DJIは、ドローンの人命救助に関するレポートを2018年5月2日に発表し、その中で2017年には少なくとも65名の人命救助にドローンが活用されていることを発表した。同レポートには、世界中のニュースサイトや公的安全機関からの報告を収集し、五大陸で発生した27件の個別事例が含まれている。
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「More Lives Saved:A Year of Drone Rescues Around the World」は、公共安全を守る重大なミッションにおいてドローン活用を推進するため、ドローン技術の向上やレスキュー隊への迅速な採用、航空規則についてハイライトしている。
昨年度の発表と併せると、ドローン活用による人命救助はのべ124名にのぼる。同レポートでは、オーストラリアとブラジルで水難者にブイを落としての救助、イギリスとアメリカでは、氷点下で意識を失っている遭難者の発見、また、野山、川、山岳地帯に取り残された遭難者の救助など、ドローンを活用した世界各国の人命救助事例を紹介している。
DJIの政策法務部担当バイスプレジデントBrendan Schulman氏は、次のようにコメントしている。
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Brendan Schulman氏:要救助者の発見や救助、食料やライフジャケットの調達など、ドローンを人命救助に活用することで、創作時間やレスポンスタイムを数時間からわずか数分に短縮できます。今後、公的安全機関へのスムーズなドローン配備や、関連する法律や規則が許可されることで人命救助における時間や費用の節約だけでなく、捜索救援にかかわる人々も危険から守ることができます。
同レポートによると、平均して1週間に1名がドローンによって救助されているという。また、少なくとも18名が、暗闇や茂みの密集地帯など、肉眼では目視できないエリアで、ドローンの赤外線サーマルカメラによって発見されている。
イギリスのリンカンシャー州の事例では、冬の夜に交通事故が発生し、要救助者である運転手を肉眼では発見することが困難な状況だったが、赤外線サーマルカメラを搭載したドローンが、事故現場から離れた溝の中に運転手が倒れているのを空中から発見し、救助に成功した。この救出の一部始終はドローンにより記録されている。