カリフォルニア州において、2015年はドローン法における重要な年とみられる。
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カリフォルニア州上院法案142の通過により、無人航空機システム(UAS、ドローン)の飛行が制限されることになる。上院法案142(SB 142)では、不動産所有者および土地所有法人の許可なしでは、その土地の空上350フィート以内での飛行ができないという規定が含まれている。法案は8月24日にカリフォルニア州議会にて56対13で可決通過、27日には上院で通過しており、現在カリフォルニア州知事ジェリー・ブラウン氏の机の上に置かれているといった状態だ。
州知事が署名した場合、ドローンに関与する急成長ハイテク市場に大きな打撃を与える恐れがあると、この事実を懸念した組織団体らがステートメントを掲げている。法案が上院を通過した27日当日に、コンシューマー・エレクトロニクス協会(CEA)および無人車両システム国際協会(AUVSI)が報道文書を共同で発表し、「プライバシー侵害に対処する必要性には賛同するが、本法案は間違ったアプローチをしている」と強く非難。連邦政府からのガイドライン実装後10年でも、およそ1万8千人の新規雇用に140億ドル以上の経済効果が期待されている産業だけに、特にカリフォルニアをベースに拡大する産業へ大きな打撃を与えると文書で述べている。
両団体は連邦航空局(FAA)と小型UAV連合アカデミー(AMA)と共同で、ドローン利用者に向けて必要な情報やガイダンスを提供する教育キャンペーンポータルサイト「Know Before You Fly」を立ち上げている。
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事の発端は、1月にカリフォルニア州上院議員ハンナ・ベス・ジャクソン(民主党)が、SB 142にあるプライバシー法にある侵入に関する言語を修正することによって、新たなプライバシーおよびセキュリティ侵害を防ぐことを目的としたドローン法案を導入したことだった。ハリウッド的なアプローチ、つまりパパラッチによるドローン乱用を恐れての提案でもあったと思われる。しかしプライバシーは保護されても、それに顧みる潜在的な経済的なダメージのほうが大きい。
ちなみに今回挙がったSB 142以外にも、SB 271とAB65(議会法案)が進んでいる。法の執行によって(つまり令状が必要)ドローン使用が可能になることが起草に含まれているAB65においては、9月4日が法案修正の最終日で、同月11日には投票が行われる予定。
(山下香欧)