ソニービジネスソリューション株式会社は、エアロセンス株式会社と有線給電方式の高画質ドローンを用いたライブ撮影システムを構築したことを発表した。同システムは2017年8月20日、静岡放送株式会社の主催イベント「超ドSフェスタしずおか」の音楽番組にて運用され、撮影された映像は9月2日にSBSテレビ、9月10日にBS-TBSにて放送された。
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有線給電ドローン本体
昨今行われているライブ映像の撮影における高所映像撮影では、イントレ(足場)構築やクレーン使用による高所撮影の場合、撮影アングルに制約が生じるなどコストも高額となる。それに代わるものとしてドローン使用による映像撮影が行われるようになったが、電源の制約から最長20分程度の連続撮影しかできないという点や、映像の無線伝送時に画像圧縮する必要から番組で使用するクオリティを満たすことができないなどの課題が挙げられている。
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ドローン撮影映像
ソニービジネスソリューションは課題解決に向けて、エアロセンスと検討を重ね、有線給電ドローンを用いたライブ撮影システムを構築した。有線給電方式ドローンを使用して長時間撮影を可能にすると同時に、光ファイバーケーブルを使用した非圧縮かつ高画質のリアルタイム映像伝送によるライブ運用も実現。ジンバルによるカメラ制御(パン・チルト)や、中継車との接続も可能で、可搬中継機材としての活用が見込まれるとしている。
これらの撮影システムにより、音楽ライブ等のイベントにおいて観客席の後部位置から迫力ある俯瞰映像の撮影が可能となり、現場感や臨場感がある素材を提供できるという。ライブ映像カメラは、ライブ全体の臨場感やこれまで観たことのない視点からの映像を提供するツールとなるという。静岡放送技術局 技術センター 制作技術 西尾圭介氏は次のようにコメントしている。
西尾氏:2017年6月に行われたセミナーで偶然お見かけした有線給電ドローンを、ぜひ弊社主催のイベントで利用したいという思いが実現に至り、ソニービジネスソリューションとともに挑戦させていただきました。今回の試みは、私たちにとっても、とても刺激的で、貴重な経験となりました。これからもご一緒に、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。
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ソニービジネスソリューションは今後のドローン市場拡大を見据え、この領域におけるビジネスを確立していくとしている。エアロセンスとの協業の強みを活かし、ドローン本体の機体提供だけでなく、モニターや映像記録装置などライブシステムとしてのサービスビジネスの検討を進めている。将来的には、中継車とドローン本体をケーブル接続し、フライトまでの作業効率の向上と、中継システムとの容易な接続を実現するとしている。