前編に引き続き、スタートアップが集まるエウレカパークに出展されていたドローンを紹介する。
- Advertisement -
ハイブリッド
■LONGAN VISION
ハードな現場を飛行するために開発されたLONGAN VISIONのハイブリッドドローン
カナダのオンタリオを拠点とするLONGAN VISIONは、ハイブリッドエンジンとARシステムを搭載したマルチコプターを出展していた。火災現場などハードな現場を飛行してARシステムで探索するといった目的で開発されており、最長で3時間飛行が可能だとしている。現時点では詳細不明だが、どのような機体に仕上がるのか気になるところだ。
- Advertisement -
■Hybrid Powered VTOL Drone | 鮮文大学
VTOLをマルチコプターに載せて上空まで運ぶというハイブリッドなアイデアを展示
ハイブリッドドローンというと通常はLONGAN VISIONのように電気とガソリンなど複合エンジンのことだが、韓国の鮮文大学が産学協同で開発している「Hybrid Powered VTOL Drone」は、ハイブリッドな飛行システムの方で、上空までマルチコプターでVTORL機を運び、そこから水平飛行させるというユニークなものだ。目的は垂直離陸後に姿勢を変えて水平飛行を行う際に失速しやすいVTOLならではの問題を解決したうえで、長時間飛行を可能にすること。
数値としては、200メートルの高度で165分から最長4時間の飛行ができるとしている。VTOLを載せて飛ぶマルチコプター側もパワフルな2つなローターを持つこれまでにないタイプをデザインしていて、これからどう実用化されるのかがこちらも大変興味深い。
- Advertisement -
VTOLを載せて飛ぶマルチコプターも異なるタイプのデザインに挑戦している
デザイン
■ソウル大学
ソウル大学のドローンはアームの軽量化と異なる素材を組み合わせているのがポイント
ドローンを研究課題の対象にする大学が増えており、CESではその成果を発表するブースがあちこちに見られた。ソウル大学のドローンはデザインのいかつさで目を引いた。強度を保ったまま軽量化されたアームが特徴で、異なる素材のアームを組み合わせつつ安定した飛行ができるシステムを研究している。
地上走行タイプのドローンは屋内施設の警備用に開発された
デザインのユニークさでは、タイの大学院で人工知能の博士号を持つ人たちが集まって立ち上げたロボット技術のスタートアップObodroidが出展していた地上自律走行型警備ドローンも目を引いた。不動産業に向けて警備サービスを提供するために開発され、人の目の高さほどの大きさで横から見ると宇宙船のように見える独特なフォルムは、あえて目に付くようにすることで侵入者を防ぐことも意図しているとのこと。実機は無かったがすでにショッピングモールで稼働しているところが動画で紹介されていた。今後は利用する場所を増やしているという話だった。
エアモビリティ
■eenuee
eenueeの提案するエアモビリティのモック
今年のCESはBallやHYUNDAIなどの大手も含めエアモビリティの出展が多かったが、フランスのeenueeがエアモビリティのプロトタイプアイデアを展示していた。オンデマンドで空の移動を可能にする機体はエイのような独特なデザインで、強い推進力を持つハイブリッドエンジンにより最長で1800kmの距離を飛行でき、パイロットを含む19名が搭乗できる。数年後に大きなブースで出展しているかもしれない。
機内のデザインも面白い