ブルーイノベーション株式会社と株式会社日水コンは、国内初となる「ドローンによる老朽下水管きょの点検・調査」試行サービスを、今秋よりスタートする。
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日本国内の下水道管路全体の約3%は建設後50年が経過しており、老朽化した下水管の腐食に伴う道路陥没が多発している(2014年で年間3300件)。今後も老朽化した管が急増するため下水道法が改正され、全ての下水管施設を対象に適切な時期に点検などを行うこと、特に、腐食の恐れの大きい箇所は5年に1回以上の点検義務が課されたが、人体に有害な硫化水素の発生や、ゲリラ豪雨などによる下水道の氾濫といった作業員の安全上の問題に直面していた。
ブルーイノベーションと日水コンは、これらの問題に対し、共同でドローンによる点検・調査技術の開発に取組み、国土交通省の下水道革新的技術実証事業であるB-DASHプロジェクトに参画、実証実験を重ね、手動操縦によるテスト飛行に成功し、今秋より横浜市をファースト・ユーザーとして試行サービスを開始する。
B-DASHプロジェクト(Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project)とは、新技術の研究開発及び実用化を加速することにより、下水道事業における低炭素・循環型社会の構築やライフサイクルコスト縮減、老朽化対策等を実現するため、国土交通省が平成23年度より実施しているプロジェクト。革新的技術の全国展開を図るため、実規模レベルの施設を設置し技術的な検証を行うものであり、平成28年度からは実規模レベルの前段階として、導入効果などを含めた普及可能性の検討や技術性能を確認する「予備調査」も行っている。
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ドローンによる老朽下水管きょの点検・調査試行サービスの概要・特長
ドローンによる手動サービスのイメージ
下水管きょは暗闇でGPSの電波が受信できず、水気があるという、ドローンが飛行するには劣悪な環境を克服するため、ブルーイノベーションと日水コンは専用のドローンシステムを開発し、飛行実験に成功した。また、これまで硫化水素の発生や雨水等の大量流入により、作業員の安全確保上、立ち入り調査困難だった箇所の点検が可能となり、作業員の安全性が向上するとしている。
従来の作業員による目視点検では1日あたりの点検距離は600m、自走式ロボットによる点検では300mだったが、ドローンによる点検では秒速が1~2m/secとはるかに早く、作業の効率化と作業コストが低減されるとしている。ブルーイノベーション・日水コンでは、下水管きょでの安定した自動飛行と正確な撮影・データ記録・解析により、より安全で高効率な点検・管理の実現を目指しているという。
なお、2017年8月1日~4日、東京ビッグサイトにて開催される「下水道展’17東京」日水コンブースにて、サービス内容・プロトタイプを展示する予定。
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下水道展’17東京
10:00~17:00(但し初日10:30~、最終日16:00まで)