JR東海では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの一環として、軽油を燃料とするディーゼル車両から排出されるCO2を実質ゼロにする技術の開発に取り組んでいる。
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その手段として、次世代バイオディーゼル燃料の試験を行っているが、併せて水素を燃料とした「水素動力車両」の開発も目指しており、、鉄道では国内外で事例のない「水素エンジン」の活用も検討しているという。
今後、燃料電池又は水素エンジンを動力源とした鉄道車両の走行性能や、山間部が多く長距離となるJR東海の非電化路線への適合可能性等を検証するため、小牧研究施設にある車両走行試験装置と水素供給設備を組み合わせた模擬走行試験を実施する。
水素動力車両の開発
- ・動力源として、軽油を燃料とするディーゼルエンジンの替わりに、水素を燃料とする燃料電池又は水素エンジンを活用。また、燃料電池又は水素エンジンから得られる電気と蓄電池の電気で走行する「水素動力ハイブリッドシステム」の導入を目指す。
- ・水素動力車両の導入により、走行時のCO2排出量をほぼゼロに。
- ・JR東海の非電化路線への導入に向け、山間部の連続する勾配を走行可能な高い出力と、長距離走行が可能な高い効率性を備えたシステムの実現を目指す。
模擬走行試験
- ・小牧研究施設にある車両走行試験装置は、レールを模した軌条輪の上で台車を走行させることで、勾配等の実際の走行条件を模擬できる装置だ。
- ・模擬走行試験では、燃料電池又は水素エンジンを動力源として発電した電気と蓄電池の電気を、車両制御装置を介して車両走行試験装置の台車に装備された電動機に供給することで、この電動機を回転させて台車を走行させる。
- ・上記試験では、山間部が多い当社の非電化路線を念頭に、勾配等の様々な走行条件を模擬し、実車試験よりも更に充実したデータを、効率的に取得、分析する。
- ・燃料電池と水素エンジンは、それぞれ出力やエネルギー効率等の特性が異なるため、模擬走行試験等で、これらを動力源とした場合の鉄道車両の走行性能や、山間部が多く長距離となる当社の非電化路線への適合可能性等を検証する。
スケジュール
- 2023年11月 燃料電池を活用した模擬走行試験
- 2024年度以降 水素エンジンを活用した模擬走行試験
※車両開発は、日本車輌製造株式会社とJR東海が共同で行う。車両制御装置は、水素動力ハイブリッドシステム用の制御装置を東芝インフラシステムズ株式会社と開発、燃料電池は、トヨタ自動車株式会社製の燃料電池モジュールを使用する。鉄道車両用の水素エンジンは、i Labo株式会社と開発していくという。将来の水素供給体制について、ENEOS株式会社と検討を開始する。