今年5月に破産申請を行った中国ドローンメーカーEhang社。リチャード・リウCFO(最高財務責任者)によれば、破産申請は単なる「社内の戦略調整」であり、パッセンジャードローンの商業化への足がかりだという。
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ここ数年のイーハン社の成功を目の当たりにしてきた人は、「まさか破産するなんて信じられない」と思ったかもしれない。人を実際に乗せたパッセンジャードローンEHang 184の、何千回にも及ぶ飛行テストの成功、ドローンの最多飛行ギネス記録の更新など、広州市に本拠地を置くEhang社からは、良いニュースばかりだった。
北京で行われたモルガン・スタンリー主催のカンファレンス(Morgan Stanley Technology, Media & Telecom Conference)で、リウCFOは、イーハン社は今後、追加融資や新規の投資家の獲得などの諸々については検討していくものの、翌年の商業化の成功に向けて軌道に乗っているとしている。同氏は以下のようなコメントを残している。
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弊社は、世界初の旅客用無人航空機を開発しました。EHang 184が本気の商品だということは、多くの方々にご理解頂いているかと思います。パッセンジャードローンは、巨大な市場可能性をを生み出すでしょう。2018年に入って、今がまさに商業展開のチャンスだ、と我々は強く感じたのです。
リウ氏によると、観光や運送に使用する目的でのニーズが実際に増えてきているという。例えば、United Therapeuticsは移植手術用の人工臓器を届けるという、「人命救助」のミッションのためのドローンを1000基発注した。
EHang 184にも関連することだが、急速な進化を遂げつつあるパッセンジャードローンがドローン産業においてますます注目を集めているようだ。EHang以外にも、WorkhouseのSurefly、Volocopter、Airbus‘ Vahana Projectなどが商業面での最前線に立っている。
最大220ポンドの積載量で25分間飛行できるEHang 184は、2016年のCESで初公開され、世界初の旅客用ドローンとして、多くの人を驚愕させた。リウ氏によれば、Ehang社は現在、年末もしくは来年初頭の商業展開開始を目処に試行錯誤を行なっているという。
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ただ、最終的にEhang社の今後がどうなるかについては様子を見るしかなさそうだ。戦略的なものとはいえ、破産は決していい兆候ではない。一方で、パッセンジャードローン自体は人々の興味関心を引きつけるのにうってつけで、資金調達源としての可能性を秘めている。これからの6〜9ヶ月間で、Ehang社の破産申請がどれほど戦略的なものだったのか、自ずと判明するはずだ。