これにより、ツクヨミ- IはRocket Lab社のロケット、Electronによって2023年9月以降にニュージーランド・マヒア半島にあるRocket Lab Launch Complex1から宇宙に向けて旅立ち、傾斜軌道に投入される予定だ。打上げ日時は後日通知する。
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QPS-SAR 5号機は、米国Virgin Orbit社と契約し、2023年初頭の打上げを予定していたが、Virgin Orbit社が2023年1月に打上げ失敗した後に5月に事業停止となったため、この度、新しくRocket Lab社と契約した。今回のミッションはQPS研究所の専用ロケットとして打上げられる予定だ。
また、宇宙関連業界では、ミッションに関わる関係者の絆を深めるためにミッションネームが付けられる。今回、5号機の愛称が「ツクヨミ」であることから、QPS研究所とRocket Lab社により、ミッション名は「The Moon God Awakens」と名付けられた。『QPS-SARコンステレーションの2機目(複数機)、更には傾斜軌道となる5号機が打ちあがることで、まさにこれからその力が目覚め、本領を発揮する』という想いが込められているという。
小型SAR衛星「QPS-SAR」
QPS研究所は収納性が高く、10kgと軽量でありながら大型の展開式アンテナを開発。そのアンテナによって強い電波を出すことが可能になり、従来のSAR衛星の1/20の質量、1/100のコストとなる100kg台高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功した。現在はQPS-SAR1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」、そして6号機「アマテル-III」の3機を運用中。
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コンステレーションを構築するための3号機以降にはさらに高精度・高画質の画像を取得できるよう改良した。展開型太陽電池パネルとバッテリーを追加して使用できる電力量を増やし、アンテナの鏡面精度も向上させることで、さらに強い電波を出せるようになるという。
そして、JAXAとアルウェットテクノロジー株式会社が共同開発した「軌道上画像化装置」を搭載することで、SAR観測データを軌道上の衛星内で処理し、衛星からのダウンリンク量の大幅な圧縮が可能となり、即応性の高い観測ニーズに応えられるようになった。
また、軌道制御用のスラスターを搭載している。3、4号機は2022年10月に打上げられるもロケットの失敗で軌道投入できなかったが、同じ性能を持つ6号機が2023年6月13日に無事に軌道投入され運用を開始し、7月13日に初画像取得の発表、そして7月25日に民間SAR衛星で日本最高となる46cm分解能の画像取得に成功した。
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関係者のコメント
Rocket Lab社CEO Peter Beck氏
エレクトロンはまさに今回のような打上げミッションのために設計されており、今までに何度も成功をさせてきました。QPS研究所のSAR衛星は、防災や海洋モニタリング、インフラ管理、農業などで重要な役割を果たすことができるものです。彼らの衛星が宇宙に打上げられるのが早ければ早いほど、その素晴らしい能力をより早く必要としている顧客に提供することができるので、QPS研究所と協業できるこの機会に感謝しています。
QPS研究所 代表取締役社長CEO大西 俊輔氏
昨年5月に5号機打上げのロケット契約について発表を行ってから、様々な状況により遅れることとなりましたが、6月13日に先行して打上げられた6号機に続いて、5号機の新たな計画を発表できることを大変嬉しく思います。私たちが目指す準リアルタイム観測データ提供のためには衛星を早く打上げてコンステレーション構築することが重要ですので、今回の新たな打上げ契約のために尽力してくれたRocket Lab社の皆様、プロジェクト関係者の皆様、そして弊社担当チームに大変感謝しております。今回の協業によって私たちのプロジェクトが大きく前進することを信じています。