株式会社DroneFutureAviation(以下:DFA)が独占取扱権を有する陸上用配送ロボット「YAPE」がドイツ・フランクフルト空港にて、空港運営会社であるフラポート社と実証実験を行った。今回の実証実験は、YAPEの空港での利便性・安全性・有用性・発展性を確認し、フラポート社におけるサービス品質向上に寄与するための第一歩として行われた。
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今回の実験はYAPEの空港での初めての実験。実験ではYAPEを空港のトランジットエリアに5日間配備し、乗客のゲートまでのアテンドと手荷物の配送支援を行った。
「YAPE」は、イタリアのメーカーe-Noviaの子会社であるYapeによって開発された最新AIを搭載した配送ロボット。すでに日本でも日本郵便や慶應義塾大などと共同で実験を複数回行なっており、DFAが日本での独占取扱権を保有している。
離発着、ターミナルユニットの責任者であるフラポート社のアレクサンダー氏は次のようにコメントしている。
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アレクサンダー氏:弊社はイノベーションのリーダーとなるべく、乗客の旅行体験を向上させることを目的とした新しいデジタルテクノロジーの推進を常に努めています。今回の実験でYAPEを採用した目標は、空港でのサービスの質をさらに向上させるために、最新の人工知能とロボット工学のどういった利便性が活用できるか確認することでした。
またe-NoviaのCEO、Vincenzo Russi氏は次のようにコメントしている。
Russi氏:弊社は日本と米国での実証実験の後、大規模な流通システムを持つ大手物流会社と協力して、空港物流を担うべく事業を展開しております。YAPEはAIとロボット工学の専門知識を持つ世界最高のロボットの1つであり、e-Noviaはスマートモビリティを活用したラストワンマイル配送のための新しいソリューションをすでに開発しています。
第一フェーズでは、厳重に監視された状態でYAPEのテストを行った。この最初のフェーズでは、スマートフォンのアプリを使用してロボットとコミュニケーションを行った。乗客は手荷物をロボットのボックスに置き、YAPEによって離陸ターミナルまで案内される。ナビゲーションシステムのおかげで、ロボットはターミナル内を自由に移動できる。次の段階では、YAPEが乗客と音声によってコミュニケーションを行うという。
YAPEは、時速約6キロメートルの速度で最大30キログラムの荷物を運ぶことができ、3Dセンサーによって周囲の状況を感知し、障害物を回避可能だが、フランクフルト空港では毎年6900万人以上の乗客が通過するため、混雑度が高いターミナルでの回避行動は今後のYAPEの実運用にとって大きな課題となる。
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この実験ではフラポート社の空港オペレーターの経験を向上させると同時に、スタッフの作業負荷を軽減する新しい方法を模索することを目指している。
なお、YAPEは2018年12月にe-Noviaと日本郵便によって実施された最初の実証実験で、屋内および屋外配送ロボットとして信頼できる能力をすでに証明している。同社は今後のテストの結果を検討し、YAPEのフランクフルト空港でのサービス展開を予定している。