© Short Shorts Film Festival & Asia
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ドローンで撮影されたショートムービーの上映に会場が沸く
6月2日より東京都表参道ヒルズで開催されている、米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)」内にて、6月5日、DJIが「ドローンクリエイティブセミナー」を開催した。映画関係者にDJIの最新ドローンの技術を知ってもらうことを目的としたイベントで、ドローンで撮影されたショートムービーの上映やドローン実機のデモンストレーションに会場からざわめきやどよめきが絶えない時間となった。
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セミナーはに2部構成になっており、「WIRED」日本版の年吉聡太副編集長をモデレーターとして、第1部はショートショートフィルムフェスティバル代表/俳優の別所哲也氏、映画コメンテーターのLiLiCo氏、そしてDJI JAPAN代表取締役・呉韜(ご とう)氏によるトークセッション。ドローンとクリエイティブの可能性についてそれぞれの立場からドローンに対する熱い意見が交わされた。
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別所氏はすでにドローンについて熟知している様子で、ショートショートフィルムフェスティバルとDJIのコラボレーションでいくつもドローンプロジェクトを考えているとのこと。
DJIと共同でラインセンスを発行したり、ドローンを飛ばせるセミナーを開催したり、ドローンパイロットと映像クリエイターを結びつけたショートムービー制作プロジェクトをスタートしたり…
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と熱く語ったのが印象的だった。ショートフィルムムービーとドローン空撮の相性は非常によく、今後の展開が楽しみだ。詳しくは、インタビューを行ったので、後日改めてお伝えしたい。
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映画コメンテーターのLiLiCo氏は自身のプロレス入場シーン(現在女子プロレスラーとしても活躍中)にドローンを活用したい!と独自の切り口でドローン空撮の活用方法を提案し、会場の笑いを誘っていた。また、一方で3D映画普及当初の状況になぞらえ
3D映画が普及した当初は飛び出てくることで3Dを表現していたが、今の3Dは奥行き感を出すことで3D感を表現している。ドローンも“飛んで行く”というところからトンネルや森などに“入っていく”というところに行くとおもしろい。
と映画コメンテーターならではの視点でドローンによる映像表現の可能性に言及していた。
DJI JAPAN独自制作ショートムービー「桜」の制作秘話
DJI JAPAN短編映画「あの日、桜に残した声を訪ねて」
第2部では、DJI JAPANの映像を制作しているスタッフの熊田氏と中村氏をコメンテーターに迎え、映像制作現場のリアルな話を聞ける貴重なトークセッションとなった。DJI JAPANが制作したショートムービー「桜」やドリフトカーがサーキットを疾走する動画、奄美大島の映像をもとに、撮影のポイントを制作者本人が解説した。熊田氏によれば、特に「桜」の撮影では、開花時期が読めない自然の被写体を相手にスケジューリングから苦労したとのこと。当初は大規模なクルーでの撮影を計画していたが、桜の開花状況に柔軟に対応するため、クルー3名(監督+ディレクター兼カメラオペレーター+ドローンオペレーター)、撮影機材は、手持ちジンバルカメラのOSMOとInspire 1、Phantom 4というミニマムな構成で製作されたと言う。それでもハイクオリティなショートムービーが製作できてしまうところがDJI製品の特筆すべきところだろう。
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また、ドローンパイロットの中村氏は、ドローンの高度による映像の流れ方に言及。高高度であればスピードを出さないと景色が流れないが、逆に低空だと被写体との距離が近いのでゆっくり飛ばさないと景色が速く流れすぎてしまうとのこと。本人も、普段のフライト練習の中でいかにスムーズにゆっくりとまっすぐ飛ばすか、という練習方法を取り入れているそうで、これはドローン空撮の現場を知っているパイロットならではの練習方法だ。
今回のセミナーは映画業界に関わる有識者から見たドローンの可能性の議論、そして空撮現場のスタッフから見たドローン空撮の実務秘話と、異なる距離・高さからドローンというツールの本質を客観視するとても良い機会になったのではないだろうか。セミナー終了後には出口横にあるドローン実機の展示コーナーには大きな人だかりができていた。映画業界、映像クリエイターの心をDJIドローンはしっかりと捉えることができたようだ。