4回目を迎えた国際ドローン展の現場から
第4回目を迎えた国際ドローン展。第1回目からDRONE.jpでも取り上げているが、今回の傾向をひと言で評すると「ビジネス化がさらに進んでいる」だろう。もともとトイ・ドローン系の展示は少なかったが今回はほとんどと見かけず、「撮影」「測量」「宅配」「農業」という具体的なジャンルで、それぞれのメーカーが他社との違いやアピールポイントを打ち出していた。
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ジャパンドローンと開催時期が近いうえに会場が幕張メッセというのもあり、出展数は48社/77ブースと昨年(51社/101ブース)からやや減って、来場者数も5637と昨年(6,822)より少ないものの、来場者が時間をかけてブースで話し込んでいる姿が目立ち、ビジネスになるかを本気で見極めようとする場になっていたともいえる。
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農業分野でのドローン活用は、農薬散布や作物の監視、モニタリングなど用途が明確なうえに、新しい道具が取り入れられやすいこともあって、一気に拡大しそうだ。農作業用ドローンの展示も多く、なるべくたくさん農薬を積んで一気に散布できる大容量のタンクを備え、モーターも高出力なタイプや、作業後に倉庫へ置けるようローターやアームを畳んで収納できるタイプ、またガソリンやハイブリッドなどできるだけ長時間、広範囲を飛べるタイプが農業向けとして出展されていた。
軍用レベルの赤外線や360度VR、顔認識、人やクルマの移動を定点観測できるなど、利用できるカメラの種類が増えている。そうした様々なカメラと異なるタイプのカメラやセンサーを組み合わせて、一つのジンバルで2つ機材を装着できるシステムや、さらに用途にあわせて機材を追加できるなど、1台で何役もできるタイプのドローンが注目を集めていた。
測量できるものも、これまでヘリや飛行機で行っていた測量をドローンで代用する動きも加速。それらで使われている計測機器をドローン用にすることでニーズを拡げたいというメーカーもあった。
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ニーズを拡げるという点では、測量の対象を狭い場所や水中に拡げるタイプもいくつか出展されていた。川や池、ダムなどの測量は、紐を付けた重りを手作業で測っている現場も少なくなく、時間も人手もかかるので、それをドローンで代用しようという研究が進んでいる。ただしまだ始まったばかりでいろいろ課題は多く、実機ができるまではまだ少し時間がかかりそうだ。
東京オリンピックの影響もあり、監視にドローンを活用する動きも加速しそうだ。すでにノウハウを持つ警備会社がシステムをトータルで提供したり、人が集まる場所でドローンがトラブルを起こした場合の対処や保証をするサービスを紹介するブースも見られた。
屋外での利用が多いドローンをできるだけメンテナンスフリーにするタイプも注目度は高いようだ。ブースのいくつかで、「売りっぱなしで壊れやすい海外製ではなく、アフターケアもしてもらえるような国内製がないか問い合わせが増えている」という話が聞かれた。厳しい気象条件に耐えられる素材を使い、故障しにくいようシンプルな設計にした結果、見た目のデザインも洗練されている機体もいくつか目に付いた。
全体的にドローン市場のビジネス化が進んでいるのは、レンタルやスクールが増えているところからも伺える。ドローンの運用をその都度外部に依頼するのではなく自社で行えるかを検討するため、レンタルやスクールを利用するというケースもあるようだ。いずれにしてもドローンビジネスは一つのジャンルとして定着しそうな流れにあり、今後どのような動きが出てくるかが興味深いところだ。第五回国際ドローン展は、2019年4月17日から19日まで開催される。