アメリカの軍需製品メーカーであり、ミサイル分野で世界第一位のRaytheon社は国立海洋大気庁(NOAA)に、UASであるCoyoteを提供したことを発表した。今回のCoyoteは、ハリケーンの追跡・モデリングのため強化されたものである。大西洋で生じる嵐をもとに、先例のない局面までをリサーチできるのだ。Coyoteは小型で使い捨てのUASだ。地上の車両や空中の航空機から、チューブにて発射することができる。
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NOAAとRaytheon社の科学者から成るチームは、嵐の進路や強さをモニタリングするために、Coyoteの最新版を使用することとなる。チームは最近、フロリダ州・エイボンパークにて試験飛行に挑み、成功を収めた。このCoyoteは、嵐の時期に備え配備されているP-3ハリケーン観測航空機から発射された。Raytheon社の応用ミサイルシステム生産ライン部長であるDr.Thomas R.Bussingは次のようにコメントしている。
我々は、Coyoteの重要な改善を行った。その結果、発射されてから最高で1時間、50マイルもの飛行が可能となった。Raytheon社の技術は、ハリケーン調査の安全性を高めるための重要な鍵である。アメリカ国民に、危機的な嵐について不可欠な情報を届ける役割を担っている。究極的には、Coyoteは人命を救うのだ。
NOAAは2014年、ハリケーン・エドゥアールの目に、ハリケーン観測機からCoyoteを配備させた。これからのハリケーンの時期にも、さらに使用を進めていく予定だ。
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Joe Cione博士とRaytheon社のCoyote Photo: National Oceanic and Atmospheric Administration
この飛行の成功により、我々はさらなる確信を得た。この唯一無二のプラットフォームのおかげで、これがなければ不可能ともいえる、嵐の環境での重要な継続的観察ができるのだ。
と、NOAAのハリケーン研究者、CoyoteプログラムのリーダーであるDr. Joe Cioneは言う。