合弁会社設立は、両者の有する技術を結集し、次世代の航空移動手段の可能性を拡げることを目的とするものという。
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合弁会社は第 54回パリ航空ショーにおいて、空飛ぶクルマと呼ばれる電動垂直離着陸航空機 (以下、eVTOL)向けに製品及びサービスを提供し、Urban Air Mobility市場へ新規参入することを発表する。
合弁会社の電機駆動システムの最初の販売先は、Embraerの子会社である Eve Air Mobility となる。電機駆動システムは同社のeVTOLに搭載される。
世界有数のモーターメーカーであるニデックは、合弁会社にeVTOLの機体を宙に浮かせ、推進するための駆動モータに関する技術やノウハウを提供し、航空ソリューションプロバイダーとして50年以上の歴史を誇るEmbraerはモータの状態を管理し、周辺機器との連携を担う制御技術を提供する。
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両社の最先端技術を活用することで、合弁会社は eVTOL向けに電機駆動システムの開発、製造、販売を行い、将来は、eVTOLだけではなく、様々な電動航空機に電機駆動システムを提供する予定だ。また、合弁会社は、NMCが 51%, Embraerが49%の出資比率で構成され、本社は米国ミズーリ州セントルイスに位置し、両社のブラジルやメキシコの既存工場を活用して製造を開始する。
ニデックが創業以来築き上げてきたモーターの軽薄短小の技術と世界有数の航空機メーカーEmbraerとの協業によって、電動航空機の実用化がより早く実現し、世界のCO2削減に貢献できると考えているという。
Embraer President 兼 CEO, Francisco Gomes Neto氏は以下のようにコメントした。
イノベーションは将来の成長の原動力であり、戦略計画の重要な柱です。この度、ニデックと戦略的パートナーシップを組むことにより、航空分野へ新しいソリューションを提供できることを非常に嬉しく思っております。また、航空市場における電機駆動システムの需要は急速に高まっており、ニデックと Embraer が手を組むことにより、持続可能な航空の未来に向けて、先進的な製品開発を着実に推進できると確信しています。
今回のニデックとエンブラエルの合同会社がEve Air MobilityのeVTOLに電動モーターを供給するケースは、デンソーとハネウェルが開発した電動モーターが独LiliumのeVTOLに採用された件につづく動きであり、世界中で動き出した新しいエアモビリティ産業の創出に合わせたものである。今後、さらに多くの日本企業が世界のeVTOL市場への関与・貢献を期待したい。