2年前の2018年12月に初代DJI Osmo Pocketは発売されました。そしてその後継であるDJI Pocket 2が2020年11月1日に発売となりました。今回のモデルではOsmoという名称がなくなりDJI Pocket 2となったようですが、DJIのホームページをみると商品群の括りは「Osmo Series」となっているので、名称を短く明確にするために製品名からOsmoを省いたのではないかと思います。
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DJIサイトでの製品名称について
2020年11月5日に発売されたMavic Miniの後継もMavicシリーズですが、製品名はDJI Mini 2となったことからも、今後はこういったルールで製品名がつけられるのではないでしょうか。製品名が長いのはレビュー記事を書く立場からも面倒なので短くなることは個人的には歓迎です。
初代Osmo Pocketの不満点について
さてそんな初代Osmo Pocket(以下:初代Pocket)は発売と同時に購入し常に持ち歩いて様々なシーンで活用しました。わたしはドローンはもちろん、小型カメラも大好きで
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- DJI Osmo Pocket
- DJI Osmo Action
- GoPro Hero 5/6/7/9
- Insta 360 One R
- Snoppa Vmate
などがいま手元にあります。この中から「お気に入りの一台を選べ」と云われたら迷わず初代Pocketを挙げます。小さな本体に三軸ジンバルが備わっていることで手ブレのない安定した美しい映像が撮れること、更に小型アクションカメラが苦手とする夜や室内といった暗所でも綺麗な映像を撮れるのがその理由です。
とはいうものの初代Pocketを使い出した直後からいくつかの不満はありました。
- 不満1 画角が26mm(35ミリ換算)とちょっと狭い
- 不満2 三脚用ネジ穴がない
- 不満3 Wi-Fiモジュールが非内蔵
これらは私だけではなく初代Pocketユーザーの共通する不満でしょう。
初代Pocketの不満点を新型でどう改善したのか
ここからは今回発売されたDJI Pocket 2(以下:Pocket 2)はこれらの不満にどう対処しているかを説明することで、初代Pocketユーザや上述の不満点が原因で購入に踏み切れなかった方々が、新型Pocket 2を購入するか否かの判断材料を提供したいと思います。
■不満1 画角について
Pocket 2は画角が20mmになり、初代Pocketの26mmに比べてかなり広角になりました。さらにCreator ComboにはDJI純正広角レンズが用意されており、これを装着すると35mm換算で15mmという超広角になります。この改善で多くの初代Pocketユーザーの不満が解消されると思います。
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新型Pocket 2と純正広角レンズ
広角レンズは、これまで通りマグネットで装着します。また初代Pocket用のNDフィルタや広角レンズはPocket 2でも利用可能です。以下、いくつかの作例を用意しましたのでご覧ください。
作例1:自撮り
左から初代Pocket(26mm)、Pocket 2(20mm)、Pocket 2+広角レンズ(15mm)
※画像をクリックすると拡大します
自撮りした際には、その差は歴然です。今回は室内ですが、旅先などでは背景を大きく写せるというのは大きなメリットになると思います。
作例2:寿司店にて
左から初代Pocket(26mm)、Pocket 2(20mm)、Pocket 2+広角レンズ(15mm)
※画像をクリックすると拡大します
3枚ともすべて同じ位置から撮影していますが、初代Pocketでは寿司職人さんとお寿司を写し切ることができませんでした。また新型はセンサーが大きくなったこともあり、暗所性能がさらに向上していることがわかります。また広角レンズを装着することで、このような画角でも無理なく全体を切り取れていることがわかります。
作例3:外撮り風景(香港銅鑼湾メイン通り)
左から初代Pocket(26mm)、Pocket 2(20mm)、Pocket 2+広角レンズ(15mm)
※画像をクリックすると拡大します
左2枚については初代PocketとPocket 2を両手で持ち、同時に撮影したのですが、右手前のバスがかなり先端まで写せています。また正面一番奥のビルの大きさが3枚でかなり異なることで画角の差がハッキリと分かります。
作例4:外撮り風景(香港ビクトリアハーバー)
左から初代Pocket(26mm)、Pocket 2(20mm)、Pocket 2+広角レンズ(15mm)
※画像をクリックすると拡大します
これも当然同じ位置から撮っているのですが、右の2枚で左手前にある歩道部分が写り込んでいることや、対岸の大きなビルの大きさで画角の差を認識できます。
動画作例:上記の寿司店とビクトリアハーバーにて動画撮影
※さすがは純正広角レンズ、周辺まで歪みのない画像だと思います
■不満2 三脚用ネジ穴
これに対するDJIの対応は実によく考えられています。底面部分を「三脚ネジ穴ナシ・カバー」と「三脚ネジアリ・カバー」2種類の交換式にしています。いっそのこと三脚ネジ穴アリ・カバーのみでいいように思えるのですが、「三脚ネジ穴ナシ・カバー」があることで初代Pocketと同時販売されたWi-Fiモジュールが装着可能になるというなんとも心憎い対応がされています。
新型Pocket 2に付属の底面カバー2種類とDo-It-All Handle
三脚ネジ穴ナシカバーを新型Pocket 2に装着することでWi-Fiアダプタなどの初代Pocket用アクセサリが使用可能に
■不満3 Wi-Fiモジュールについて
これについてはPocket 2でも残念ながら内蔵されていませんがCreator Comboに同梱されたDo-It-All Handleを使用することで、
- Wi-Fiモジュール対応
- 無線マイク対応
- 3.5mmマイクジャック対応
の3機能が追加されます。
Creator Combo版に同梱されるDo-It-All Handle
装着イメージ
無線マイクと新型Pocket 2はこのように使用イメージ
これですべて解決のように思えたのですが、残念なことにWi-Fiを使ったスマートフォン接続とこの無線マイクは同時使用ができない仕様となっています。しかし、Do-It-All Handleには3.5mmのオーディオジャックがありますので、ここに有線タイプのピンマイクを接続することでWi−Fiでスマートフォン接続した状態で外部マイクを同時使用可能になります。またRODEのWireless Goを接続することでマイクの無線化も可能です。
Do-It-All Handleにある3.5mmオーディオジャック部分
Do-It-All Handleに外部マイクを接続
総括
初代Pocketに感じていた不満は、私個人としてはすべて解決できたと思います。また初代でも良いと思っていた暗所性能が更に向上していることは満足度がかなり向上しています。
今回新型Pocket 2の進化や欠点の潰し方を確認しながら感じたのは、アフターマーケットでアクセサリを企画製造している企業は苦しくなったなということです。これまでならいくつかの欠点を補うアクセサリがサードパーティから販売され、それらを使うことで製品の完成度が向上しました。更におかしな話ですが、製品の欠点が製品群としてのマーケットを盛り上げることにもつながったように思います。
実際、自分しか知らない便利なアクセサリを発見し購入するというは製品の楽しみ方だったと思うのですが、いまのDJIはそういった楽しみをユーザーから奪うほどに完成度の高い製品を最初から販売してしまったのではないか、そんなことを感じています。
これを書いているちょうどそのときにDJI Mini 2が発表、これまた今までの不満であった通信部をOccuSync2.0に4K撮影とアップグレードしてきました。コロナ収束後にはこのMini 2とPocket 2を持ってどこか旅行に行きたいですね。