昨今、持続可能性が求められる社会において、宇宙産業で培ったテクノロジーを多様な領域へ応用し、地球上の課題解決を図る機運が高まっている。三井不動産は2019年からの「日本橋再生計画第3ステージ」の「産業創造」において、宇宙分野を戦略カテゴリーとしており、「X-NIHONBASHI(クロス・ニホンバシ)プロジェクト」を主導することで宇宙関連領域のビジネス拡大に貢献してきたという。
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クロスユーでは、宇宙ビジネス企業に加え、地上の課題に取り組む非宇宙企業も含めた多様な業界のプレイヤーがより参画しやすいオープンプラットフォームを形成するとしている。同社がこれまで培ってきた「場」の提供と「機会」の創出によるビジネスマッチングのノウハウに加えて、産官学によるサポート体制を提供することで、多様な業界のプレイヤーの組織を超えた「繋がり、結びつき、発展」を促し、日本橋から世界の宇宙産業を活性化させるとともに、地球上の課題解決に応用していくことで持続可能な社会の実現を目指すという。
クロスユー概要
組織体制
クロスユーの理事長には東京大学大学院工学系研究科教授の中須賀真一氏、専務理事に三井不動産取締役専務執行役員の植田俊氏、理事に元内閣府宇宙開発戦略推進事務局長・経済産業省製造産業局長の髙田修三氏が就任。また、クロスユーの事業運営にアドバイスを行う運営諮問委員会およびサポーターに、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)理事の石井康夫氏をはじめ、現時点で26名の識者の参画が決まっている。
クロスユーが提供する価値
■「JAXA」をはじめとした多種多様な業界プレイヤーによるサポート体制
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クロスユーは、JAXAと宇宙産業促進の活動に関する連携協定を締結している。連携協定の主な内容は以下の通り。
中長期的な宇宙産業の持続的な成長及びイノベーションの創出に資するべく、クロスユーとJAXAは連携・協力して以下を行う。
- 宇宙ビジネス活動の「場」の提供と「機会」の創出を軸とした宇宙産業エコシステム形成の推進
- 宇宙分野と関連領域における国内および海外企業等とのパートナーシップの促進
JAXAの石井理事はクロスユーの運営諮問委員として参画。JAXAをはじめとしたアカデミア・大企業・スタートアップ・関連団体等から構成される人材がサポーターとなり、新たなネットワーク形成やイベント・プログラムの企画立案や会員企業へのアドバイス等のサポートを行うことで、宇宙・非宇宙問わず多様な業界のプレイヤーがより参画しやすいオープンプラットフォームを形成する方針。
■共創拠点としての「場」とビジネス共創を促す「機会」の創出
設立趣旨への賛同者を、クロスユーメンバー(特別会員)として、2月13日より会員募集している。メンバーには会員専用施設として、4月に日本橋の宇宙産業共創拠点として日本橋アイティビルに開設する「X-NIHONBASHI BASE」などの2カ所のコワーキングスペースの利用を始めとした、ビジネスの共創のための「場」を提供していくとともに、自社商品や研究内容のアピール、最新の宇宙産業の動向のキャッチアップなどができる「機会」も創出するという。
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日本橋の宇宙産業共創拠点
■X-NIHONBASHI BASE by三井不動産
- 場所:東京都中央区日本橋室町3-3-9 日本橋アイティビル3・4階
- 開設時期:2023年4月
- 概要:会員間のコミュニケーションを促進するコワーキング&イベントスペース、バーラウンジの他、2~14名に対応する複数の会議室、個室ブース等、ビジネスファシリティを備える。クロスユーの事務局も本施設内に構え、会員企業に対する各種サポートを提供。
■X-NIHONBASHI TOWER by三井不動産
- 場所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー7階
- 開設時期:2020年12月
- 概要:オフィス、最大150名程度収容可能なカンファレンス&コワーキングスペース、オンライン配信設備を備えたスタジオを設置するほか、JAXAや宇宙スタートアップがオフィスを構える。
日本橋の街づくりを通して三井不動産が宇宙関連産業の拡大に貢献
三井不動産は1990年代後半より、官民地域一体となった「日本橋再生計画」を推進しており、その重点戦略として「産業創造」を掲げている。2016年には、産官学連携によるライフサイエンス領域でのオープン・イノベーションを促進することを目指す一般社団法人LINK-Jを設立し、ライフサイエンスエコシステムの活性化に取り組むなど、産業創造のためのオープン・イノベーションを推進してきたという。
2019年からは、「日本橋再生計画第3ステージ」を始動し、産業創造の戦略カテゴリーとして、新たに「宇宙」領域を掲げ、2020年にはJAXAパートナーシッププログラムである「J-SPARC」のプロジェクトとして、宇宙ビジネス活性化促進プロジェクト「X-NIHONBASHI」を始動し、「場」の提供と「機会」の創出を通じて宇宙関連領域のビジネス拡大に貢献してきたとしている。
宇宙関連産業を活性化させるオープンプラットフォームを提供し、持続可能な社会の構築の実現を目指す
宇宙産業領域は非常に広範であり、地球全体のサステナビリティに向けた調査や事業、人類の新たな地平を切り開く深宇宙探査といった宇宙関連事業のみならず、その過程で生み出される様々なテクノロジー領域を包含する。それらテクノロジーの発展によって人類全体の課題解決へ寄与すると期待されると同時に、三井不動産はさらなる宇宙産業領域の発展のために、宇宙産業プレイヤー同士の共創が求められているとする。
同社とクロスユーは、「場」の提供と「機会」の創出に加え、国内外・産官学の宇宙関連プレイヤーと共に既存の宇宙産業プレイヤーのみならず、非宇宙企業の宇宙産業参入を促進するオープンな共創プラットフォームを作り、業界業種問わず多くのプレイヤーが繋がることで、宇宙ビジネス領域の活性化を目指すという。
三井不動産は、グループ長期経営方針「VISION 2025」の中で「街づくりを通じた持続可能な社会の構築を実現」をビジョンに掲げている。宇宙産業領域のビジネス活性化を通じ、同社の目指す姿である「持続可能な社会の構築の実現」に貢献することを目指すとしている。