自動運転を取り巻く環境は、経済産業省・国土交通省の委託事業「RoAD to the L4」プロジェクトや2023年4月の道路交通法の改正で、エリア・車両限定で遠隔監視による公道での自動走行(レベル4)が可能となるなど整いつつある。こうした環境整備もあり、地域公共交通への自動運転実装は全国の地方都市が注目する事業の一つとなっている。
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また、デジタル社会のビジョンとして「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が2022年6月に閣議決定された。国民生活の利便性を向上させ、官民の業務を効率化し、データを最大限活用しながら、安全・安心を前提とした「人に優しいデジタル化」を目指す。今後一層、官民ともにDXに向けた取り組みが加速すると想定される。
このような背景から、地方創生の目標の一つである「人が集う、安心して暮らすことができる魅力ある地域をつくる」ための支援として、両社が保有する技術とノウハウを結集し、地域公共交通への自動運転の普及促進と3次元データの利活用によるDX推進に向け、本合意書にもとづき検討に着手するとしている。
両社の優位性
両社は道路周辺の高精度3次元データを計測する技術を保有し、全国のダイナミックマップの生成に寄与している。
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また、アイサンテクノロジーは、自動運転に関する実証実験の実績やノウハウを保有し、パスコは、自治体における各種マスタープラン策定などの都市コンサルティング、空間情報サービスなどのノウハウを保有する。
アイサンテクノロジー
既に100件以上の自動運転実証実験の実績を有し、更なる事業展開として、自動運転ワンストップサービスの事業化を目指して、2023年2月には三菱商事株式会社と新会社A-Driveを共同出資で設立するなど、積極的な事業展開を図っている。
パスコ
道路をはじめとする公共インフラの維持管理など自治体への業務支援、GISを活用した公共分野のDX化を推進する事業を展開。都市計画や交通計画など地域計画の策定を行う都市コンサルティングの技術とノウハウを保有する。