2017年4月24日~25日の2日間、白馬八方尾根スキー場にてGoProが主催する同社初のドローンパッケージ「KArMA」の体験会「GoPro Training Session」がメディアを対象に実施された。期間中は天気にも恵まれ、参加者はKarmaドローンだけでなくKarmaグリップやソフトウェアも含めたGoProパッケージの総合的な魅力を充分に堪能することができた。
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体験会は長野県のスキー場で開催。素晴らしい景色の中でフライトを楽しんだ
KArMAはGoProのドローンのことを指すと思われることが多いのだが、正確にはGoProとKarmaドローン+Karmaグリップ(手持ちジンバル)+Karmaケースの総合アクセサリーパッケージのことだ。アクティビティなどを撮影するにあたり、既存のGoProアクセサリーと「(パッケージとしての)KArMA」というアクセサリを組み合わせて臨場感がある映像を撮ることができる。そのアクセサリパッケージとしてドローンがあり、手持ちジンバルがあり、GoPro装着可能なケースがあるというイメージだ。
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基本スペック
ドローンとしてのKArMAを見てみるとどうだろう。折りたたみ式のクアッドコプターで、Karmaグリップより流用する3軸ジンバルにGoPro HERO5 BlackまたはHERO4 Silver/Blackを装着できる。しかも、ジンバルは機体前方に取り付けるため、機体が前傾姿勢になってもプロペラが映りこまないという特長がある。ほか、基本的なスペックは下記の通り。
機体スペック
Karmaドローンはかなり平べったいスタイル
Karmaケースに収納したKarmaドローン。機体が平べったいのでケースも薄い
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最高速度 | 35mph(15m/s) |
最大距離 | 3,000m |
最大飛行高度 | 3,200m |
最大風圧抵抗 | 22mph(10m/s) |
寸法(展開時・プロペラなし) | 長さ:365.2mm 幅:411mm 厚み:117mm |
重さ | 1006g |
フライト時間 | 最高20分 |
バッテリー定格 | 14.8V 5,100mAH(75.4Wh) |
コントローラー
画面サイズ | 5inch |
スクリーン解像度 | 720p |
画面の明るさ | 900ニット |
運用周波数 | 2.4GHz |
重さ | 625g |
電池の寿命 | 4時間 |
カメラはGoProになるわけだが、詳細は他カメラ情報サイトに譲るとして、参考までにお伝えすると、4K/30fpsの解像度まで撮影ができるカメラでアクションカメラ独特の魚眼レンズが特長だ。ただ、HERO5からは1080pの解像度で「魚眼無効」という魚眼レンズではない通常のレンズで撮影したかのような映像を撮影することができる(画像補正は60fpsまで)。
フライト体験インプレッション:ハードウェア
他社製品とのサイズ比較。サイズはPhantom 4同等だが薄い
GoPro Training Sessionでは、スタッフのデモフライトと注意説明のあと、実際にフライト、撮影することができた。操作感覚はとてもマイルドで、お馴染みのDJI Phantomシリーズに例えると3シリーズではなく、4シリーズの障害物検知センサーを入れた状態のような滑らかさだ。ただし、機体下面も見る限りポジショニングカメラや超音波センサーはついていない。そのためか、低空だと少し流れてしまう傾向があった。
映像はKarmaグリップ(魚眼無効)で撮影
コントローラーは5インチのモニター付きで、携帯ゲーム機のようにモニター側を蓋にして折りたたむことができる。スティックが沈み込んでいるデザインになっており、ゲームをやるように操作できるが、スティックをつまむように送受するパイロットには操縦しにくい可能性がある。また、操縦モードはモード2固定となるので注意が必要。
おもしろいのはスマートフォンなどを使って、飛行しているKarmaドローンからの映像を受信できるところ。特別な機材を用意せずに撮影している映像を多くの人で同時に楽しむことができる。
フライト体験インプレッション:撮影
実際に撮影のためにフライトをしてみると思いのほか操縦しやすい印象だ。ドローンの動作曲線がスティックの倒し始めに機体があまり動かないように設定されており、動き出しがゆっくりとなる。そのため、映像としては初心者でも非常に滑らかなものになるようだ。ある程度高度があるフライトは姿勢変化も少なく安定していた。
映像はKarma(魚眼無効)で撮影
また、映像は1080pの場合、コントローラーからGoProの特長でもある魚眼レンズか通常の魚眼レンズ無効かを簡単に選択することができる。広大な風景や臨場感がある近接映像を撮りたい場合は魚眼に、それ以外のときは魚眼無効に…といった選択ができるのはとてもおもしろい。
魚眼レンズで撮影。臨場感がある映像だが構造物の場合はどうしても歪みが出てしまう
魚眼レンズ無効で撮影。補正により見慣れた通常の映像となる
加えて、インテリジェントなフライトプログラムにより、オービット(被写体を中心に機体が周辺を円を描くように飛行)やケーブルカム(設定した2点間を自動で行ったり来たりする飛行)、ドロニー(後ろ向きで被写体を写しながらだんだん後ろ上方に遠ざかっていく飛行)、下向きのカメラアングルから機体を前進させながらだんだんとカメラを前方に上げていく…など、さまざまな自動飛行が可能となっている。初心者の方はこのプログラムを活用して、機体をコントロールすると飛行中のカメラアングルを決めやすい。
ドロニーで遠ざかるKarmaドローンに手を振る荒巻さん
そして何より楽しいのはKarmaドローンに装着していたジンバル部分をKarmaグリップに装着して撮影したり、GoPro単体としてタイムラプスを撮ったり自撮りや臨場感がある写真を撮影したりすることだ。KArMAのパッケージと少々のGoProアクセサリがあると、それだけでいろいろな画角・方法で楽しい記録映像を撮影することができそうだ。
KarmaケースのベルトにKarmaグリップを装着できる
体験会の様子はこのようにKarmaグリップで撮影している
もうひとつ、KArMAを体験していて気づいたのは、何か故障したとしても取り替えが容易な点。カメラが壊れればGoProを、ジンバルが壊れればグリップを、そしてドローンについては部品の販売も行うという。そういったメンテナンス性は他社製品にはない特長だ。ただし、ドローンに対する保険は付属していないため、フライトをさせるユーザーは別途保険に加入したほうがよいだろう。
KArMAは冒頭で紹介した通り、ドローンとジンバル、そしてケースをセットにしたGoProアクセサリだ。そして、今回は紹介しきれなかったが、ソフトウェアは昨年末より日本語対応となり、簡易編集ソフト「Quick」のリリースなど、総合的なパッケージとしての位置づけが強い。ドローン単体をメインに考えて購入すると他社機体と比較した際に物足りなさを感じてしまうかもしれないが、アクティビティを記録してみんなで共有するといったような、GoProがこれまで活躍してきた場面でKArMAの機動性と多様性は非常に大きな武器となるだろう。発売は6月を予定(GoPro.comでは5月7日)、ドローン本体/コントローラー/スタビライザー+ハーネス/充電器/バッテリー/プロペラ6枚/KarmaGrip/マウンティングリング/ケースのセットで158,000円(税別)となる予定だ。
機体を含めた機能的なレビューはまた後日改めて詳しくお伝えできればと思うので楽しみにしておいていただきたい。
モデル:荒巻絵梨子
(インスタグラマー)
フォロワー12.8千人の人気インスタグラマー。海外渡航28カ国38都市を誇り、旅行の写真を中心に人気