オムロン株式会社は、パートナーのディマログ社とともに、フィンランドのヘルシンキにあるショッピングセンターで、オムロンのモバイルロボット「LDシリーズ(以下:LD)」を活用した食料品などの自動搬送サービスのトライアルを実施した。
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「Home On-Demand」と名付けられた1か月間の同トライアルは、機動的な物流・搬送ソリューションの開発を目的として、ヘルシンキ市のスマートシティ化に向けた開発会社であるフォーラムビリウム社と建設会社のSRV社が共同で立ち上げたもの。
同トライアルには、LDの操作と設定を最適化したオムロンとディマログ社、ムオトヒオモ社に加え、エレベーターメーカーのコーン社、REDIショッピングセンターに出店しているKスーパーマーケット、アパートの居住者にデジタルサービスを提供するアスミ社が参加した。
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(左)スーパーマーケットのスタッフがLDに注文の品を積む様子(右)エレベーター待ちをするLD
同トライアルでは、アスミ社のデジタルサービス上で顧客やショッピングセンター内の企業のオンライン注文を受け、商品(主に食料品)をスーパーマーケットのスタッフがLDに積み込む。LDは自分が近づいていることを伝えるために口笛を吹き、狭い通路や人々が動き回る場所でも周りの状況を把握しながら、注文元であるアパートや企業に配達し、顧客に自動で到着を通知する。
また、LDは自分でエレベーターを呼び、ビル内を移動することも可能だが、火災安全規則のためにドアを閉じたままにしなければならない場合があるため、同行者にドアを開けてもらった。同行者は大学でサービスデザインを学んでいる学生で、LDが遭遇した問題を報告し、行き交う人々との相互作用を観察した。
■LD/HDシリーズの特徴
(左)可搬重量60kgのLD-60(中央)250㎏のLD-250(右)1.5tのHD-1500
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簡単に幅広く搬送領域を自動化
事前に走行ルートを定める磁気テープの設置などを必要とせず、人や障害物を自動で回避しながら搭載したAIで最適なルートを自ら考え、決められた場所に部品や製品を搬送するロボット。軽量搬送の「LDシリーズ」と、世界最重量級の1.5tまで対応する「HDシリーズ」からなる幅広い品揃えで、材料から部品、仕掛品、完成品に至るまで様々な領域のシームレスな搬送を自動化する。
高度な混合フリート
オムロンの「フリートマネージャ」は、可搬重量など異なる種類のオムロン製モバイルロボットを、最大100台まで同時に制御できる業界初のシステム。フリートマネージャを使用することで、互換性やパフォーマンスを心配することなくすべてのオムロン製モバイルロボットを制御し、トラフィック管理、バッテリー管理、および車両ナビゲーションを最適化することができる。これにより複雑な搬送業務の自動化を実現し、生産性向上に貢献する。