日本の自動車メーカーの支援を受けたベンチャーが、あるモデルテストを行った。技術者たちは、2020年の東京オリンピックで空飛ぶ車による聖火リレーの点火ができるような小型自動車を開発しようというのだ。しかし今の段階でこのプロジェクトは、アルミニウムのフレームと8つのプロペラを組み合わせたものであり、なんとか離陸するものの数秒で落下してしまう。
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トヨタ自動車は、ベンチャー社団法人Cartivator Resource Management(以下:CRM)の「Sky Drive」のプロジェクトに4250万円を投資している。CRMの本部がある新宿区で行われた飛行テストでは、バッテリーとセンサーが搭載された実物大サイズの自動車の一部が砂を噴き上げ、大きな音を立てていた。
数秒間目の高さまで飛行し、傾き落下してしまったが、底に取り付けられたバスケットボールがクッションの役割を果たした。何度か挑戦したものの、カバーの一つがフレームとブレーキから剥がれてしまい、プロペラを傷つける可能性があるためテストを終了せざるを得なかった。確実に飛行するまでの道のりは長そうだ…。
CRMの目標は「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)」の世界のように、陸上運転から飛行運転へと滑らかに移行できるようにすることだと、プロジェクトリーダーの中村翼氏はコメントした。さらに同氏はAP通信に次のように語った。
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image source :Cart!vator
中村氏:私は飛行機も車も好きです。空を飛べ、いろいろな場所に行けるマイカーを持つことが長年の夢でした。
CRMのチームは、2019年に初の有人飛行を行うという計画に向け、トヨタ自動車からの資金を基に、より良い設計を作成しているところだ。
自動車以外の事業に挑戦してみようというのがトヨタ自動車の長年のトレードマークで、近年トヨタ自動車は積極的にロボットや人工知能(AI)の分野に進出し、シリコンバレーの研究開発企業に10億もの投資をしてきた。日本国内でも、患者が歩く手助けをするロボット活用に取り組んでいる。また、自動化と自動車技術を組み合わせる開発を進めているミシガン州アナーバーの研究センターに対しても、5年間で3500万ドル(約40億円)もの投資を行うと発表したばかりだ。
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どの時代も挑戦を続けるべきだという理念が、トヨタ自動車のルーツであると自動車アナリストの中西孝樹氏はコメントしている。
中西氏:豊田章男社長の曾祖父である豊田佐吉は、トヨタが自動車メーカーになる以前、機織り機を開発したところから始まり、1890年代からはその自動化に取り組んでいました。近年トヨタは自動車業界の中心となっているソフトウェアサービスに目をつけ、自動車と組み合わせて自動で運転を始める日常生活のデジタルツールに変えていこうとしているのでしょう。