点検記録と飛行日誌の義務化
令和4年12月1日より飛行日誌が義務化されていたのは皆さんご存知ですよね。今まで国土交通省に許可承認を得て飛行していた方には別に新しいことではないと思います。提出が必要な飛行マニュアルにその旨が記載されていましたし、末尾に様式1、2として点検整備記録と飛行記録のフォーマットが載っていました。
- Advertisement -
2021年4月1日までは3カ月毎に報告も義務付けられていました。きっとチェックできなかったのでしょうね。報告は廃止されました。報告しなくても何も言われませんでしたからね。
今度も報告は必要ありませんが、飛行させるものは点検記録と飛行日誌を記載することと、携行することが義務化されました。そして、違反するとどうなるかというと、国土交通省のサイトには以下のように書いてあります。
特定飛行を行う際に飛行日誌を備えない、飛行日誌に記載すべき事項を記載しない又は虚偽の記載を行った場合、航空法第157条の11に従い、10万円以下の罰金が科せられます。
- Advertisement -
ちゃんと罰則があります。めんどくさいなぁと思わず、ここは意義のあるものと捉えて、有意義に飛行日誌を書いていこうと思います。
今までの点検整備記録と飛行記録
飛行マニュアルにも記載がありましたので、今までも書いてはいました。ですが、私の場合ちょっと自分なりに行っていました。と、いうのも飛行マニュアルにあったフォーマットは以下のものです。
まぁ、これは実際に運用していない人が他のフォーマットから考えた表でしょうね。多分航空機関連から持ってきたのでしょうね。これにただ従って書いているだけでは気分が乗らなかったので、私は自分の様式を作り、マニュアルの最後に載せてオリジナルマニュアルにして申請をしていました。それが下記のフォーマットです。
点検整備記録はオリジナルだと1回に付き1枚必要になります。それほどの内容がないので複数回チェックできるようにしたのと、項目を現実的に増やしました。元の項目だと点検にならないですよね。
- Advertisement -
飛行記録は逆に1枚でまとめず、1案件もしくは1エリアに付き1枚に分割しました。これは後で見返した際に飛行内容を思い出せるようにしたためです。こちらも項目を大幅に増やしています。とくに飛行ルートを記入できるようにしています。
このオリジナルの点検整備記録簿と飛行記録をいれた飛行マニュアルで国交省へ何度も申請しましたが、特に指摘を受けることはありませんでした。
これらの記入はiPadとApple Pencilにて行う手法にしました。まず、フォーマットをExcelで作成し、それをPDF化した後、iPadのGoodNotesというアプリにテンプレートとして読み込み、それを手書きで書き込んでいました。
これが一番直感的で、やりやすかったのです。一部伏せた状態で出しますとこんな感じです。
改めて振り返ると、色々あったなぁと感慨深く、書いていても楽しいですね。
実はアイデア元がありまして、スキューバーダイビングのダイビングログブックが元です。みなさん、潜ったときに何を見つけたとかイラストを入れていたりして楽しそうなのですよね。せっかくなので実用性のあるものにして、なおかつ続くものにしようと考えたわけです。これぞサステナブル。今の使われ方が嫌いな言葉ですが。
これからの飛行日誌取扱要領への対応
冒頭申し上げた通り、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録は飛行日誌として記載と携行が義務付けられました。そのため飛行マニュアルから削除されています。細かい記録の仕方などは国交省の無人航空機の飛行日誌の取扱要領をご覧になってください。
そしてこれらは実際に紙媒体を携行するか、電磁的な記録および保管でも構わないようです。つまりデータとして持っていればよいのですね。様式は以下のような感じです。
飛行マニュアルにあった頃と内容はほとんど変わらないですね。点検整備の部分が日常点検記録となり、メーカーに点検に出したり、部品交換したりする際に記入する点検整備記録が増えました。相変わらず普段使うには使いにくい記録簿です。いくつかアプリやウェブサービスがリリースされているようですが、そこまでする必要はないのかなあと思うので日常点検については今まで通りiPadでの記録にしようと思います。
先程の取扱要領には「本要領の様式又はこれに相当する様式の各項目に記載された内容」と書かれているので、項目を減らすことはできないですが、増やしたりレイアウトを変えたりする分には問題なさそうです。
そこでまず飛行記録は、総飛行時間や記事部分などあえて省略していた足りない項目を追加し、項目名などを要領にあわせて下記のようになりました。
最終的には紙媒体にしようかとも考えています。この罫線のノートをどこかで印刷してもらって、紙にペンで書くほうが向いているのかもしれません。離着陸時刻は飛行ログから判別できるので、飛行時は特別何かをするつもりはありません。飛行に集中したいですからね。また、ログの地図をフライトマップに利用できますし、便利です。実際の記入例はこんなもんでしょうか。
GoodNotesは手書き文字でもテキスト入力もどちらでも可能です。そして手書きでもOCRが効いているようで、検索もできます。紙媒体のノートで記録してもスクリーンショットを撮っておけば同じく文字認識をしてくれますし、両方を併用することもできそうですね。
日常点検はGoogleフォームを利用してスマートフォンで入力しようと思います。このようなフォームです。
項目は必要な分を増やしました。そして結果は同じくGoogleスプレッドシートに記録されます。
全機種分ここにまとまってしまいますが、別に機種ごとのシートを作成し関数などで呼び出してやれば、見た目も同じようにすることが可能なので問題ないでしょう。こちらは表に記入するよりフォームのほうが楽でした。最終的にはSiriなどの音声認識で、対話形式による音声入力できれば機体を見ながら洩れなく点検ができるのではないでしょうか。点検整備記録はそこまで記入頻度が高くないですし、メーカーに整備を出した際の点検記録で代用できるので標準のもので問題なさそうです。
飛行日誌が義務化された際にドローン業界が少しざわつきましたが、結果、私は今まで通りのことを続けていけばいいようです。そして、何でもかんでもデジタル化しなくても、アナログのほうが良い場合もあるのだなあと実感しました。