Chris Roberts氏 日本・環太平洋専務取締役 パロットオーストラリアニュージーランド株式会社
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注目の集まる中でのドローン、産業用へのアプローチ
首相官邸や善光寺での事故の影響で、ドローンに対するネガティブな情報が多く見受けられる日本。世界の他の国々ではドローンに対してどのようなディスカッションが行われているのか?最新ドローン世界事情を個人利用向けと産業用ドローン双方を提供するフランスParrot社のクリス・ロバート氏に国際ドローン展会場でインタビューを行った。
国際ドローン展の展示では1小間のブースながらも終日多くの人がParrotブースに集まった
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――日本では首相官邸や善光寺にドローンが墜落する事件を発端にドローンに対する規制が始まっており、ネガティブな意見を目にする機会が多い。海外ではドローンに対してどのような意見があるのか教えてもらいたい。
Parrotクリス(以下Parrot): ドローンに限った話ではなくルール作りよりもテクノロジー進化が早く進む業界に対しては常に起こることなのだが、海外でもドローンに対するネガティブなニュースを目にする機会は多い。ドローンは産業用と個人利用向けとどちらもあるが個人利用向けドローンを使った事故や突飛な行動が目に付きネガティブなニュースとなってしまうケースが多々有る。
一方、産業用ドローンではポジティブなニュースが多く出始めている。Parrotの提供する産業用ドローンであるeBeeを使った事例*も多く出始めている。
――産業用ではどのような領域で使われているのか具体例を教えてほしい。
Parrot: 現在事例として代表的にあげられるのは以下4領域。
1. 農業 / 農作物の成長程度を空撮で確認
2. 公益事業 / 電力、ガスパイプライン、水道などインフラストラチャー監視
3. 環境面調査 / サンゴ礁の環境レベル調査
4. 災害マネジメント / 災害時の復旧活動への貢献
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そして、産業用ドローンの活用は人々の世界を豊かにすると考える。農業用利用で作物の成長状況確認や適切なタイミングでの収穫が行える事は食物エコシステムの効率化につながる。そして災害マネジメントにおいては人命救助への貢献や、地震や火山などの監視・管理が行える事により未然に対策が行える環境が整う。
ドローンの一般化にむけて行われる安全対策
国際ドローン展デモンストレーションゾーンでは、Parrot社の商品を紹介しつつ安全に留意するプレゼンテーションが行われた
──産業用ドローン活用がポジティブに受け入れられている状況は理解できた。それでは個人利用ドローンのネガティブムードを解消するためにはParrot社としてはどのような取り組みをされているか?教えて欲しい。
Parrot: コンシューマーに対しても啓蒙活動を行っている。具体的にはParrot製品購入者にはドローンを安全に楽しむためのパイロットの心得をわかりやすいチラシで紹介している。バッテリーやプロペラに関する注意点や、整備の必要性、プライバシー侵害に対する注意喚起、飛行条件飛行場所についても案内している。また日本を始め各国の担当省庁にもドローンに対する理解と啓蒙活動を行っている。
――安全にドローンを楽しむためには飛行場所の確保も必要。5月18日に日本初ドローン専用飛行場がつくばに開設された。海外ではどこで飛行練習可能なのか?
Parrot: ドローン専用飛行場はフランス、カナダ、アメリカなど世界各国ですでに準備されている。またショッピングモールと話をして飛行可能な時間やエリアを確保する動きも出てきている。各自治体との話もしていく必要があるだろう。
――業務(産業)用ドローン提供予定についても教えてほしい。無人飛行・カメラ・自動制御、すでにドローンは最新テクノロジーを駆使したプロダクトとなっているが、Parrot社としてドローンにさらに別テクノロジーの投入する予定はないか?
Parrot:物流利用は興味深いと考えている。もちろん計画中だ。ワクワクするプロダクトは来年のCES 2016を楽しみに待っていて欲しい。