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展示会場の一番奥にひときわ大きなスペースを構えるPRODRONE。イメージカラーのブラックで統一されたブースは圧巻だ。展示は今回の国際ドローン展に先駆けて発表された全天候型中型ドローンPD6-AWと、それをベースにバリエーション展開された各機体が中心。それぞれを見ていきたい。
全天候型中型プラットフォームPD6-AW
バリエーション展開の基本となる中型機PD6-AW。写真は落下時の緊急避難となるパラシュートを機体上部に装着した+PSUバージョンだ。雨風にも対応する全天候型タイプで、ペイロードは5kgを誇る。顧客へのリサーチの結果、大部分のペイロードに対するニーズは5kg以下で収まるとの調査結果からこのスペックになったとのこと。空撮や測量、物流、監視などのさまざまな用途に対応可能な汎用機となっており、最高速度も76km/hというから驚きだ。
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安全面も最大限の配慮を盛り込んでおり、指定した範囲外を飛び出ないフェールセーフ機能のほか、写真にもあるパラシュートも用意。また、システムは通常時と非常時の2系統を用意し、トラブルの際には非常時用のシステムが指揮系統を把握し、緊急回避に対応する。また、非常時用システムは常時ログを記録・管理しているので、トラブルの原因解明にも役立てることができる。
最大ペイロード20kgの大型プラットフォームPD6B-AW

映画に用いる大型撮影カメラなどの搭載を前提においた大型機。最大ペイロードは20kgを誇るとともに、全天候型や安全対策はベース機譲り。大きなペイロードは物流にも活躍が期待される。
水上に着水可能な完全防水モーター搭載水中探索機

中型プラットフォームPD6-AWをベースに開発された水中探索機。完全防水モーターを搭載することにより、水上に着水も可能になっている。センサーを取り付けることによる海中の三次元マッピングや、水質調査のサンプリングなどに活用できる。
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高度暗号化装置搭載自律航行ドローン

4月11日に秋田県仙北市で行われた学校間図書配送実証実験のために開発されたPD6-AWをベースにした自律航行ドローン。実証実験は1km以上離れた学校間を1kgの図書を機体下部のケースに入れて自動航行(離着陸は有人オペレーション)で配送に成功している。ボディはフルカーボンで制作、ハイパワーモーター搭載により航続距離を稼いでいる。機体下部にはGoProも搭載されており、荷物の受取証明となる顔写真も撮影可能だ。

天井に吸い付くように飛ぶ天井検査機PD4-CI

少々特異な形状をしたこのドローンは天井の検査を目的とした機体。会期中、同社との共同開発契約を締結したパナソニック株式会社AVCネットワークス社の依頼で実現したものだ。
天井にピッタリと吸い付くことにより天井と機体との間に気圧の低い空間を形成、僅かな電力で飛行が可能なほか、天井と密着するため0.1mm単位のクラックを発見することができる。また、機体は飛び出たキャスターが天井と接触しながら回転することによって水平移動し、有線給電によって飛行時間を気にせずに検査ができるなど、非常に使い勝手の良い機体となっている。

ご覧のようにPRODRONEの機体は一部の特殊なものをのぞいてPD6-AWをベースにカスタマイズすることでバリエーションを増やしている。PD6-AWの汎用性の高さを示していると言えるだろう。昨年は可能性を示したコンセプトモデルが多い展示だったが、今年のブースは具体的なソリューションの提案としての機体が揃っており、来場の際には必ずチェックしたいブースだ。