DRONE.jp提携先のDrone Indusry Insight社(以下:DRONEII)が2018年版ドローンプロバイダーTOP20ランキング2018を作成、発表した。ドローンサービスのプロバイダーが登場してからある程度の時間が経過した。そろそろはたらくドローンを比べて評価してみてもよい頃だろう。商用ドローンの市場はここ何年かで大きく様変わりした。ハードウェアは牽引的な立場を失い、ドローンによるサービスやドローンソフトウェアによるソリューション提供が取って代わった。この発展は投資市場や戦略的パートナー配分の進化的な変化からもうかがえる。
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このランキングではグローバルに事業を展開する200社強のドローンサービスプロバイダーの分析にもとづき、ドローンをサービスとして提供する企業のうち上位20社を紹介する。ドローン業界は未だドローンサービスを現存する形で完全に具現化できるソリューションを提供できないため、上位組織内で事業を行うドローンサービスプロバイダーやオペレーターがすぐに使用可能な情報を農業・建築・採掘・石油・ガスその他多くの特定産業のクライアントに提供している。
ドローンサービスランキング上位50社のうち40%は北アメリカ、36%はヨーロッパ、10%は中東やアフリカ、6%はアジア、6%はオセアニア、残り2%は南アメリカの企業である。これにより抜きん出る北アメリカやヨーロッパの市場の威力が実証されたが、同時にそれ以外の地域でもドローンサービスが提供されていることがわかる。
さらにランキング上位10社だけでも1億1600万ドル以上の資金提供を受けているが、上位20社ではその額は合計1億3000万ドルである。こうした企業内外のステークホルダーは明らかにこの技術の現実的で将来的な価値を実証できている。事業の育成や拡大のためパートナーを求めるドローンサービスプロバイダーが今後さらにこの価値を支えていくことになる。
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※PDFダウンロード可能
ランキング見どころ
1位:Zipline
Ziplineはドローンメーカーでありながら配達サービスも提供するカリフォルニア州サンフランシスコの企業。2016年より世界で唯一の配達システムをルワンダで全国展開(半径75kmサービス圏内で1日500回の配達)している。緊急性の高い医療薬や血液などの重要な必需品を国内の病院に配達する。2017年には同様の配達システムを2018年よりルワンダで展開すると発表。2016年だけでも4000万ドル以上を募った、資金調達を牽引する存在である。
2位: Measure
Measure は「サービスとしてのドローン」(DaaSと略される)を提供する巨大かつ指導的立場にある企業。ワシントンD.C.を拠点とし、電気通信、建設、エネルギー、メディアなどのセクターにおけるドローンアプリケーションに力を入れている。MeasureはDJIやAES Corporationといった企業と手を組み、ビジネスの発展やより包括的で完全なサービスの提供を目指す。これまでにもかなりの額の資本金を募ってきたうえ、その巨大な企業規模がこのランキングでの位置づけに大きく影響した。
3位: Cyberhawk
欧州初のドローンサービス企業、Cyberhawkは世界有数の空中査察を提供する企業である。英国リビングストンに本社を構え、世界の石油、ガス、再生可能エネルギー、鉄道などの企業にサービスを提供している。企業の規模とともにフォロワー企業や築いてきたパートナーシップの数を評価し、第3位とした。
4位:Hemay
2012年スペインで設立され、全国で16以上のオペレーションセンターにドローンサービスを提供している。その勢いはスペインに止まらず、メキシコ、ポルトガル、イタリア、コロンビア、モロッコ、フランス、アルゼンチン、イギリス、チリにも進出。精密農業や点検分野のドローンサービスに主眼を置く。
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5位:Flirtey
米国ネバダ州リノに拠点を置くFlirteyは、ラストワンマイルの配達を専門とする。最近では米国内で初めてのドローンによる自動体外式除細動器(AED)の配達事業を立ち上げるべく、コミュニティ統合緊急医療サービスを提供するREMAとのパートナーシップを発表した。この2社がラストワンマイルの配達に力を注ぐことで、その他の多くのドローンサービス業界とは全く異なる、価値ある提案が可能となる。
6位:Sky-Futures
Sky-Futuresはドローンベースの点検サービスを世界中の産業市場に提供するスペシャリストで、英国ミドルセックス、ヘーズに本社を持つ。2017年の業界大手三井物産との戦略的パートナーシップと400万ドルの投資により、Sky-Futuresの事業はエネルギー、海洋、インフラセクターのクライアントの日本におけるグループネットワーク中に飛躍する見込みだ。2社がパートナーとなったことによる業績や資金額は大きな注目を集めた。またさまざまなドローンサービスオプションの提供に力を入れたことで、さまざまな問題解決の糸口として専門家から認められるようになった。
7位:Aerodyne
拠点をグローバルに展開するAerodyneは、マレーシア、オーストラリア、シンガポール、インドネシア、イギリスにオフィスを持つ。2017年8月中旬には、点検・分析したアセットが3万を越え、クラウドベースソリューションを通じて提示したことで、大きな節目を迎えた。この数字から同社のドローンサービスが広大な範囲に行き届き、世界中に広がっていることがわかる。その存在感は世界で強まっており、市場での立ち位置に影響を与え続けている。
8位:Airinoy
フランス発ドローンサービスプロバイダーのAirinoyは、ヨーロッパで5000以上の農業従事者に利用されている。農業分野を専門とし、主にヨーロッパで事業を行っている。Webアクティビティーにおける確かな実績により、ヨーロッパ大陸全体の関心を集めている。
ランキングの後半は点検、マッピングおよび調査サービスを提供するドローンのオペレーターが占めている。これにより市場全体がドローンサービスプロバイダーに関心を寄せていることが明らかになり、私たちが重要ととらえる成長や勢力が示された。その中でもフィンランドのSharper Shapeは400万ドル以上の資金提供を受けた。
現在、そしてこれからのドローンサービスプロバイダーに求められること
ここ数年でドローンのハードウェアに対する関心は頂点に達し、多くの組織が立ち向かわねばならなかったのは、ドローンを使って収集したデータをいかに利用できるか、あるいは利用すべきかという問題であった。このような状況下で多くがドローンへの関心を失い、この技術のポテンシャルを完全に解き放つ努力から撤退してしまった。
規制やドローン技術、企業ソリューションの質(例えばDroneDeploy、Precision Hawk、Kitty Hawkが提供)が変化したことにより、法人顧客がドローンを操作するのはかなり容易になったが、それでもなおドローンサービスの必要性は明らかである。これによりドローンサービス企業はさまざまなセクターやサービスに取り組み、生のデータを掴むだけでなく、すぐに使用可能な情報へと加工できることを実証できるようになる。
さらにこのプロセスと関係する規制責任や高い管理要求を分類することもできた。その結果多くの法人顧客はこれまでのところ、この機能を外部委託することに満足している。この傾向によりドローンサービス企業には、ニッチあるいは高リスクオペレーション向けの新たなビジネスモデルを模索するニーズが開かれている。