東日本大震災の津波による犠牲者への追悼などを目的とした高田松原津波復興祈念公園。復興のシンボルである「奇跡の一本松」や震災の脅威を伝える震災遺構「気仙中学校」などのさまざまな施設が130ヘクタールの広い敷地内に点在している。公園は東西で約7kmの距離があり、徒歩ですべての施設を見学することは困難な状況だ。
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本運行では、環境にやさしい10人乗りの小型自動運転EVバス(以降:EVバス)が、園内に点在する施設を巡る。EVバスは自動運転OS「Autoware」を用い、あらかじめ計測したアイサンテクノロジー株式会社の高精度3次元地図を用いて走行するという。ルートは、2022年9月に実施した自動運転走行実証実験のルートのほか、タピック45および下宿定住促進住宅にも拡大する。また、パークガイドも車両に同乗し、より効果的に震災における教訓の理解を促す環境を作っていく。
本運行により、5社は公園内における走行環境の確認やサービス面での課題を抽出。また、利用客を対象とした受容性調査も行う。
実証実験の概要
- 走行期間:2023年2月1日(水)〜3月5日(日)※原則月曜日運休(ただし、祝日は運行し、その場合は翌日運休)
- 走行時間:9時~16時30分まで
- 走行ルート:道の駅高田松原~奇跡の一本松~気仙中学校入口~タピック45~松原大橋~最上堂橋~下宿定住促進住宅ルート(走行距離往復約7.5Km)
- 実証内容:EVバスを活用した自動運転サービスの実用化に向けた走行環境の確認やサービス面での課題抽出と受容性の調査
本運行の特長
- 10人乗りEVバスを用いて運行(※試乗者は7名まで乗車可)
- ドライバーが運転席に乗車をする(非遠隔型自動運転)
- 平日は巡回運行で誰でも乗車可能、土日祝の一部時間帯はパークガイド付運行に切り替え予約制となる
- 走行速度は最大速度20km/h未満
各企業の主な役割
- 陸前高田市:事業主体
- 復建調査設計株式会社:事業計画、調整
- 一般社団法人陸前高田グリーンスローモビリティ:自動運転ドライバーの派遣、自動走行運営
- アイサンテクノロジー株式会社:自動走行運営主体、高精度3次元地図の作製
- 株式会社ティアフォー:自動運転OS「Autoware」の運用支援
- 損害保険ジャパン株式会社:自動運転リスクアセスメント、自動運転専用保険の提供
- KDDI株式会社:通信ネットワークの構築、提供