DJI ENTERPRISEがリアルイベントを開催
DJI JAPANが主催する産業用ドローンのメディア向け体験会が6月中旬、廃校を利用した「春日部みどりのPARK」で開催された。コロナ禍でリアルに会する体験会やイベントの実施は見送られてきたが、約3年ぶりの開催となった。また、DJIの産業用主力機Matrice 300 RTKやそのペイロード(搭載可能カメラ)、農業用ドローンT30 / T10、そして発売されたばかりの小型産業用ドローンM30など多彩な展示やデモンストレーションがあり、DJIのきめ細かなニーズに対応した製品ライナップを見ることができた。
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冒頭、DJI JAPAN 呉韜(ご とう)社長よりDJI製品やラインナップ、利用状況の紹介があり、日本国内に置いては65%が業務用途利用がされている現状が示された。アメリカや中国においてはホビー用途でドローンを購入するユーザーが多いのだが、業務利用用途が多いのは日本の特徴だ。また、さまざまな分野で利活用が進んでおり、映像メディア広告、土木・建築、インフラ点検・保守、測量、事故・災害対策…などニーズも細分化している現状が数字から見て取れる。
会場では、Matrice 300とMatrice 30のデモフライトも実施。多彩なペイロード(搭載可能カメラ)を持つMatrice 300では、Livox製LiDARモジュールと1インチCMOSセンサーを備えたカメラを持つ「ZENMUSE L1」を搭載した機体によるデモフライトが披露され、LiDARで取得した点群データをリアルタイムで表示する機能などを見ることができた。会場周辺のデータがカラー点群表示でどんどん取得されていく様子が確認できるインターフェイスはとてもわかりやすかった。
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そして最新のMatrice 30も屋内でフライト。ピクリとも動かない超安定ホバリングはさすがとしか言いようがなく、小型のボディで決して広いとは言えない体育館の中でも恐怖感なくフライトしていた。特に、小型ボディに高性能な赤外線・ズーム・光学カメラが一体化された構成は、機体セッティングからフライトまでの作業が空撮機のように簡単ですぐに運用できるメリットが高い。バッテリーステーションやキャリングケースもコンパクトで、飛行性能だけでなく運用面も考慮された機体だ。
ユーザーの活用事例紹介
ほかにも、ユーザーの活用事例紹介として講演やトークセッションが開催された。風車のブレードを自動航行で点検する事例やさまざまな測量機器とともにドローンが公共測量で活用された事例、災害の現況調査での活用事例などが紹介された。
各分野の事例紹介を中心としたプレゼンテーションは、産業用ドローンの活用がさまざまな分野・方法に浸透してきていることがわかるものだった。また、そのニーズに対して確実かつ効率的に対応できるハードウェア&ソフトウェアを提供し続けているDJIのラインナップは今後の展開も注目だ。