課題
現在、地方においてはゴミ収集が大きな課題となっている。人口減少している地域のごみの回収所は統廃合され、住民は遠くの回収所まで運ぶ必要が出てきている。地域課題の解決プロジェクト「KAGA ecomobi」は、これを自動運転車などの最先端技術によって解決していこうとするもの。
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プロジェクトではゴミ収集車の自動化とごみ箱共通化を想定。自宅付近から自動運転車が巡回してゴミを回収し、指定のインテリジェントゴミ箱により高齢者の見守りを実現したいとしている。
デザイン概要
エコモビ車両
- 軽自動車の規格に収まるサイズを想定(スズキ・ジムニーのサイズ)
- 市販の自動運転車(英Oxa社等)のカスタマイズ利用を前提としつつ、将来性を考えたマルチベンダー戦略
- 降雪時や夜間時の運用、視覚障がい者にも見やすい視認性に配慮した配色
- 降雪地帯・悪路を想定した足回り
インテリジェントゴミ箱(特許申請済)
- 各住宅内にて使用し、そのままエコモビに搭載が可能なインテリジェントゴミ箱
- 住宅内で充電を行い見守りサービスに利用。電力はエコモビが回収し走行に利用する
- 降雪時や夜間、視覚障がい者にも見やすい視認性に配慮した配色
- ボックスの共通化により、配送のラストワンマイルを実現(次フェーズ)
エコモビ車両装備
- 夜間時の地域見守りなどが出来、サイネージなどの掲載が可能なボディ
- 運転に必要なセンサーや冗長化された通信を備えるシステム
- 降雪地域特有の路上設備(スノーポール等)をトレース(特許申請中)
- 誰にでもゴミ箱を搭載できるシステム構成
ゴミ箱の搬送システム
- ゴミ集積所にて規格統一化されたゴミ箱を自動搬送する仕組み
- 規格統一された定形物だけを乗せることによる効率化
- 住民は「ゴミを詰める作業」や「集積所まで持ち込む労働」から解放されることを想定
車両基地
- 長期的には旧北鉄電車線の線路・車両基地跡地の利用を想定
- 各地域間を繋ぐインフラとなること、過疎地における夜間巡回点検などを想定
アプリ&指令システム
- 車両がどこを走っていているのか直感的に分かるユーザーインターフェース
- 低速走行を前提とし、渋滞を避ける、通学時間をさけるなど、既存の道路通行を妨げないシステム
- 衛星通信や5Gなどを利用した通信の冗長化。地域の犯罪抑止などへの活用を想定
- 決められた路線の巡回を想定
- 交通系・決裁系アプリへの統合
実証実験ルート案
当初、旧北陸鉄道加南線をトレース。旧北陸鉄道加南線は明治から昭和にかけて現加賀市内を繋いでいた電気鉄道で、昭和40年代に全線廃止された。生活鉄道軌道があったことによるメリットが数多くみられるとして、同ルート案とした。
[主なメリット]
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- 元々の生活圏を繋げている
- 道幅が広い
- 駅跡に基地を作りやすい
- 主要道路が並走(混まない)
- 高圧電源が並走
- 消雪設備が設置
[副次的メリット]
- 軌道の復活という感情的共感
- 山中地域への観光客引き込み
先行特許の取得
実証実験に向けて、以下2つの特許を先行して申請している。
- インテリジェントゴミ箱の自動搬送に関する特許:規格統一化されたゴミ箱と、それらを自動運転装置によって回収する仕組み
- 降雪地域特有の道路設備を自動運転への活用に関する特許:路上に設置されたスノーポール、(井戸水を利用した)消雪設備をトレースし、自動運転に利用する仕組み
スケジュール
2023年 | コンセプト実証、コンセプトの公開 | 本資料による市内外の協力会社の募集、自治体への提案 |
2024年 | 実証実験の開始を予定 | 加賀市内の設備を利用した実証実験の開始 |
2028年~ | 限定的運用の開始目標 | 加賀市内にて限定的運用の開始 |
2030年~ | 加賀市内にて自動運転車組み立て開始目標 | 車両の製造・運行に係る各種許可の取得、産業用地の取得等 |