国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)は、多品種少量生産現場をはじめとする、ロボット導入があまり進んでいない領域にも対応可能な産業用ロボット実現に向け、「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」を開始した。
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産業用ロボットは、日本経済をけん引する自動車産業やエレクトロニクス産業で数多く導入されており、その技術は日本の産業を発展させていく上でも欠かせない基盤技術となっている。また、近年では労働力不足を背景に、食品加工や物流といったこれまで産業用ロボットがあまり活用されていなかった分野でも導入が検討されており、今後も産業用ロボットの市場は拡大が見込まれているという。
現状では、日本の産業用ロボットメーカーにロボットのみを手掛ける企業は少なく、数多いセグメントの一つがロボット分野であるに過ぎない。基礎・応用研究に割くリソースは極めて限定的であるというのが実態であり、中長期的視点に立った、企業が投資しづらくリスクの高い基礎・応用研究への支援が期待されている。
NEDOは、多品種少量生産現場をはじめとするロボット導入があまり進んでいない領域にも対応可能な産業用ロボットの実現に向け、ロボティクスとは異なる分野も含めた幅広い大学研究者などとの連携を図り、産業用ロボットにおいて重要な要素技術の開発を行う事業に着手する。同事業には8社11大学などが参画し、企業のニーズに対し大学などが有するシーズを有効活用できるよう、将来の社会実装に向けた産学連携体制の基盤を構築する。今回、以下の技術分野を対象に研究開発に取り組むとしている。
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- 自動的かつ汎用的なロボットの動作計画技術
- 多用な対象物に対応できるセンシング機能やエンドエフェクタなどのハンドリング技術
- 離れた場所から安定的にロボットを操作できる遠隔制御技術
- ロボットを構成する部材へ適応できる非金属や複合素材等のロボット新素材