テトラ・アビエーションと南相馬市は、2021年7月7日、連携協定を締結したことを発表し南相馬市産業創造センターにおいて協定締結式を行った。当日は、2021年7月末に米国で開催される世界最大級の航空機イベント「オシュコシュエアベンチャー2021」にテトラ・アビエーションが出展する予定の新型個人用eVTOL(模型)が初披露された。
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テトラ・アビエーションと南相馬市が連携協定を締結
テトラ・アビエーションは、2019年に福島ロボットテストフィールドへ入居し、飛行試験やイベント参加などを通じて南相馬市との関係を深めてきた。同協定で両者は、相互にかつ緊密に連携し、地域産業の活性化および地域住民の生活の質向上を図ることを目指す。米国から帰国後の2021年9月以降には、新型eVTOLの飛行試験実施や、南相馬市主催のミートアップ参加も予定している。
連携協定の主なポイントは下記4つ。
(1)テトラ・アビエーション株式会社の開発する空飛ぶクルマ等技術の実証等に関する事項
(2)学校等と連携したロボット関連技術の人材教育に関する事項
(3)市内企業等との連携・協力に関する事項
(4)その他相互に連携協力することが必要と認められる事項
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南相馬市長の門馬和夫氏は、テトラ・アビエーションが2020年に米国Boeingがスポンサーをつとめる国際eVTOL開発コンペ「GoFly」で、103か国850社以上が参加したなか唯一賞金を獲得したことに触れて「世界的にとても素晴らしい会社」と評し、このように挨拶した。
門馬氏:南相馬市は、新産業創出と人材誘導を重点戦略としており、地元金融機関やVCとの連携協定を通じてベンチャー企業の支援も行っている。今後も、地域全体としてロボットの実証が行いやすい環境を整備していきたい。
テトラ・アビエーションが南相馬から空飛ぶクルマの技術を世界に発信されることに期待している。また、2020年に市内の高校で講演いただいたことは、この地域の子供たちにとって非常に有意義なことだった。これからも地元の子供たちに多くの夢と希望、刺激を与えていただければ大変ありがたいと思う。
テトラ・アビエーション代表取締役の中井佑氏は、福島ロボットテストフィールドを中心に開発を進めてきたことを報告して行政の協力に謝意を示しつつ、「施設を受け入れてくださった地域の方にも、改めて感謝を申し上げたい」と挨拶した。そのうえで、南相馬市がこれからさらに発展していくための一助となる意欲を表明し、同社の取り組み内容を紹介した。
中井氏:多くの企業が大都市間を結ぶ相乗り型の空飛ぶクルマや、市内の渋滞を飛び越えていくようなものを開発しているが、テトラはより多様な街をつなぐ空飛ぶクルマをデザインしていきたいと思っている。
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将来量産化された際には、ヘリコプターよりもずっと安く手軽に移動できる手段として皆様に活用いただきたい。例えば、南相馬市から、郡山へ15分、いわきへ20分、東京へ1時間ちょっとで行ける、30分で100km移動できるような空の移動を実現したい。
新型eVTOL「teTra Mk-5」初披露
テトラ・アビエーションが発表した新型機は、一人乗りeVTOLのプロトタイプで、巡航速度は260km/h、航続時間は1時間。2021年7月末に米国で開催される「オシュコシュエアベンチャー2021」への出展後には予約を開始し、2022年から個人用eVTOLの引き渡しを予定している。2023年から量産化に向けた開発テストを始め、2025年には2地点間移動サービスの提供を目指すという。
当日とても印象的だったのは、テトラ・アビエーションの中井氏が、空飛ぶクルマの開発を、"いま"の社会課題を解決するだけではなく、これからの"未来"を創る技術として数十年スパンで捉えていることだ。
中井氏:我々の技術が若い世代への刺激となり、いまはまだ見えていない新しい技術を若い世代に開発していただいて、いままでの技術では解決できなかったような課題の解決にも取り組んでいただければと思う。