ここ数週間、空飛ぶ自動車、空中タクシー、個人用ドローンが大いに話題となった。最近さまざまなコンセプトの研究やプロトタイプが登場したことで、自分用が欲しいとか、眼下の渋滞をよそにいつでも好きなときに飛べるようになりたいと思い始めている。それは人々に夢を抱かせ、クリエイターにとってはマーケティングを行う機会となっている。DRONE。jp提携先でもあるDRONEIIが興味深い資料を公開しているので紹介したい。それが空中タクシープロジェクトのそれぞれの性能と進捗状況である。
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自由移動の出来る空中モビリティのある未来まで、あとどのくらいだろう?
世界中のベンチャーや巨大航空宇宙メーカーを含む10あまりの企業が、プロトタイプの開発に取り組んでいる。このモビリティのビジョンを用いて、プロトタイプが実際に飛び立つ前からマーケティングを行う企業もあれば、完全に機能するプラットフォームをひっそりとデザインして世界を魅了した企業もある。実用化への障害として様々な規制の問題や受け入れられ方、プライバシーの問題があるが、より速く経済的な移動手段への期待が高まる中で、政府には速やかな対応が求められる。この技術に関する新たな発表は、今後5~10年でピークを迎えるだろう。
現在この業界に参加しているのは?
このようなコンセプトの多くはマルチローターのドローンで、現在の時代的スタイルと言えるだろう。一方でAero Mobil社の「Flying Car」とTerrafugia社の「Transition」には折りたたみ式翼があり、離着陸には滑走路が必要となる。この仕組みならマルチローター式よりも、効率的に長距離の飛行が可能となる。
ドイツのメーカーe-volo社は数年前に全自動運転を披露し、プロトタイプが有人飛行を行えることを証明した。2016年初め頃、EHANG社はアメリカ・ラスベガスで開催されたCESでEHANG184コンセプトを、12月には(無人)飛行プロトタイプを発表した。この自律飛行機(Autonomous Aerial Vehicle、AAV)にはパイロットが必要なく、携帯電話のアプリを使って操縦が可能だ。EHANG社は今夏ドバイでの実用化を計画中だという。
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垂直離着陸(VTOL)の機能は都市モビリティには特に大きな強みである。しかし空飛ぶ車を効率的に使用するには、約10kmの飛行距離、更に固定翼を使った構造(fixed-wing configuration)が望ましい。
2つの仕組みの「いいとこどり」はできないのだろうか。プラットフォームを垂直に上昇させるのに複数のエンジンを使い、もうひとつを前進させるために使うという構造はAurora Flight Sciences社の「eVTOL」の「separate lift thrust」に見られ、Zee.Aero社の極秘事項でもある。
垂直飛行から水平飛行への切り替えは、エンジンのポジションを垂直から水平向きに替える構造(tilt-rotor/tilt-wing configuration)によっても可能だ。この構造はMoller International社の「Skycar」やAirbus社の「Vahana」、Joby Aviation社の「S2」、あるいはつい最近発表され、32機のティルトローターエンジンが装備されたLilium社のプラットフォームなどに見られる。
今一番現実的なのは空飛ぶUBERか?
モビリティコンセプト「UBER elevate」は、Airbus社の「Pop Up」とは似て非なるものである。UBERは空中タクシーのメーカーではなく、オペレーターになるだろう。この未来のエコシステムの姿は2017年4月26日「UBER Elevate Summit」で、数々の質問に対するUBERのアプローチと共に説明された。質問とは、ハブの位置やサイズ、占有率、負荷率(シート座面)、航続飛行時間、領空域の区画分け、最小地盤、充電時間、乗客定員、プラットフォームサイズなどについてであった。参加するパートナー企業は、Aurora Flight Sciences、Pipistrel Aircraft、Embraer、Mooney、Bell Helicopterとなる。
素晴らしいのは、それら全てが同社の配車サービスを使って集められた実際のユーザーデータを使ってアプローチできるということ。これにより利用者の多いルートで出発でき、乗客は最低でも通常より40%の時間の節約が可能。「UBER Elevate Network」は2020年より、ダラスとドバイで試験運用される。
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DRONEII提供:空中タクシープロジェクトのそれぞれの性能と進捗状況 ※クリックすると拡大されます