中国商務部と税関総署は8月15日からドローンの輸出制限を部分的に強化すると共同通知を発表した。この発表は、深圳に本拠地を持つ大手ドローンメーカーDJIの生産者に配慮してのことだという。
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ドローン業界のマーケットリーダーとして、現在DJIのファントムは民間用ドローンのスタンダードになっている。DJIとしては、今回の中国政府の輸出制限の対象にDJIの製品は入らないと述べている。また、Ehangの共同創設者Xiong Yifangはこの新しい規制がドローン業界にどれほどの影響を与えるかはまだ定かではないと言及している。
民間用ドローンの輸出は急激に成長しており、深圳の税関によると今年の1月から5月までの深圳市のドローン輸出量は160,000台で、価格に直すと7.5億元(約142.5億円) にものぼるという。これは前年同期比55倍の量である。しかも驚くことに、その売り上げの95%はDJIが占めており、ほとんどがヨーロッパとアメリカに輸出されている。
今回の共同通知により輸出が禁止されるドローンは以下スペックを全て満たすものである。
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高度15.420メーター以上でも飛行可能
オペレーターの視界から消えても30分以上巡航可能
風速46.3km/hの中でも飛行可能。
今回の共同通知が出される前に、実は別のドローン輸出禁止に関する通知が発表されており、これは7月1日に有効になっている。その時は、単発の飛行距離が300km以上で、最大積載量が20ℓを超えるドローンは輸出禁止という内容であった。中国の産業チェーンの成熟とハードウェアコストの継続的な低下に伴い、中国のドローン開発が注目されてきたが、チール・グループの予測によると、ドローンの売り上げは2014年の2.8億ドルから2023年位は2倍の5.6億ドルに膨らむとみられている。
ちなみに2015年上半期、500を超える企業がアメリカの連邦航空局からUAVを使用する法的な許可を得ており、その半分以上はDJIの製品だ。DJIは世界の商業利用のUAV・ドローンのほぼ70%を占めている。
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あるイギリスのドローン企業の幹部によると、最新の声明はDJIを含む大手ドローン製造業のような消費志向の企業に対して大きな影響はないという。なぜなら、彼らは最大飛行時間約20分のドローンを製造しており、今回の通知には当てはまらないからだ。