DJIのドローンに取り付けるスタビライザー・ジンバルZenmuse(ゼンミューズ)は、独自のジンバルサーボドライブモジュールにより、操作性と信頼性での評価が高い。今回、今春のNABでお目見えしたBlackmagic Pocket Cinema Camera (BMPCC)専用「Zenmuse Z15-BMPCC」と、Panasonic LUMIX DMC-GH4専用「Zenmuse Z15-GH4(HD)」の2モデルが出荷開始となった。
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Z15-BMPCCとZ15-GH4の両方とも、3軸ジャイロで制御角度精度は±0.01°と、安定性の最高レベルを誇る。DJIのオクトコプターもしくは六角ローターヘリに取り付け、送信機のスティックでジンバル軸回転の操作を制御できる。スティック操作の範囲はジンバルの速度にも対応。各動作角度はヨー±360°、ピッチ±360、ロール±40°(連続メカニックローテーション±360°)、制御回転速度は、パンが ±130°/s、チルトが±130°/s、ロールが±30°/s。対応カメラレンズは、オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0。両モデルとも、FUTABAのS-Bus/PPMレシーバに対応できるようになった。
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ジンバルの回転制御には、他社製と同じく3つのモードが用意されており、機体の向きに合わせて動く方位固定モード、機体の向きに関係なく固定される方位無固定モード、そして機体の向きと同じ方向を保つ水平モードがある。
3軸の角速度と加速度を検出するIMUは、最新のスタビライズ・アルゴリズムを使い、飛行中の安定性の最高レベルを実現。HDMI-AVモジュールは、航空機のペイロードを低減するため、カメラシャッター制御のような拡張機能を備えたHDMI信号をAV信号に変換するよう配線されている。新モデルについてくるHDMI-AVモジュールには、AVとHDのワイヤレス映像伝送の切り替えスイッチがついており、DJIの「Lightbridge」という2.4Gリモートコントロールリンクが搭載されたHDデジタル映像伝送ボックス(HDデジタルビデオ・ダウンリンク)と接続して、信号のリーチを1.2キロまで延長させられるほか、空中から発信される画像と、実際の空中から撮影しているカメラの映像との差異と遅延を最小のものにできる。1080p/30fpsであれば、カメラが撮影している映像をリアルタイムで地上にて確認できる。
Z15-GH4は、GH3向けのZenmuse Z15-GH3のアップグレード版という位置づけではあるが、GH3も実装できるようになっており、さらなる遠隔での空撮にはHDデジタル映像伝送ボックスとコミュニケーションがとれるZ15-GH4の最新モデルを選択するべきだろう。GH3を実装する場合はGH3用のHDMIケーブルが必要。
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DJIではプロ空撮向けに、ドローンからカメラ搭載ユニット、コントロールシステム、ビデオリンクシステムや地上への機体情報を表示するiOSDを揃えて、簡易にシステム構築が行えるようになっている。
(山下香欧)