NVIDIAは、「Isaac ROS」の最新ソフトウェア「Developer Preview(DP)2」を発表した。
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Isaac ROSは、ハードウェアアクセラレーション機能を実現するための独立したパッケージと包括的なパイプラインで構成されている。AIの認識、画像処理、ナビゲーションのためのハードウェアアクセラレーション機能をROS2開発者コミュニティに提供し、最先端テクノロジーを簡単に導入できるようにするための代表的な取り組み。
Developer Preview(DP)2には、自律走行搬送ロボット向けの新しいソフトウェアが含まれており、クラウドエッジからロボットへのタスク管理、モニタリングが可能。また、ROS2開発者向けの付加的な機能も含まれている。
Developer Preview(DP)2 機能
Mission DispatchとClient
フリート管理システムからロボットにタスクを割り当て、進捗状況を監視するオープンソースのCPUパッケージ。Mission Dispatchは、大規模なフリート管理システムに組み込むことのできるクラウドネイティブのマイクロサービス。
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フリースペースのセグメンテーション
ロボット周辺において、ナビゲーションスタックへのインプットとして使用されるビジョンAIを活用した占有グリッドを生成するためのハードウェアアクセラレーションパッケージ。
H.264動画のエンコードとデコード
圧縮された動画データを録画、再生するためのハードウェアアクセラレーションパッケージ。NVIDIA Jetson AGX Orinに実装されている新しいGEMの性能により、2台の1080pのステレオカメラで30fps(合計120fps以上)で測定した場合のデータフットプリントをおよそ10分の1に減らすことが可能。
Mission DispatchおよびClient
フリート管理システムとROS2ロボットの間で、タスクの割り当てと追跡が可能。VDA5050を使って通信を行い、メッセージはインターネットアプリケーション用のメッセージングプロトコルであるMQTTを使って無線伝送される。
ソフトウェアのアーキテクチャ
Mission Dispatchは、コンテナ化されたマイクロサービス。Isaac GitHub上でソースコードとしても利用可能で、フリート管理システムに組み込める。VDA5050コネクタのように、他のオープンソースの ROS 2クライアントとの相互運用も確認されている。
Mission Clientは ROS 2 Humbleとの互換性があり、Isaac ROS GitHubでパッケージとして入手することができる。事前にロボットのナビゲーション、タスク割り当て、追跡等をNav2 ナビゲーション スタックの組み込みが可能。
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OTTO Motors CTO Ryan Gariepy氏は、次のようにコメントしている。
現実世界で搬送ロボットの導入が加速しており、相互運用性がますます重要になっています。オープンソース コミュニティとしてVDA5050とROS 2を橋渡しすることで、フリート管理ソリューションのイノベーションが促進され、ロボットメーカーは他社との差別化に注力できるようになるでしょう
ROS 2開発者向け無料トレーニング
先進のテクニカルトレーニングを提供し、Isaac ROSエキスパートとのコミュニケーションを可能にするため、ROS 2の開発者を対象とした、一連のウェビナーを発表した。無料で、ROS 2のアクセラレーテッドモジュールを開発している技術エキスパートとの質疑応答の時間も用意される。
- 11月14日:「Pinpoint,250fps,ROS 2localization with vSLAM on NVIDIA Jetson (NVIDIA Jetson上のvSLAMによる250fpsのROS 2自己位置推定)」Raffaello Bonghi博士
- 12月:「Using Isaac ROS for Stereo-Based Depth Estimation(Isaac ROSを活用したステレオベースの奥行きの推定)」Hemal Shah
- 12月:「Building an Isaac ROS accelerated module using YOLOv5(YOLOv5を活用して Isaac ROSで高速化されたモジュールを構築)」Asawaree Bandhi