取り組みの背景と目的
近年、ミズナラ等が集団的に枯損する「ナラ枯れ」が全国的に発生し、その対策が課題だ。枯死した樹木を立木のまま放置することで、周辺の別の木に被害が広がったり、倒木などの危険が発生したりするため、早期の対処が必要となる。
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所沢市では、広大な森林緑地内に職員が足を運び、枯死木調査を行っているが、業務量など課題があり、効率が良く有用性のある調査方法を検討していた。NTT東日本は、所沢市よりこの課題についての相談を受け、以前から森林調査ソリューションにおいて連携しているDeepForest Technologiesの技術を活用した課題解決を所沢市へ提案した。
所沢市における枯死木調査においても、ドローンで撮影した画像データと「DF Scanner」によるAI解析が有効であると想定し、3者で連携して実証を行うこととした。このような汎用的な市販ソフトウェアを用いた枯死木調査の実証実験は国内初の試みだ。
「DF Scanner」は一般的なデジタルカメラを搭載した安価なドローンで撮影した画像データでも樹木の状況を解析できるため、本取り組みの実用有効性が確認された場合、市販ソフトウェアと一般的なドローンで撮影した画像による再現性のあるソリューションの提供が可能になり、他の自治体様においても森林管理における職員の稼働とコストの大幅な削減が期待され、森林保全活動を迅速かつ確実に推進できるという。
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ドローン撮影画像と「DF Scanner」を利用した実証のイメージ
協定および実証概要
名称 | ドローン撮影画像×AI解析ソフトを活用した「ナラ枯れ」把握効率化の実用化実証実施協定 |
締結者 | 所沢市 DeepForest Technologies株式会社 東日本電信電話株式会社 |
実証期間 | 2023年10月16日(月)~10月18日(水) |
実施内容 | ① ドローン飛行・ドローンに搭載したデジタルカメラによる調査対象森林の撮影 ② ドローン撮影画像を「DF Scanner」にて解析 ③ 実地調査結果とドローン把握データを突合して検証 |
調査対象森林 | 三ケ島二丁目里山保全地域(埼玉県所沢市三ケ島二丁目535外) |
各者の役割
所沢市 | ①実証実験実施区域を指定 ②実証実施区域におけるナラ枯れ木に関する実査データの提供 |
Deep Forest Technologies | ①ドローンを活用した実証実験実施区域の空撮 ②空撮した画像の「DF Scanner」での分析によるナラ枯れ樹木の検知 |
NTT東日本 | ①所沢市様のナラ枯れ把握に関する課題把握 ②課題解決に向けた最適ソリューションの提案(DeepForest Technologiesとのマッチング)と実証実施のコーディネート |