出かけるときに持っていくと「ワクワク」が倍増するツール。Mavic Mini はそんなドローンでした。今回は『ドローンジェニックな旅をしよう!in 静岡県』のイベントにレビュー機体が間に合ったので、プールや遊園地などでMavic mini をフライトさせてみたいと思います。
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Mavic Mini を何はともあれ飛ばして撮影してみた
まずは、2.7k 30p(ほかオート設定)の設定で撮影した動画を見てもらいましょう。これが航空法対象外200g未満の「模型飛行機」の動画なのか⁉…というレベルの高画質&安定感です。色は少しおとなし目の落ち着いた感じですが、むしろ自然な色合いというレベル。
ロケ地:浜名湖パルパル
200g未満の機体で手軽に高画質な映像を撮りたい…という思いはあったものの、今までは自分が知る限りの高画質な機体は80gの「Tello」でした。
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もちろん、Telloも手軽&高画質でよい機体なのですが、やはり電子手ブレ補正の揺れの限界と、Wifi でスマホに受信した映像を録画するスタイルでは動画撮影の限界がありました。Mavic Mini はこれまでDJI がリリースしてきた機体の性能を200g未満に落とし込んできたトイドローン(模型飛行機)の完成形と言えるかもしれません!
写真ももちろんDJIクオリティ。夕方の逆光で少し暗くなっていますが、3,000×4,000pxの高解像度でノイズやにじみの少ないとてもキレイな写真が撮れました。
ロケ地:浜名湖パルパル(設定:オート)
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そしてドローンの写真で楽しいのが真俯瞰。Telloではカメラの角度を変えることはできませんでしたが、三軸ジンバルを備えたMavic Mini ならば真俯瞰の写真もバッチリ撮れます。
ロケ地:舘山寺サゴーロイヤルホテル(設定:オート)
飛行性能も妥協なし!トイドローンとは思えない安定性で安心撮影
操作した感覚は安定感バツグン。むしろ機体重量が軽い分、普段Mavic 2やPhantom4 Proなどの1Kg前後の機体を操縦している感覚からすると軽やかに動いてくれます。ただ、スピードはPモードで8m/s(Sモードで13m/s)なので動いている被写体には向かないのかもしれません。
また、高さもどれくらい上昇できるのかチェック。通常の模型飛行機(トイドローン)だと数十mが限界ですが、Mavic Mini は約150mも楽々。これは撮影の幅が広がりそうです。
※模型飛行機は法律上250m未満の飛行までが許可されています。真上の飛行は電波が届きにくくなる傾向がありますので不必要に上げないようにしましょう。
新アプリDJI FLY はシンプル構成
Mavic Mini の飛行は、これまで使用していた「DJI Go4」ではなく専用アプリ「DJI Fly」を使用します。
DJI Fly アプリβ版の画面(正式版と異なる場合があります11/10現在)
見ての通り、画面構成は非常にシンプル。左上に飛行モード、左下に高度・距離・速度、右上に電波状況やバッテリー状況(%+残飛行時間)、右側にカメラ設定・録画ボタン…というレイアウトです。
右上の「・・・」をタップすると設定画面を呼び出すことができます。最大高度や最大距離、自動RTH高度(自動帰還時の高度)やプロポのスティックモードなど、いろいろな設定を呼び出すことができます。
また、動画設定は1080pが25 / 30 / 50 / 60 fps、2.7Kが 25 / 30 fpsとなります。カメラのマニュアル設定はなく、一律オート設定となります。撮影時にシャッタースピードが気になる方はサードパーティから発売が予定されているNDフィルターを使うと簡易的にコントロールできるかと思います。
一方、写真はマニュアル設定が用意されていました。シャッタースピードは4〜1/8000秒まで、ISOは100〜3200までです。絞り値はf/2.8 の固定となります。残念ながらRAW(現像前データ)には対応していませんが、マニュアル撮影できるのは写真こだわり派にはウレシイ機能ですね。
カメラのスペックは、データを見る限り動画の最大解像度が2.7k であるものの、ほぼMavic Air やMavic 2 Zoom と同等かと思われます。そこで次は、こちらも旅のパートナードローンとして約2年前に登場したMavic Air と比較していきたいと思います。
Mavic 2 Pro / Mavic 2 Zoom / Mavic Air の画質比較を参考に!
Mavic Mini とMavic Air をくらべてみよう
旅のパートナードローンとしてライバル関係にある(?)Mavic Mini とMavic Airを比較しながらもう少し性能評価を深堀りしていきたいと思います。
まずは、低空ホバリングのテスト。Mavic Mini の安定性が高いことは経験済みなのですが、実際にどれくらいなのかは他の機体とくらべるのがいちばんわかりやすいかと思います。ということで、Mavic Air くらべてみた映像がこちら。ほぼ変わりありません。重量はMavic Air が430gあるので手で持ち上げるとずっしりと感じるくらいですが、機体底面のポジショニングカメラセンサーや赤外線センサーの働きによってとても安定したフライトをしてくれました。
そして、アレ?Mavic Airってこんなに音がうるさかったっけ?と思ってしまいましたが、これはもちろんMavic Mini がとても静かなのです。System5さんがわかりやすい検証をしていますのでご紹介したいと思います。実際に聞いた印象では、動画以上の音の大きさの差を感じました。
次に、写真を比較してみたいと思います。Mavic Mini・Mavic Air ともにオート設定、ほぼ同じ時間帯・同じアングルで撮影しています。ともに3000×4000pxの高解像度、とてもすばらしい画質です!
Mavic Mini
ロケ地:富士山麓山中湖畔ホテル&キャンプ場 撫岳荘
Mavic Air
ロケ地:富士山麓山中湖畔ホテル&キャンプ場 撫岳荘
拡大比較
ほとんど差を感じないレベルで撮影されていることがわかります。色合いの違いはオートによるホワイトバランスの差でしょうか。拡大写真を見ると、船の屋根あたりがMavic Mini が少しにじんでいるようにも見えますが、厳密には1機ずつ飛ばして交互に撮影しているので日照の差もあるかと思います。ご判断はみなさんで!
最後に、動画の比較もしてみたいと思います。こちらも同じようにオートで2.7k 30fps&1080p 60fpsで撮影してみました。飛行ルートも同じように飛ばしてみましたが、なにせ人が操縦しているので多少のズレはご勘弁くださいませ。
色合いはオート設定時の色温度の差でしょうか。動画はMavic Airと比較しても遜色ないと思います。むしろ、色の自然さはMavic Mini に軍配が上がるレベルかもしれません。ちょっと気になったのは、動画の画質というよりは1080p 60fps撮影時(Pモード)のはじめにMavic Mini がジンバルゴケして「がくっ」となっているところです。Mavic 2 も発売当初けっこうあったのですが最近はなくなった(…気がする)現象です。ここは製品版ではなくなっていることを願います。
2.7k 30fps
ロケ地:富士山麓山中湖畔ホテル&キャンプ場 撫岳荘
1080p 60fps
ロケ地:富士山麓山中湖畔ホテル&キャンプ場 撫岳荘
どこへ行くのにも手軽に持っていけるドローン Mavic Mini
Mavic Mini は、旅行に行くとき、遊びに行くとき、ちょっと散歩に行くとき…どんなときにも持って行きたくなります。重量もサイズもコンパクトで高画質なこのドローンは、誰でもカメラとして持っていける身近な機体になってくれることでしょう!普段、何気なく見ている風景も、Mavic Mini によって絶景に変わるはずです。
また、撮影を仕事にしている人でも十分に活用できる可能性があると思いました。例えば、狭いすき間をすり抜けるような動画も、Mavic Mini なら簡単に撮れてしまいます。
ロケ地:富士山麓山中湖畔ホテル&キャンプ場 撫岳荘
個人的には、イベントの撮影を依頼されたときに便利なツールになるかと思っています。電波がちょっと心配なので近距離限定ですが、このサイズと重量、そして全面を囲ったプロペラガードを備えたMavic Mini ならば、安全に迫力ある映像を撮ることができるはず。
遊びでも仕事でもいろいろな可能性を見せてくれるMavic Mini で、今後たくさんの魅力的なコンテンツや絶景体験が生まれるのが楽しみでなりません。機体単体は11月14日(木)発売、Fly More コンボセットは11月22日(金)発売予定です。
追記
11/11にDJI Fly アプリ正式版のリリースとファームウェアのアップデートが届きました。これにより当初より銘打たれていた機能が揃いました。発売日にはさらに面白い飛行が楽しめるでしょう。
様々なフライトモードでのクイックショットに対応
画質を最適化し、動画の滑らかさを向上
低照度環境下での撮影の最適化
映像伝送品質を最適化し、より鮮明なプレビューを提供
…等の性能向上が実現されています。