見た目はヘリコプターかラジコン機、飛び立つ音もどちらかといえばハチに近いというドローンですが、やはり鳥のように空を美しく飛びたいという思い(?)があるのかもしれません。
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■Bionic Bird
XITM社の「Bionic Bird」は見た目も飛び方も本物の鳥そっくり
鳥にそっくりなデザインをしたドローンが最初に注目を集めたのは、2015年のCESに出展された「Bionic Bird」かもしれません。
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真っ黒なカーボンファイバー製の翼を羽ばたかせながら空を飛ぶBionic Birdは、見た目はツバメ、大きさはハトぐらいのサイズで、最長で100メートルの距離を飛び続けることができます。開発したのはフランスのXITM社で、2014年末にクラウドファウンディングのIndiegogoでプロジェクトが開始され、日本円で約2000万円の資金を獲得。バージョンアップを重ねながら現在も販売されています。
コンパクトなボディにわずか10gの重さしかない高性能な飛行システムを内蔵し、空を滑空したり、シャープにターンを決めたり、飛び方も本物の鳥そっくりにデザインされています。プロモーションビデオではあまりのそっくりさに本物の鳥がBionic Birdを追いかけるシーンが紹介されています。バッテリーチャージャーが卵型をしていてその上に載せると急速充電ができるなど、オプションツールもユーモアを感じさせるデザインになっています。
Bionic Birdのプロモーション動画
■Aerovinci
2017年のCESに出展されていたAerovinciが開発する鳥ドローン
さらにもっと鳥そっくりのドローンが次々と開発され、2017年のCESではAerovinciというヨーロッパの会社がワシにそっくりのドローンを発表していました。もともと農業向けのドローンを開発している会社なので、鳥ドローンも作物を狙う害鳥を追い払うのを目的に作ったという話でしたが、残念ながら今はもう製造されていないようです。
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■Robird
「Robird」は飛び方を猛禽類の鳥そっくりにすることでバードストライクを防ぐ
鳥そっくりなドローンを開発する目的は他にもあり、たとえば飛行機のバードストライクを防ぐために飛行場の近くにいる鳥たちを追い払うというのもその一つです。オランダのClear Flight Solutionsが開発する「Robird」は、鷹狩りをヒントに猛禽類の鳥たちの飛び方をとことん追求したという空飛ぶロボットで、高性能なオートパイロット機能を備えています。その姿を見るだけで本能的に逃げたくなるほどシルエットもリアルで、追い払う鳥の大きさにあわせてハヤブサとイーグルの2タイプが開発されています。
■Jumper
ぴょんと飛び跳ねるように空を飛ぶ「Jumper」
他にも鳥をモデルにこれまでにない新しい飛行システムを持つドローンも登場しています。Passerineという南アフリカのスタートアップが開発する「Jumper」は、空では無く地面を跳ね回るスズメのような鳥たちの動きをヒントし、地上からジャンプして空へ飛び上がり、再び着地できるというユニークなデザインのドローンを開発しています。以前に紹介したVTOL機とは異なり、複雑な制御姿勢システムが不要なのでコストが抑えられ、固定翼で長距離を高速で飛べるというメリットもあります。
鳥のようにパタパタと羽根を羽ばたかせて空を飛ぶドローンはおもちゃとしても売られるぐらい作るのは簡単になっているようですが、まだいろいろ参考にすべきところがあるのかもしれません。それとも、もしかしたらあまりにも本物そっくりすぎて、普通に空を飛んでいても気がつかないような鳥ドローンがすでに登場しているかもしれませんね。