ドローン業界の今と未来を考える
ドローン分野に特化したカンファレンス及び展示会が InterDroneが9月9日から11日までの3日間ラスベガスRio All-Suite Las Vegas Hotel and Casinoで初開催された。3D RoboticsのCEO クリス・アンダーソン氏の基調講演をはじめドローン業界の精鋭が集まるコンファレンス。80社をこえる出展社が集う展示会で商用ドローン市場のこれからを俯瞰できる内容で業界の加熱ぶりを目の当たりにした。
- Advertisement -
初回と言う事で小規模な展示会を予想したが、そこに集う人々の熱気は凄まじく、カンファレンス会場外でも多くの漏れ聞こえる熱い商談の声を耳にした。参加者は、アメリカを中心に世界中から多くの人が集まった。特にアジアでは、ドローンのメッカ中国深圳からの参加者が多く見られた。
参加者にはランチが振る舞われ、展示会終了時間からパーティーや交流会等が夜まで開催され、ドローン漬けの三日間だった。来年は、会場をストリップ通りのParis Lasvegasに移し、2016年9月7日から9日まで3日間で開催され、規模が拡大すると見られている。
クリス・アンダーソンが語るドローンの可能性
- Advertisement -
基調講演で3 DRobotics(3DR)のCEO クリス・アンダーソン氏は、ドローンの無限の可能性を、3DRをふりかえりりつつ、ドローンの歴史を紐解きつつプレゼンテーション。2013年は、ドローンの存在が注目され、2014年はドローンによる撮影、そして2015年以降は何をするのか?可能性は無限大、今注目されるIoTではないが、様々な物を組み合わせ活用できると説明。今後はクラウドとの連携でさらにマーケットは広がると予想した。
ドローンマーケットの可能性やDroneCodeについて言及
展示会の現場から〜ドローンとその周辺
ドローンメーカーをはじめ、ケース等の周辺機器、測量機器メーカー、FPVレ−サー、教育関連、販売代理店等、また法務系、弁護士事務所、代理登録 ドローンに関する事に従事する各分野からの出展。クラウドを利用したソリューションを紹介するブースもいくつか見られた。
- Advertisement -
また起業してまもないStartUPの起業が集まる”Hanger”ゾーンも設けられた。会場奥にはFreeFlyZoneが設けられ各社のドローンの飛行デモが行われた。会場最大小間数を誇るメーカーである、DJI、3DRそして先日資金調達を成し遂げたYunnec三強が我々を迎えてくれた。いくつかダイジェストで見て行こう。
FlyZoneでは、各メーカーが実際に飛行デモを行う
■DJI
今の加熱するドローン業界を牽引するのはやはりDJIと言っても異論は無いだろう。最大の驚きは、DJIのX5/X5Rの発表である。ドローンメーカ自身がマイクロフォーサーズ規格のカメラを市場に投入して来た。それも独自のD-LOGモードで記録やRaw撮影可能な完全に業務用仕様である。X5R用にmSATAベースの512GB SSDへ、ロスレス4K RAW(CinemaDNG)動画を最大ビットレート1.7Gbpsで30分ほど記録することができる。
レンズを外し、マイクロフォーサーズのセンサーが見える
SSDへの記録と同時に内蔵のSDカードにH.264形式で記録することも可能。またX5Rでは、ポスト編集のグレーディングで活用できるDJI独自のLOG仕様D-LOGモードで記録できる。Zenmuse X5(Inspire1 とDJI製MFT 15mm f1.7 ASPH lens)の販売価格は607,400円(税込)、Zenmuse X5Rは2015年年末に販売価格1,079,800円(税込)にて販売する予定。
▶DJI
■Yunnec
先日紹介したインテルから6000万ドルの資金調達に成功したYuneecは、業務用大型機TORNADE H920を発表した。TYPHOON G500 4Kよりも大きく、V18GIBAL CAMERAもあるが、パナソニックGH3/4を載せるジンバルGB630も用意されている。TYPHOON同様に地上でもジンバルが使えるようにPROACTION GRIPが用意されている。
■XIRO
アメリカ最大のドローン代理店Hobbicoが、Hubsan同様扱うのがオランダ生まれのドローンXIRO。ひときわデザインが目立つ仕上がりとなっている。基本筐体のXPLORERにGシリースは、GoProを載せ、VシリーズはオリジナルのHDカメラを載せるラインナップになっている。ソフトウェア側では、ターゲットを決めるとその周辺360°をキャプチャーしてくれるセルフィー機能も実装している。
▶XIRO
■HUINS
韓国からドローンメーカーのHUINSが出展。同社はドローン機体やオペレーションソフトウェア等全て自社で行うと言う。Blueye Drone12Kは、DSLRカメラ掲載可能なフォトグラファーおよびシネマトグラファー用ドローン。その他にも農業用、物流用、教育用等用途に分けて機種が用意されている。
■Lowepro
カメラバックで御馴染みのLoweproからドローン関連のバッグもいくつか出展されていた。DroneGuardシリーズは、Bebop、Phantom、SOLOなど主要機種対応している。中でもDroneGuard Kitは、ドローン機体を包むようにキャリングできるのが魅力だ。ドローンのオペレーションに必要な物(本体、バッテリー、コントローラー等)全て収納する事が出来る。ハードケースのインナーとしても使用する事が出来る。価格は$99.95。
■MicroDrone3
5日間で予定額の400%を達成したMicroDrone3.0を提供するEXTREME FLIERSもイギリスから出展。小さい筐体んがらも安定した飛行が可能であるのが人気の秘密。またジンバルで安定した撮影も可能だ。
■AltitudeAngel
Internet of Things(モノのインターネット、IoT)を空へと導入し、Internet of Flying Thingsと銘打ちグローバルな空域管理システムを提案。Altitude Angelは、ドローンの航空管理を提供するクラウドソリューションだ。災害やドローンをリアルタイムでモニターするグローバルネットワークである。他サービスとの決定的な違いは、パイロットへアドバイスを提供するのではなく、直接ドローン(またはそれをコントロールするソフトウェア)にコマンドを送ることができる点にある。ユーザーは登録さえすれば無料で使用する事が出来る。ローンチは10月を予定している。
■EPSON
手前のウェラブルグラスモニターがMOVERIO。奥のドローンに3D用複眼カメラが実装されているのが分かるだろうか?
MOVERIOをFPVに活用する提案を展開。なかでも参考展示で出品されていた3Dカメラ(左右カメラ)を設置したドローンが印象的だった。実際に飛行も可能だそうだ(少しばかり怪しい感はある)。しかしながらMOVERIOのFPV有効活用がメインである。
■MARS PARACHUTES
何らかの理由でドローンのロストほど懸念される物は無い。その安全対策としてパラシュートを扱う企業がMARS PARACHUTES。機体重量に合わせて各種取り揃えたMARSシリーズのパラシュートがある。今回同社は、自動学習安全装置Maydayを開発し、KickStarterで出資者を募っている。Maydayは、各パイロットの運転のクセを学習し、いざと言う時に自動的にパラシュートが開く機構を持つと言うもの。
■DroneCode
DroneCodeは、ドローンのソフトウェアをLinuxベースで開発するオープンソースプロジェクト。今回は、日頃DroneCodeを使用しているユーザーがブースに集まり、ディスカッションを交わすさユーザー会の様なブースになっていた。
■VUFINE
VUFINEは、いわゆるハンズフリー・ウェアブル・ディスプレイだ。メガネに装着しなくても、帽子に取り付ける等、さらに煩わしさは無い。充電式で、入力はHDMI、実際に11インチのバーチャルスクリーンとして目の前に現れる事になる。VUFINEをそのままFPV用に使えないか?ということで出展していた。価格は$169で今年の11月に販売を始まるそうだ。
■QuadCharger
QuadChargerGOは、その名の通り、DJI Phantomのバッテリー充電器。4つをまとめて充電する事が可能だ。急速充電も可能なQuadChargerPROも取り揃っている。それぞれPhantomⅡ、Ⅲ用の充電器が用意されている。自動車からの給電も可能だ。