先日のニュースでも発表をお伝えしたが、「DJI Mavic 3 Multispectral」が国内でも正式に発表された。日本での製品出荷は2023年1月を予定している。DJI Mavic 3 Multispectral(以下:Mavic 3M)の推奨基本製品構成は「Mavic 3M+DJI Care Enterprise+Maintenance Program Service」で、市場想定価格は約700,000円から。
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DJI Agricultureの北米地域代表Ronnie Liu氏は次のようにコメントしている。
Liu氏:より多くの可能性をユーザーに提供するのはDJI Agricultureの継続的な取り組みです。DJI Mavic 3 Multispectralの発売により、世界中の農家が生産の品質と効率を高め、コストメリットに貢献し、収入を増加させ、近代農業の発展を促進することができます。
Mavic 3 Multispectralは、DJIのコンシューマー向けドローンのフラッグシップモデルの設計に基づき、わずか951gの重量で簡単に折りたたんで普通のバッグに収納でき、携帯性を向上することによって、ユーザーがいつでもどこでも作業を行えるよう支援します。
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RGBおよびマルチスペクトルイメージングシステム
Mavic 3Mは、2in1カメラシステムにより、ユーザーが圃場で解析結果につなげることができる様々な情報を表示・収集する。RGBカメラは、4/3インチCMOSと2000万画素イメージセンサー、最高速度1/2000sのメカニカルシャッターを搭載。最速0.7秒の高速連続撮影を管理し、画像情報を素早く収集できるため、現場での作業効率を大幅に向上させるとしている。
また、RGBカメラに加え、より正確な方位情報を提供する4眼式マルチスペクトルカメラにより、人の目では感知できない細部まで感知し、作物の状態をより深く理解できるという。4つのマルチスペクトルカメラはそれぞれ500万画素、以下の波長をスキャン可能だ。
- グリーン(G):560nm±16nm
- レッド(R):650nm±16nm
- レッドエッジ(RE):730nm±16nm
- 近赤外線(NIR):860nm±26nm
Mavic 3Mはこの2つのカメラを組み合わせることで、高精度な航空測量、作物の生育状況の把握、自然資源調査などのアプリケーションを実現する。
RTKによるセンチメートル単位の測位
Mavic 3Mには、センチメートルレベルの測位を実現するRTKモジュールが搭載されている。ドローン、カメラ、RTKモジュールはマイクロ秒レベルで同期しており、各カメラの撮像中心の位置情報を正確に取得する。これにより、Mavic 3Mは標定点を使用せずに高精度な航空測量が可能だ。
また、最大43分のバッテリー寿命で、Mavic 3Mは1回のフライトで200ヘクタールの広大なエリアの測量・地図作成作業を完了させる。
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より安全な運用を目指した設計
Mavic 3Mは、2チャンネルの送信信号と4チャンネルの受信信号を統合したDJI O3 Enterprise伝送を搭載し、最大8kmの超長距離伝送に対応している。さらに安全性を高めるため、Mavic 3Mは全方位障害物検知機能を搭載し、全方位の障害物を感知、正確な回避をサポートする。
スマート農業での無限の可能性
幅広い分野のプロフェッショナルユーザーやパートナーを支援するMavic 3Mは、さまざまなエコシステムに統合でき、スマート農業での無限の可能性を提供するという。Pilot 2のMQTTプロトコルに基づく内蔵のDJI Cloud APIを通じて、ユーザーはMavic 3Mをサードパーティのクラウドプラットフォームに直接接続し、情報、リアルタイム映像、写真データなどを収集でき、個別のアプリ開発が不要だ。
また、Mobile SDK 5(MSDK5)にも対応しており、インテリジェントモニタリングなどのシナリオに合わせた専用の制御アプリを簡単に開発できるという。
精密農業のための新しいツール
Mavic 3Mは、山林や果樹園で地上と同じような空撮が可能で、さまざまな作業シーンで活躍するという。DJI TerraとDJI SmartFarm プラットフォームを活用しNDVI植生指標を生成、より効率的かつ局所的な作物処理のためのデータを提供する。自動圃場スカウティングにより作物の異常を検出し、インテリジェントな分析を行うことで、一人で70ヘクタールの農地を管理できるとしている。