Facebookの最高経営責任者マーク・ザッカーバーグ氏の発表によると、2年間開発を続けてきた太陽光発電による大型ドローン「Aquila」の飛行に再び成功したという。ある意味今回が本格的な飛行としては初めとなる。
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同飛行試験はアリゾナ州ユマで行われた。ドローン構想の長年の目標は、インターネットが今でも行き届いていない世界の地域へ、インターネットアクセスを届けることだ。ザッカーバーグ氏は自身の報告で次のようにコメントしている。
ザッカーバーグ氏:私たちの使命は世界をつなぎ、インターネットにアクセスできていない40億もの人々を手助けすることに尽きる。
レーザーを通してデータを取り次ぎ、ネットワークとして機能するドローンによって、その使命を果たすことができるだろう。
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Bloombergによって伝えられたFacebookによる初めの試験飛行は、成功しなかった。調査を行った国家運輸安全委員会(NTSB)によると、着陸の際ドローンは相当なダメージを受けたという。しかし、今回の飛行は期待以上だった。ザッカーバーグ氏によると飛行計画では30分間の試験となっていたが、順調に飛び続け、96分間の飛行となった。
この試験飛行により技術者らは、自動操縦、モーター、バッテリー、ラジオ、離着陸場、ディスプレイ、基本的な航空力学的な操作、構造上においての実行の可能性や飛行部隊の訓練など、Aquilaの機能における様々な情報を得ることができた。Facebookの技術者らは、次のような今後の課題を挙げている。
Aquila 今後の課題
■十分な太陽電力
ドローンが24時間飛び続けるためには、日中の間に十分な電気を貯める必要がある。ドローンの推進力、ペイロード(有効荷重)、アボニクス(飛行のために使用する電子機器)、ヒーター、電気(照明)、通信機、その他のシステムなどに十分な電力を供給するだけのエネルギーが必要となる。
■バッテリー電力
長い冬の夜中でも、ドローンが高く飛び続けるためには、多くの電力を蓄えなければならない。技術者によると、最新の予想される電池性能、つまりバッテリーならば、おおまかに飛行機の半分の電力が必要になるということだ。
■サイズとスピード
Aquilaは商用旅客機に匹敵するほど翼が長いが、重さは自動車の3分の1しかない。このドローンは炭素繊維でできているのだ。サイズと重さの比率により、Aquilaは同じサイズの典型的な飛行機よりも、よりゆっくりと飛行できる。グライダーが時速50マイル(約80キロ)、商用旅客機が時速200マイル(約322キロ)以上なのに対し、Aquilaは海抜で時速25マイル(約40キロ)程度である。課題は、先例がないことだ。このドローンは新たな領域なのである。
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■財政モデル
最後の課題は財政的に実行可能であり、経済的にほかのネットワーク・インフラストラクチャーのソリューションに対抗できるようにすること。配電盤や通信機システムが優秀である必要があり、管理費用を削減しても構造上損傷に強いドローンにしなければならず、必要となるドローンの数を少なく保つために1機が長時間高く飛べるようにする必要がある。そして操作に関して、人による監視を最小限に留めるという課題が残っている。