソリューションの開発や開発支援に注力したい。
東洋製罐株式会社
テクニカルセンター 技術開発統括室 副主査:荒木 宗司 氏
- 今年の成果:ドローン用スプレー缶噴射装置「SABOT-3」を発売できた事です。また、Japan Drone & AAM Awards 2023のオーディエンスアワードやグッドデザイン賞を受賞し、製品のコンセプトやクオリティを広く知って頂けた年となりました。
- 新しい取り組み:株式会社セキド様のご協力のもと、SABOTの広域的なプロモーション活動や販売、サポート体制の構築に取り組んでおります。加えて、屋根の雨漏りの簡易補修などの実証実験を行っており、SABOTの具体的な使用事例を積み重ねております。
- 業界トレンドへの適応:弊社は元々ドローン業界とは異業種の存在です。スプレー缶+ドローンで実現したSABOTのように、自社ならではの技術を活かし、ドローンの進化に貢献するような提案をしていきたいと考えております。
ASKA
共同創業者:カプリンスキー 真紀 女史
- 今年の成果:試験機1号機の完成により、飛行機能に関してはFAAより特別耐空証明を取得し飛行試験を継続しています。走行機能に関しては米国DMVより許可を取得し実地試験含めて500km以上の走行試験を行いました。
- 新しい取り組み:飛行試験によって飛行性能確認を進める中、飛行制御や電源制御について理解を深めました。機体構造部材として複合材を多く使用しており、1号機では製造治具含めて全てを内製したことで、ノウハウが蓄積できました。
- 業界トレンドへの適応:eVTOL業界は試験機の製造フェーズから飛行試験、型式証明プロセス、運用を踏まえたインフラ整備に移りつつあります。ASKAとしては既存インフラの利活用ができるメリットを活かして地上走行/飛行試験を継続して参ります。
株式会社NTT e-Drone Technology
代表取締役社長:滝澤 正宏 氏
- 今年の成果:Auterionと共同開発した自社製フライトコントローラ搭載の農業ドローン「AC101 connect」の完成
- 新しい取り組み:飛行受託サービス「おまかせeドローン」が伸びています。国産または欧米製ドローンによる農業・点検・測量・空撮の依頼が好調です。
- 業界トレンドへの適応:ドローンポートを活用した自動巡視システムの普及元年となる。自動巡視システムにはネットワーク環境が不可欠、当社はそれらをトータルで構築・運営していきます。
株式会社空解
代表取締役:森田 直樹 氏
- 今年の成果:国産大型VTOLドローン「QUKAI MEGA FUSION 3.5」を製品化し、ペイロード10kg、飛行距離120km(電動)400km(ガソリンエンジン)というスペックを達成。洋上レベル3の長距離飛行を伊豆―大島間、佐渡―新潟間で成功させました。
- 新しい取り組み:スマホをドローンに搭載して往路復路を自動で行うワンタッチ無人配送システム。
- 業界トレンドへの適応:監視・調査・測量・物流において長距離・長時間の無人航空機オペレーションのニーズが増大すると考えています。信頼性の高い機体開発のみならず、それぞれに必要なシステム開発も加速度的に進めていくつもりです。
エバーブルーテクノロジーズ株式会社
CEO:野間 恒毅 氏
- 今年の成果:自動操船技術を応用して開発した「除雪ドローン」が、想定以上に多くの人や事業者様からの反響、ご期待をいただけたことです。雪国の社会課題解決に提案ができたことに大きな意義を感じました。またJMSなども影響し水上ドローンへの具体的な期待が進み、導入検討先も増えてまいりました。
- 新しい取り組み:「除雪ドローン」の開発を年初にスタートしプロトタイプをジャパンドローンに出展したところ、多くの事業者からお問合せを頂きました。その声をもとに事業者向けモデル「除雪ドローンv2」を企画し、現在、多くの商談をいただいております。来年の販売に向けて急ピッチで開発を進めています。
- 業界トレンドへの適応:少子高齢化、労働力不足は今や日本全国の共通課題です。無人化、遠隔操作ができるドローン技術は空だけでなく、水中や水上と活躍の場が拡がっています。我々も今年、「日本水上ドローン協会」を立上げましたが今後さらに活動を活発化し、認知拡大、マーケットの創出、人材育成を進めてまいります。
株式会社SkyDrive
代表取締役CEO:福澤 知浩 氏
- 今年の成果:2023年の最大の成果は、開発体制を強化し、独自に開発したドーム型のローターフレームを曲面配置することにより、機体をコンパクトに保ちつつも、3人乗りの空飛ぶクルマの設計を実現したことです。
- 新しい取り組み:2023年9月、米国の事業開発及び型式証明活動を推進するための拠点をサウスカロライナ州に、さらにスズキ株式会社との業務提携の下、2024年春頃より予定している、空飛ぶクルマの製造拠点を静岡県磐田市に設立しました。
- 業界トレンドへの適応:2024年、Skydriveは大阪万博に向けて機体を製造し、いよいよ飛行試験を開始します。一方でグローバル各社が2025年以降に空飛ぶクルマの実用化を目指す中、それに向けたルールメイキングが進む年にもなると想定しています。弊社も空飛ぶクルマの機体メーカーとして、積極的に協議に参画し、スピーディーに対応していきたいです。
株式会社レッドクリフ
代表取締役:佐々木 孔明 氏
- 今年の成果:多くの場所でドローンショーを実施させて頂きドローンショーの魅力を発信することができ、日経トレンディが選ぶ2024年のヒット予測1位に「ドローンショー&空中QR」を選んで頂くことができました。
- 新しい取り組み:花火大会の協賛をドローンショーで表示するモデルを作りました。またドローンショーQRも大変話題を呼び、ドローンショーがエンタメだけではなく広告としての位置付けを強く印象付けることができました。
- 業界トレンドへの適応:ドローンショーの日常化に向けてテーマパークや商業施設に向けて、高額な導入コストを低コストに抑える為に、ドローンショーのサブスクリプションプランの運用を開始しました。
一般社団法人ドローン大学校
代表理事:名倉 真悟 氏
- 今年の成果:国土交通省登録講習機関となり、一等無人航空機操縦者技能証明取得講座を開講し、多数の一等無人航空機操縦士を創出できたこと。
- 新しい取り組み:ドローン大学校修了生らで構成するドローン大学院にて「ドローン ビジネス スタートアップ レッスン」というインキュベーション講座を月1回×12月開催し、3つの新たなドローンビジネスが誕生したこと。
- 業界トレンドへの適応:来年の国内ドローン業界はネガティブ傾向で、スクールの廃業も増えベンチャーのデフォルトが加速するでしょう。しかしそれはchasm期に突入したことを意味し長期的にはポジティブ傾向だと考えるべきでしょう。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ビジネスエンジニアリング事業部 ドローン・MaaSソリューション部 部長:前田 晋吾 氏
- 今年の成果:本業界に携わる企業の部門社員数として150名を超える組織へ成長した事が人材会社としては、まずは最大の成果と考えています。社会実装に向けて変化し続ける業界の現場第一線の専門性を元に、成長し続けられる組織・社員により、これからも業界をサポート・リードしていきたいと思います。
- 新しい取り組み:ドローン専門の部門にMaaSを融合し、人・物・情報・サービスの移動による課題解決を事業コンセプトとして拡大し、スマートシティの動向も踏まえ、官民へさらに多くのご支援を実現しました。事業拡大後も顧客満足度調査ではハイスコアを維持出来ている事が、業界においてプロセスを構築する役割を担う我々としての成果の表れだと考えます。
- 業界トレンドへの適応:デジタルライフライン計画、アナログ規制の見直しが業界の追い風となり、社会実装が進んでいく見込みです。動向に応じて、官民でテクノロジーを現場へ導入・運用する人材が不足していくと予想。現場が導入・運用に携わらなければテクノロジーはその本来の価値を失ってしまいます。人材関連企業として、ドローン・MaaSにおけるキャリアの可視化は着手済み。来年からは社会におけるテクノロジーを現場で活用できる人材価値を高めていき、その人材を増やしていくサポートを行っていきたいと考えています。
伊藤忠商事株式会社
プログラムマネージャー:中田 氏
- 今年の成果:弊社にとって、2023年は購入したドイツWingcopter社の最新eVTOL機W198による日本初飛行及び日本初実証を達成した記念すべき年となりました。
- 新しい取り組み:実証実験では関係者の協力のもと、1つの搬送容器にてドライアイスを用いず2種類の本物の血液製剤を、品質を担保したまま運びことができました。日本初の試みとなり、医学的にも有益なデータを収集することができました。
- 業界トレンドへの適応:レベル3.5の導入により、ビジネスチャンスが拡大し、市場の成長が加速することを期待しています。ドローンの着実な社会実証に向けて、総合商社の強みを生かして多角的な面から業界の発展に向けて貢献していきたいと思います。
西武建設株式会社
技術開発部:古藤 憲 氏
- 今年の成果:今年は、2021年度から続く、建築研究所・東京理科大学(兼松研究室)・西武建設の3社で取り組むドローンを使用した建築物外壁接触作業について、ドローンで外壁面に接触して作業をする、『ソフトロボットハンド搭載ドローン』のコンセプト機を作製しました。
- 新しい取り組み:今年は、建築物外壁接触作業の次の段階として、2021年度に作製した微破壊検査機器搭載ドローンを使用した、実用化に向けての研究を進めております。
- 業界トレンドへの適応:現在、ドローン×建築業界では、ドローンによる非接触作業が実用レベルで運用が進んでいます。それらに対し、ドローンによる接触作業は、研究段階となっているため、今後もドローンによる壁面接触技術に力を入れ、建築研究所・東京理科大学・西武建設の3社で、建設業界でのドローンの運用がさらに広がるよう、研究・開発を進めて参ります。
株式会社Autonomy
代表取締役社長:舘 良太 氏
- 今年の成果:本年度最大の成果は、オープンソースではない自社開発のセキュリティ性と飛行精度の高いオートパイロット搭載のsurveyorシリーズを第9回国際ドローン展に初めて出展をして発表を行い、販売を開始したことです。
- 新しい取り組み:富士フイルムの1億画素GFX搭載のマルチコプターの開発と飛行距離100キロをこえるeVTOL機、小型で折りたためるバックパックで持ち運び可能な機体と超小型機、ワイヤレス給電システムの開発を進めており、来年夏には販売予定です。無着陸での東京湾往復飛行も春に公開予定です。
- 業界トレンドへの適応:点検、測量、警備業界に注目しております。飛行精度誤差20cm以内のRTKとみちびきを搭載したsurveyorにLiDARとGFXを搭載して、自律飛行により点検、測量、警備等を行っていきます。特許取得のAIによる自動診断を行う仕組みにより、解析レポートまで自動化するものを春頃に発表予定です。
株式会社Dron é motion
代表取締役:田口 厚 氏
- 今年の成果:昨年12月より始まった新制度下における無人航空機操縦士資格(国家資格)取得講座の効率的運営及び質の向上により、100名以上の受講生を受け入れできたことです。昨年よりの早い段階でテスト的な講座実施等でノウハウを蓄積してきたのが役立ちました。
- 新しい取り組み:ドローン人材育成研修のデジタル化を進めています(eLearningは2016年〜実施済)。ドローンスクールやその他の研修において“親方の技術伝授”や“解説はできるが指導ができない講師”が多い中、トップレベルの“親方”の技術を標準化し、指導する講師の負担を軽減する仕組みやツールを準備しています。
- 業界トレンドへの適応:今後はドローン関連人材の企業内製化が進んでいくと思われます。また、ドローンスクールの国家資格講座は飽和し、差別化できないスクールは次々と撤退することでしょう。研修のデジタル化により、研修の効率化と質の向上を両立させ、ドローン業界に必要とされる人材育成の仕組みを変えていきたいと考えています。