石川エナジーリサーチは、元本田技術研究所の社員を中心に2010年に設立されたものづくりベンチャー企業。2016年、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募プロジェクトに、同社の計測用ドローンの開発事業が採択されたことを機に、本格的にドローン事業に着手。プロジェクトでの開発技術を基に、製品化を見据えて新たに開発されたのが「アグリフライヤー」である。株式会社石川エナジーリサーチの農薬散布のためのドローン「アグリフライヤー」の試作および最終製品パーツの製造に、プロトラブズ合同会社の切削加工および射出成形サービスが採用されたことを発表した。
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アグリフライヤーは、畑での農薬散布を想定して開発されたバッテリー交換式マルチコプタードローン。ボディに超軽量マグネシウム合金を用いることで、耐久性と運動性の両立を実現している。飛行時は約2メートル四方の大きIGAアームを折りたたむことで約80センチ四方に収まる形状である。
アグリフライヤーの製品のパーツ製造にプロトラブズのオンデマンド製造サービスを利用したのは、製造委託先候補企業の様々な最終コストの比較表を作って選定した中で、納期が圧倒的に早く、高いパフォーマンスのうえ、最も低コストだったためだ。
通常3か月かかっていた金型を使った樹脂製造を3週間という短納期を実現し、製品開発の加速化に貢献。また、プロトラブズの金型を使ったパーツ製造は1個から対応しているため、少ないロットでの製造ができ、初期コストが通常の約50%に抑えられた。プロトラブズの製造サービスが利用されているパーツは以下の通り。
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石川エナジーリサーチは、プロトラブズの「ICT 技術」と「人的サポート」も高く評価している。機体軽量化のため、パーツレベルで薄肉軽量化するなど精度を高める必要があったが、製品の3Dデータをオンライン上にアップロードするだけで、抜き勾配に関する製造性解析が数時間以内に提供されるため、修正作業を円滑に進めることができるようになった。さらに、必要に応じて解析画面を見ながらプロトラブズのエンジニアから設計に関する細かいアドバイスが提供され、最終工程での手戻りのない開発が可能になった。
石川エナジーリサーチは今後の展開について、現在、エンジンとモーターの両方を使った「ハイブリット式」のドローンの開発も進めており、今後は、農業分野だけに関わらず、建設現場といった分野で活用できる産業用ドローンの研究開発を積極的に継続しながら、AIを使った自動運転ドローンの開発も進めていくことを計画している。