特殊作戦部隊向け軍事機器の展示や講演を行う「SOFINS」がフランスで開かれ、ベンチャー企業のAirvadaが、空気による膨張式無人航空機「DIODON」シリーズを発表した。
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同シリーズはUAVに膨張式構造を取り入れることで、今までより軽量で丈夫な機体を実現した。強固な本体に空気を入れると膨らむアームが4~6本あり、それぞれの先端にはモーターとプロペラがついている。完全に折りたためばリュックサックに入れて持ち運びが可能。膨張式構造では通常のフレームを使ったドローンほどの保護がいらないため、頑丈なケースは必要ない。リュックから取り出してから、CO2カートリッジを使って膨らませるだけで展開する。その間わずか30秒。使用後、折りたたんで再び収納するまでは60秒もかからないとしている。
Airvadaの制作スタッフによると、DIODONの長所は、膨張式構造が衝撃を吸収することで持てる強度、完全防水による着水機能、そして、折りたたんだ時のコンパクトさの3つだという。DIODONシリーズのUAVは、膨張式の部品には航空工学技術による丈夫な生地を使用しており、ごつごつした岩肌にも着陸可能だ。
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DIODONのコンセプトは、もともと一般のレジャー向けとして2015年に開発が始まったが、同社はすぐに特殊産業市場に適していると判断した。最近ではデモンストレーションを見たフランス特殊作戦司令部が同シリーズに興味を示し、試験的に導入する計画だ。特に、DIODONシリーズの柔軟性と瞬時に展開できる性能に注目している。
現在DIODONは、HP140、MP40、SP20の3モデル。HP140モデルはシリーズ最大で、プロペラを動かす6基の防水ブラシレスモーターが動力となっている。最大航続時間は30分で最大積載量は1.5kg。EO/IRカメラを搭載可能。折りたたんだ状態での翼幅は1,500mm。MP40モデルにも6基のモーターがついているが、最大航続時間は20分で、最大積載量は0.4kg。EO/IRカメラも搭載可能。折りたたんだ状態での翼幅は900mm。SP20モデルはシリーズ最小でモーターは4基のみ。最大積載量は0.2kgで小型カメラを搭載できる。最大航続時間は20分。折りたたんだ状態での翼幅は60mm。
同社はフランス市場に集中しているが、今後国内で商業的な地盤を固め、輸出の機会を求めていくことも視野に入れている。