コントロール不要の自律飛行を得意とするドローンの真骨頂といえるのが、ドッキング機能かもしれません。
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パターンはいろいろありますが、スタンダードといえるのがバッテリーのチャージや荷物の集荷を行う「ドッキングステーション」タイプです。巨大なボックスのようなものから外灯の上に設置するものまでアイデアやデザインはいろいろありますが、最も美しいのがSwiss PostとMatternet社が共同で開発中の宅配ステーション&ドローンのシステムです。
まずドローンそのものが美しく、真っ白でなめらかなボディのクワッドローターで中央部分に専用パッケージが格納できるペイロードが付いていて、ドッキングするステーションもドローンと一体化したような美しいデザインで、上部から着陸するとペイロード部分がすっぽり格納できるようになっています。
使い方もスマートで、真っ赤スイスレッド(もしくはイエロー)な弁当箱のようなパッケージをポストの前にかざすと出てくる収納トレイに入れるだけというもの。宛先はスマホアプリから指定でき、受け取り側も同じアプリを使ってポストから取り出すので24時間いつでも配達が可能です。
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Matternet社が公開しているデモ動画
プロジェクトがスタートした2015年に「5年後の実用化を目指す」と発表していましたが、その後も開発は順調のようで荷物を運ぶ試験運用を複数の都市で成功させています。
現時点で運ぶ荷物はヘルスケア(インシュリン注射など)のみとのことですが、成功すればスイスの街中のあちこちでポストにドローンがドッキングする姿が見られるようになるかもしれません。
走るクルマとドローンがドッキングするというアイデアも、オーストリア赤十字とランドローバーが実用化を進めています。災害地の調査や探索を行うために開発された特別仕様車「Project Hero」は、ルーフ部分がスライドしてドッキングベースがあらわれ、そこに空中探査用の大型ヘキサロータードローンが離発着できるようになっています。搭載されたサーモカメラなどを使って探査した情報を1km離れた場所から伝えることができ、救助のための道具も運ぶことができます。
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Project Hero
クルマとドローンをドッキングさせるアイデアは複数のカーメーカーから発表されていて、Rinspeed社の「Σtos」はスポーツカーのリア部分にドローンがドッキングできるデザインを発表しています。
Rinspeed社が提案していた幻のドローンドッキングカー「Σtos」
2016年のCESで発表後、残念ながら開発は断念されたようで、代わりに今は自動運転で走る車両部分(“Skateboards“と用途にあわせてカーゴや人を乗せる本体部分“Pods”をドッキングさせる「MICROSNAP」を開発しています。
現在開発中(?)の「MICROSNAP」
クルマとドローンのドッキングで最も期待したいのが、エアバスとアウディが共同で開発を進めているドローンタクシー「Pop.Up Next」です。小型の2人乗り自動運転車とドローンが合体して陸と空の両方を移動できるというアイデアで、4分の1スケールモデルのプロトタイプでテスト飛行を成功させ、大きな話題になっています。
「Pop.Up Next」のデモ飛行の様子
デザインを担当しているItaldesign社はアウディの子会社で、イタリアらしいセンスでヘリコプターやトラクターもスタイリッシュに仕上げるデザイン力を持っています。今のところはまだ少し武骨さが残っていますが、実用化を目指すという10年以内にはさらにデザインがブラシュアップされることでしょう。あわせて見とれるようなドッキングシーンができるシステムにまで仕上げてほしいところです。
「Pop.Up Next」の最新イメージ