Googleのシークレット・リサーチラボ“X”では、無人飛行機(ドローン)を利用した宅配サービスの実現に向けた実験“プロジェクト・ウィング”が進められている。
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米アマゾンのプロジェクトに対抗しているようにも見られるGoogleの実験は、先週末に映像で公開された。アマゾンのジェフ・ベゾス社長は昨年末に放送されたCBSの番組「60 Minutes」の取材で、ドローン宅配の実験「プライム・エア」について紹介している。
Googleが公開した映像では、ファーストエイドキット(救急箱)、お菓子や犬の遊具や餌などの小さな荷物を落下に耐えられる箱に入れ、約800メートル離れた2か所間でドローン空送を行っている。実験地はオーストラリア。
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Googleは、プロジェクト・ウィングの実用化をこの先数年かけて行っていく。事実、マサチューセッツ工科大学の専門講師は2年前からプロジェクト・ウィングに参加しているという。Xラボへの潤滑な資金があるのだろうが、商用化したところで開発費がペイオフできるのかは疑問だ。
Xラボでは、このドローンを使った同日宅配サービス実験のほかにも、自動運転自動車や太陽光を利用したバルーン(風船)などのプロジェクトを行っており、Google社の事業拡大を図っている。
アマゾンは先月、連邦航空局(FAA)にドローン実験期間の延長許可を申請している。Googleと合わせて2社とも、商業ドローンを利用した宅配サービスを実現させるには、各国で政府の承認を得る必要がある。FAAでは過去において商用のドローン飛行を禁止しており、この6月に初めて、アラスカのプルドー湾でパイプライン、道路や機器を調査するための商業用ドローンの飛行を認めるケースを出している。
(山下香欧)