株式会社ブイキューブロボティクス・ジャパンは、2017年6月29日(木)に仙台市、株式会社NTTドコモ、宮城県医薬品卸組合と共同で「ドローンを活用した緊急医薬品搬送の実証実験」を実施した。ブイキューブロボティクス・ジャパンはドローン本体の開発から携わり、当日はドローンより伝送される映像のリアルタイム共有と飛行管理を行った。
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LTE回線を経由して遠隔制御されたブイキューブロボティクス・ジャパンのセルラードローンは、交通網が寸断された環境で、医薬品の緊急搬送の要請があったという想定により医療機関まで自動飛行した。さらに、自動飛行中ならびに到着後の映像をリアルタイムに本部へ伝送することで、自動飛行中の安全確認と、医薬品の受け渡しに必要な医療機関の関係者であることの本人確認が遠隔から行えることを検証した。
ドローンを活用した緊急医薬品搬送の実証実験の目的
医薬品受取時の本人確認の様子
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同実証実験は、災害発生時に橋梁の崩落などによる交通網の寸断により陸路での医薬品の搬送が不可能となった状況を想定し、緊急医薬品の搬送におけるドローン活用の有用性を確認するため実施された。ドローンに関する具体的な確認項目は以下の通り。
- LTE回線を用いて遠隔からドローンを制御し、安全・正確に目的地に到着することができるか
- 医薬品の受け渡しに必要な本人確認を、遠隔から実施できるか
- ドローンに搭載した医薬品の振動、衝撃、傾斜に対する緩衝性、保温性を確保できるか
ドローンを活用した緊急医薬品搬送の実証実験の内容
実証実験の概要
実証実験は、宮城広瀬総合運動場および実証実験に協力した西仙台病院隣接の広瀬川河川敷を往復するかたちで行われた。搬送依頼を受けた医薬品をドローンに搭載し、車両が通行できる限界の地点である宮城広瀬総合運動場まで車で搬送。その後、ドローンが目的地である西仙台病院隣接の河川敷まで医薬品を搬送し、受渡し完了後、離陸地点まで帰還した。ドローンによる飛行は無視界飛行かつ飛行ルート設定による自動飛行で、LTE回線を通じた遠隔制御にて行われた。
また、飛行中の安全確認はリアルタイム映像伝送システムを通じて行われ、医療機関の関係者が医薬品を受け取れるか確認した。仙台市の伊藤敬幹副市長は、次のようにコメントしている。
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伊藤副市長:大変有用な結果が得られました。東日本大震災の経験を踏まえて、これを全国、世界に発信できるようなしっかりしたものに育て上げていきたいです。今後このような実験を重ね、課題を抽出するとともに、これから実用化に向けて取り組んでいきたいと思っています。
ブイキューブロボティクス・ジャパン代表取締役社長 出村太晋氏は次のようにコメントしている。
出村氏:今回の実証実験の結果を踏まえて、機器の機能/性能面や運用プロセスの更なる改善・向上を実現し、実験レベルではなく実用化に向けた取組みを進めて、災害時・緊急時の対応に同じ課題感を持つ全国の自治体、世界に展開していければと考えています。