2019年に、沿岸警備を目的とした自律無人機ネットワーク型監視システム「CoasTitan」をプロドローンと共同で出展しているが、「三菱重工製ドローン」という意味では、今回が初めての出展となる。今後、社会的認知度を上げていきたいという。
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広範囲の点検・巡回・巡視を想定した長距離飛行が可能なシングルローター型「小型ドローン」を展示
会場に展示されていた小型ドローンは、全長約2m。航続時間は2時間、巡航速度は60km/h(最大90km/h)、エンジン駆動で長距離飛行が可能という特徴を持つ。
耐風性、耐環境性に優れたシングルローター型のヘリ型タイプを採用し、ペイロードは7kg(燃料含む)。展示機には搭載されていなかったが、可視光ジンバルカメラの搭載を予定している。
用途としては、2時間という長時間飛行が可能なため、広範囲の点検・巡回・巡視を想定している。開発状況は、2022年冬からスタートし、今年の3月に、中部電力とドローンで現地確認を行う“スマート保安”の実証試験を実施し、河川に人がいるかを確認する巡回監視を行い、小型ドローンによる保安業務の有効性を確認したと発表した。
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担当者は、「今後は送電線の点検なども行いたい」と話す。ターゲットは、インフラ関係、災害対応、官公庁などを想定しており、型式認証の取得を目指している。
高ペイロードで物資輸送に最適な「中型ドローン」
会場のパネルに実寸大のイラストで描かれているのは、2022年から開発をスタートし、9月に初飛行を行った「中型ドローン」だ。中型とはいえ大きく、全長約6m×6m、機体重量は500kgを超え、200kgという高ペイロードの物資輸送機となっている。
写真にある実証機はバッテリータイプだが、最終的に航続時間2時間を目指すために、エンジンで発電を行いバッテリー駆動でローターを回すハイブリッドタイプを想定している。
また、中型ドローンはレベル4の実現に向けた型式認証ではなく、航空機に分類される無操縦者航空機というカテゴリーになる。
有人航空機と同じくらい厳しい認証が必要となるため、時期は未定だが、航空局と相談しながら開発を進めているという。
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用途としては、「トラックには及ばないものの、高いペイロードを活かし、建築資材や拠点間輸送、山間部や離島での活用を考えている。三菱重工は航空機メーカーとして歴史があり、型式証明など取得できる可能性は高い。
認証取得のノウハウや経験を活かせるのが強み。このバックグラウンドがドローンのフィールドにも活かせると考え開発に至った」と担当者は話した。
航空機産業からの参入とあって安全性や品質保証、認証取得に関するノウハウを活かしたスピード感のある開発状況が目を引いた。会場では従来のUAVに比べ大型である「中型ドローン」の開発にも注目が集まっていた。