株式会社エネコムは、2023年3月22日に二等無人航空機操縦士の資格取得を支援する eラーニングサービス「EneLearn Drone Meister」(エネラーン ドローン マイスター)を開講した。
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2022年12月5日に改正航空法が施行され、ドローンの操縦ライセンス制度(国家資格)が創設された。「EneLearn Drone Meister」は、二等無人航空機操縦士資格の学科試験に対応したeラーニングサービスだ。登録講習機関(ドローンスクール)や操縦ライセンス取得を目指す法人・個人を対象とする。
eラーニングは、国土交通省のカリキュラム、教則に沿って、ライセンス取得に必須となる知識を網羅的に学習する「学習コース」、模擬試験と一問一答形式により学科試験対策を行う「学科試験対策コース」、一問一答形式により実地試験を想定した対策を行う「口述試験対策コース」の3つのコースで構成されている。
国家資格が始まる前から民間のドローンスクールで操縦技術講師を行っている甲斐氏と2年前にドローンの民間資格を取得し、趣味としてドローン撮影を行う古川氏は、現在、二等資格取得を目指し、Drone Meisterを受講しているという。本稿では、Drone Meisterをどのように活用し、二等資格の取得に役立てているのかについてお話を伺い、資格取得に向けた取り組みを取材した。
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ドローン国家資格取得を目指すDrone Meister受講生にインタビュー
――:「EneLearn Drone Meister」を利用してドローン操縦の二等資格取得を目指したきっかけは何でしたか?
甲斐氏:ドローンの国家資格はすでにかなり浸透してきており、資格を取得しておくことでクライアントの安心感や信頼性に繋げられるのではないかと思いました。
また、民間資格の頃から操縦の技術講師として活動をしており、これからはどのスクールも国家資格を取得するという形に変わっていくと思います。講師として活動していくにあたり技術力を証明するため、これを機に資格を取得しておこうと考えました。この2つが大きな理由になります。
古川氏:私は、仕事ではなく趣味でドローンを活用しています。昨年末に国家資格になった時から資格取得を考えていました。そこで資格を取得する方法や試験の内容などについて調べていたところ、eラーニングの存在を知りました。
登録講習機関に通うことも考えましたが、講習に通うよりも金額的に手頃だということと、オンラインで好きな時間に勉強ができるということから、もう一度学習し直してみようと思い、「EneLearn Drone Meister」の受講を決めました。
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隙間時間を使って効率良く!振り返って繰り返し学習できる効果的なeラーニング
――:eラーニングサービスを通じて学習する上で、どのような点が便利で効果的だったと感じましたか?
甲斐氏:時間や場所に縛られず、好きなタイミングで受講できるのは大きなメリットでした。また、他のeラーニングサービスだとページをめくるだけという教材も多いので、音声で解説が聞けるところがとても良かったです。私は、どちらかというと耳から学習するタイプなので、音声で読み上げられるという点が効果的でした。
何度も聞き流すことができ、画面を見なくても何か作業しながら音声で聞くことができます。それを何回か繰り返していくと、自然と頭に残っていき、知識の定着にすごく役立ちました。学習にかかった時間は、トータルで10時間は超えていると思います。講習を受けに行くのと違って、自分のペースで繰り返せるのが良かったです。
スライドと音声説明により、重要なポイントを効率よく学習できる「学習コース」
「学習コース」は、国土交通省のカリキュラム、教則に沿って作成され、ライセンス取得に必須となる知識を網羅的に学習する。現場で役立つ知識やヒヤリハット事例なども解説した実践的な内容になっている。学習後には、章末テストと修了テストを受けることで学習効果を確認できる。(学習コース 料金:税込27,500円、受講時間:約10時間、受講期限:受講申し込み後より1カ月)
古川氏:少し空いた時間やテレワークでお昼休みにご飯食べながらなど、隙間時間や夜遅い時間、好きな時間に勉強できるのは便利でした。スケジュール的には、仕事が終わってから、夜に学習することが多く、学習を習慣づけようと思い、毎日最低30分、余裕があれば、1時間ぐらい勉強するように進めていました。講座はパソコンで視聴することが多かったのですが、ワイヤレスイヤホンを着け、作業しながら音声を聞き、後から動画を遡ってスライドに書かれているポイントを確認することもありました。
「学科試験対策」と「学習」コースを繰り返すことで結びつき自分なりの学び方を発見
――:学習コース、学科試験対策コース、口述試験対策コースの中で、特に印象に残った内容や助けになった要素はありますか?
甲斐氏:学科試験対策コースの模擬試験や一問一答型式の問題は、何度でも受講できます。「学科試験対策コース」を繰り返し行うことで、「学習コース」の知識が定着していくのが実感できました。模擬試験は、50問出題され、30分で実施します。実際の学科試験を想定しており、残り時間の表示がどんどん減っていくので、時間配分の仕方がリアルに再現でき、すごく良いと思いました。
また、同じ問題だと答えを覚えてしまいますが、受ける度に違う問題が出てくるので、本当の意味で知識の確認になります。「学習コースを聞き流す⇔学科試験対策コースを実施」を反復するなど、自分に合った学習方法を組み合わせることができ、知識の定着に役立ちました。
模擬試験と一問一答形式により学科試験対策を行う「学科試験対策コース」
模擬試験:本番を想定した出題形式(50問30分、3択問題形式)を実践できる。50問中45問正解すると合格(合格点90点)。問題はランダムで出題され、一度合格となった場合でも繰り返し受講可能
一問一答形式:1問解答するごとに採点結果と解説が表示される。多くの想定問題を繰り返し解くことができる。(学科試験対策コース 料金:税込13,200円、受講期限:受講申し込み後より1カ月)
古川氏:学習コースで、ドローンに関連する必要な知識や法律を学ぶことも大事ですが、それ以上に点検や確認作業など、安全を確保することが大切だと改めて思いました。運航日前や飛行前、飛行中、飛行後の点検など、安全に関する項目が多く、知識と同じくらい繰り返し出てきたので、ここが重要だと改めて感じ、自分も安全な運用について気をつけなければいけないと思いました。
また、学習コースの最後に修了テストを受けるだけではなく、章毎に穴埋めクイズや章末テストが設定されているため、途中で自分の習熟度が確認でき身に付きやすかったです。クイズやテストで間違えたところや自分で「ここが弱いな」と思うところを振り返って、苦手な分野を繰り返し学習できる点が良かったです。模擬試験にも同じような問題が出てきているので、重要な点と学科試験との関連性が確認できました。
ケーススタディや章末テストで理解が深まる「学習コース」
「学習コース」では、最後の修了テストだけでなく、各章ごとに行われる章末テストやケーススタディなどで、具体的な事例が起きた時の対処法など、ミニテスト型式で行い自分の理解度を確認できる。苦手な部分を振り返り、繰り返し学習することが可能。
――:ドローン操縦の二等資格取得に向けての学習や試験対策で難しかった点や困った点はありましたか?それを克服するためにどのような取り組みをしましたか?
甲斐氏:口述試験対策コースは、一問一答形式だが、学習コース同様に音声化されていたら、作業しながら取り組むことができるのでより良かったと思います。また、実際の口述試験の問題を考えると内容が多岐に渡りすぎていると感じましたが、試験へ合格するためだけではなく安全な運用知識を身に付けるための問題数も多く網羅されているのだと思います。ただ、想定問答(模擬テスト)のようなものが用意されていると良かったと思います。私の場合は口述試験対策コースから実際の口述試験に即した想定問答を拾い、それを繰り返し確認するようにしました。
古川氏:私も口述試験は、模範解答としてどういう答え方をしたらいいのかが分からず、その辺りが難しいと感じました。口述試験対策コースの解答などを参考に学習をしました。また、ドローン以外の飛行機やヘリコプターに関する知識は、初めて知る内容でした。飛行機とドローンの機体の動きが、スロットルとエレベーターが異なっているなど気づきがあり、そのような新しい知識や大事なポイントはメモにまとめて整理しました。
実地試験(実技試験)での口述試験を想定した「口述試験対策コース」
「口述試験対策コース」は、一問一答形式により実地試験における口述試験対策を行う。問題文を読み、答えを考えてから解説ページに進み確認する。注意点等を具体的に学習できる。(口述試験対策コース 料金:税込13,200円、受講期限:受講申し込み後より1カ月)
二等資格取得を目指して
――:「EneLearn Drone Meister」を利用してドローン操縦の二等資格の学科試験に向けて、どうですか?
甲斐氏:操縦技術には自信がありましたが、学科試験対策を独学で行うのは苦手だと思っていたのでとても助けになりました。テスト内容が都度変化する模擬試験で90点以上がキープできれば、自信をもって学科試験に臨めると思います。まずは、もう一度音声を聞いて復習し、何度か模擬試験を受け、7月中には学科試験を受けたいです。
古川氏:制限時間(30分)が画面上でカウントされるので、本番に近い状態で緊張感を持って模擬試験を受けられました。何回でも受けられ、そのたびに違う問題が出てくるので知識が深まると思います。国土交通省のページにあるサンプル問題をやってみましたが、Drone Meisterの問題と似ていたので安心しました。学科試験に備え、繰り返していこうと思いました。
――:二等資格取得後、将来のドローン活用に向けて、どのような目標や展望を持っていますか?
甲斐氏:次は一等を目指します。国家資格化は日本のドローン業界においては大きな前進であり、今後は運転免許のように「持っていて当たり前」になっていくと思います。もしかしたら、タクシー免許のように「個人利用は二種」「事業者は一種」といった仕分けがされていくかもしれません。例えば、ドローン系の会社では国家資格を持っていることが採用基準の一つになってきています。このように、世間にも徐々に浸透してきているので、さらに注目されていくことは間違いないと思います。
古川氏:私は、そもそもドローンの民間資格を取ろうと思ったのは、写真撮影が趣味で、旅行先でスマートフォンとミラーレスカメラ、アクションカメラを持って、どうにか絶景を撮りたいという気持ちからでした。資格を取得して機体認証を受けると、カテゴリーII飛行の一部が許可・承認不要で可能になるため、今までより飛行の機会が増やせるのではないかと期待しています。
私は長崎市出身なのですが、長崎県は島が多く、映える空撮スポットがたくさんあります。ドローンで撮影した動画や写真で長崎の魅力を国内外にアピールできたら良いと考えています。
甲斐氏は7月中に、古川氏は8月の前半に指定試験機関にて「二等学科試験」の受験を予定しているという。今後は、実地試験を経て、「二等無人航空機操縦士」の資格取得を目指す予定だ。ドローン国家資格取得に向けたチャレンジがこれからも続いていく。
エネコムのeラーニング「EneLearn Drone Meister」二等経験者学習コースをドローンパイロット・白石麻衣が徹底チェック!