求人検索エンジン「Indeed」の日本法人であるIndeed Japan株式会社(以下:Indeed)は、ドローンに関する仕事探しの状況について、検索動向調査を行った。
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検索動向調査の背景
ドローンなどの無人航空機をめぐっては、ビジネス活用やエンタメ活用が広がる中でルールの整備が進んでおり、2022年6月20日より「無人航空機の機体登録」が義務づけられた。また、2022年12月には国家資格が導入され、一等資格であればこれまで禁止されていた第三者上空の目視外の飛行が可能になる。これらの制度化の背景には、ビジネスにおけるドローンの利活用の浸透・促進があると考えられる。それに伴い、ドローンに関連する仕事への興味関心も高まっていると考えられることから、Indeed上での仕事探しの傾向について、2019年4月から2022年4月の過去3年間を対象に調査した。
調査概要
- 調査主体:Indeed Japan株式会社
- 調査期間:2019年4月1日〜2022年4月30日
- 調査対象:Indeed上で行われた「ドローン」のキーワードを含めた検索
- 調査方法:日本における全仕事検索数に対する各キーワードの検索割合(100万件あたりの検索数)を月別平均で算出
「ドローン」の仕事検索数は3年間で1.9倍に増加
「ドローン」をキーワードとした検索数は、この3年間で1.9倍に増加している。2019年度は仕事検索数に大きな増減がなく横ばいの状況が続いたが、2020年後半以降は徐々に増加し始め、右肩上がりの傾向が続いている。
4月時点での仕事検索数を複数年で比較すると、2019年から2020年にかけては1.24倍、2020年から2021年にかけては1.08倍だったが、2021年4月から2022年4月にかけては1.42倍に増加。特に2021年以降、ドローンに関連する仕事に興味関心を示す人が増え続けている。
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※本データは、2019年4月〜2022年4月における仕事検索数100万件あたりの各月の平均推移を示したものであり、実数字ではありません。
調査結果に対する有識者コメント
株式会社ハミングバード 代表取締役 鈴木伸彦氏
日本においては、2015年頃からドローンをめぐる議論が活発化し、2015年末に航空法の改正でドローンの法整備がなされました。そして安全にドローンを運用することは、測量や物流において日本の課題解決に貢献できるとして、「空の産業革命」と呼ばれるドローンを活用するビジネスが注目され始めました。
ドローンを活用するビジネスが注目され始めて数年、複数の分野でドローンを利活用する実証実験や実際の運用を目にする機会が増えました。それに伴い、当社が運営するドローンスクールでも、受講者の数が増加しています。スクールに訪れる受講者の目的や属性はここ数年で大きく変化してきています。
2019年までは、趣味の延長でドローンの操縦を習いたいという方が大半を占め、9割以上の方はドローンそのものに対する興味関心を理由にスクールにお越しいただいていたように思います。しかし、徐々に仕事での使用を目的にドローンの操縦技術を身につけたいという方が増え始め、現在では約6割の方が仕事での活用を目的とされています。特にこの一年でスクールの受講者が急激に増え、2019年と比べると受講者数は2.8倍になりました。2022年12月に導入予定の国家資格の取得を見据え、今から技術を身につけておこうという方が増えていると考えられます。
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受講者の年代は幅広く、大学生から60代の方までいらっしゃいますが、仕事でのドローン活用を目的とされる受講者の傾向として、40代~50代の方は、既存業務の中でドローンを活用することで仕事の質を高めたり効率化をはかったりしたいという方が多く、20代~30代の方は、ドローンを活用したビジネスを起こしたいなど、新たな取り組みを開始したいと考えられている方が多い印象です。
一方で、当スクールには、企業から「ドローンを操縦できる方を採用したい」という相談の声もいただいています。特に2021年以降、企業からのお問い合わせが急増しており、ドローンを活用する仕事の供給も今後ますます高まっていくものと考えています。今後はドライバーと同じように「ドローン操縦士」という仕事が確立していくのではないでしょうか。
これまでは、仕事におけるドローンの使用として、テレビやプロモーション映像などの空撮、農業分野での農薬散布、災害時における状況把握の手段などで活用が進んでいますが、今後活用のシーンが増えてくると考えられるのは、物流やインフラの分野です。少子高齢化が進む地方において、スーパーなどでの購入物を民家へとどけるのにドローンが活用されたり、人がアクセスできない・目視で確認できないインフラの点検にドローンが活用されたりすることも期待されています。
これまでドローンの操縦に関しては民間ライセンスが乱立していましたが、今後は国家資格となることで、より一層仕事におけるドローンの活用が浸透・増加し、ドローンに関する仕事の求人も増えていくと考えています。