ルナクルーザープロジェクトの意義・価値
ルナクルーザープロジェクトは、国際協力・アルテミス計画へ貢献を目的とし、月面車開発で鍛えた技術を社会に還元する。技術の向上と前例のない厳しい環境によるヒトの成長を目指す。
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地球から月、月から地球へ
循環型社会へ月で太陽光・水・水素を使った循環型システムの開発し、地上でのカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミに貢献する。
また、月で移動価値の拡張として月面車・月面社会へチャレンジし、地上で幸せに暮らせる街・誰もが安全に移動できる可能性を探る。月と地上での技術開発とフィードバックを繰り返し、真の循環技術として、太陽と水のみで生活・走行を目指す。
全体開発状況
ルナクルーザープロジェクトは、2019年に初期検討が始まる。2020年~21年にかけて共同研究が行われた。2023年から、全体システム概念検討や概念設計、要素試作試験といった先行研究開発は進められている。
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2027年に本体開発(仮日程)、2029年の打ち上げを予定している。
コア技術
再生型燃料電池(RFC:Regenerative Fuel Cell)
ミッション要求・月面環境要求は、太陽光もない月の夜(14日間)を無事に過ごす。課題は、月の昼の間に大容量のエネルギーを繰り返し再生すること。
今後は、月面での稼働を模擬した実証試験で機能・性能を確認する予定。
地球への還元として、「持続可能な水素社会-住み続けられる街-」を目指す。燃料電池技術と水電解技術を組み合わせて、太陽光で高効率に水素を生成し、車載可能な小型・軽量な再生型燃料電池システムを構築する。
水と太陽光だけで半永久にサステナブルかつランニングコスト0という、循環型の生活・カーボンニュートラルに貢献する。災害時避難所(学校、公民館、ホテル)や、離島・辺境集落のぽつんと1軒屋、紛争地帯の難民キャンプ、船舶などでの活用を想定している。
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オフロード走行性能
ミッション要求・月面環境要求は、レゴリス/クレータ/岩石/傾斜の複合環境を安全に走破。課題は、レゴリスに適応したタイヤ開発と駆動力制御、走破性能と電力消費の両立。
[技術開発]
- オフロード走行テスト車#1
- オフロード走行が可能な、車重2tの車両
- 4輪独立インホイールモータ&転舵機構を採用し最適な運動制御を開発
- 要素開発例
- 金属タイヤ by ブリヂストン
- ランドクルーザーで培った堅牢な構造と、電動技術を融合した足回り
- 複合環境で高効率な走破性能と転倒リスク予知を目指す
今後は、原寸大のオフロード走行テスト車#2にて、オフロード走行性能開発を予定している。
地球への還元として、走行技術未知の場所を走る走行・自動運転を目指す。
オフロード自動運転
ミッション要求・月面環境要求は、初見のオフロード路を自動運転走行。課題は月面自己位置推定、障害物検知、回避経路策定。
[技術開発]
今後は、原寸大のオフロード走行テスト車#2、月面模擬テストコースで、自動運転機能を開発、評価することを予定している。
地球への還元として、走行技術未知の場所を走る走行・自動運転を目指し、以下の様な場面を想定している。
- 道なき道を安全に走行(ガーディアン、遠隔、自動)
- 高性能な悪路走行制御・転覆抑制
- 電費のいい悪路走行を支援(経路生成・走行)
- 災害状況の確認(遠隔、自動)
- 危険な地域の物資輸送(遠隔、自動)
UX(User Experience)
ミッション要求・月面環境要求は、
- 1カ月間、車内(狭小空間)で生活
- モノクロの月面、100%オフロードを走行(1日最大8時間、6日間連続)
課題として、以下を挙げている。
- 精神的負荷が高く、クルーの作業効率・意欲の低下
- 目視による走行ルート判別が困難
→操作・判断ミスのリスク
今後は、モックアップ、ドライビングシミュレータを用いた検証で、ローバの安全性・快適性の向上を目指す。
地球への還元として、自動運転、パーソナルモビリティなど車の在り方が多様化する中で、人中心のモビリティ設計に貢献する。地球から遠く離れ、限られた狭い空間で極限状態に置かれた人へ「自由」を提供し、安心・快適な移動・パブリックとプライベートを両立させた健やかな生活・感動体験を実現する。