ヒュンダイ自動車(以下:ヒュンダイ)はUber Eleateと提携を行い、CES 2020にて、最新のeVTOL機、最新機であるS-A1を展示。いわゆる自動車の展示は無い。同社はUberの都市型航空モビリティ (UAM) プロジェクトに参加する初の自動車メーカーであり、電気自動車の大量生産の実績を数多く挙げている。
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ヒュンダイはUber Eleateとパートナーシップを結んだ初めての自動車メーカーであり、大規模な生産力を誇る企業です。業界で最もスムーズかつ迅速にUberエアタクシーを製造することができると我々は考えています。ヒュンダイのマスマーケットや電気自動車への投資能力や製造能力、これらをUberのテクノロジーを組み合わせることでエアタクシーを世界レベルで展開することができます。
と、Uber Elevate責任者のエリック・アリソン氏はプレスカンファレンスで語った。
航空の民主化の鍵はエアタクシーの大量生産です。ヒュンダイには高品質で信頼性の高い機体を低コストで生産するノウハウがあります。業務コストのカットも見込めるでしょう。自動車の大量生産メーカーとして長年にわたり培ってきた知識や経験をもって、他のどこよりも手頃なUAM機体を作っていきます。
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と語ったのは、ヒュンダイ自動車エアモビリティ部門の責任者であるシン・ジェイウォン氏。同氏はNASAから現ヒュンダイに移ったという経歴の持ち主だ。
S-A1は、Uberがオープンデザインの一環として公開した参考モデルをベースにしている。アリソン氏曰く、
機体の参考モデルを一般公開することでコラボレーションを促進し、イノベーションをもたらすという手法はNASAから学びました。
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最大4人乗りの機体であるS-A1は、最大時速290キロ、最大航続距離100キロ、連続での使用が必要な際も5〜7分の充電時間で十分という、本プロジェクトに最適なスペックを誇る。完全電気飛行機である本機には、垂直飛行用の4枚のプロペラと、垂直・前進飛行両用の4枚のティルトローターが搭載されている。垂直離着陸を行うほか、水平飛行が可能だ。
S-A1は従来のヘリコプターよりもずっと静かです。ローターのサイズが小さく、他の機体のものよりも回転を遅くすることで実現しました
とシン氏は説明する。さらに安全性を考慮し、緊急着陸用のパラシュートも完備している。サービス開始時にはパイロットが操縦するが、いずれは自動運転を目指したいとのこと。
また、同機は乗客に、安全に、そして快適に空の旅を満喫してもらえるよう、キャビンデザインや機体の挙動といった要素にも細心の注意を払っているという。
弊社のハブは航空・地上両方のモビリティソリューションの橋渡し役になるほか、人間同士の交流を活性化する場所としての役割も果たします。
とヒュンダイグループのCIO(チーフイノベーションオフィサー)であるヨンチョウ・チ氏は語った。
パーソナルエアビークル(PAV)であるS-A1は、現代自動車がCES 2020で披露したアーバンモビリティビジョンの一角に過ぎない。もう一つ注目が集まったのが現代自動車がS-Linkと呼んでいるパーパスビルトビークル(PBV)だ。自動運転が可能な地上用シャトルで、カスタマイズ性が高く、レストランやホテル、診療所としても活躍する。
ヒュンダイはPAVとPBVをハブ(拠点)として設定し、航空ポート以外にも、様々な形のコミュニティスペースとして提供していきたいとしている。