※旭化成あいばの試験所(滋賀県・高島市)での試験
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提携により、次世代宇宙輸送システムの早期実現を加速する。近年、宇宙を活用した通信やデータ活用サービス等の需要拡大に伴い、人工衛星などを輸送するロケットの需要は世界的に高まっている。しかし、高まる需要に対して、国内のロケット供給・打ち上げ能力は不足しており、特に民間の国産ロケット開発は急務の課題だ。
ISCは、「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも。」というビジョンを掲げ、宇宙往還を可能とする次世代輸送システムの実現を目指すスタートアップ企業。2028年3月までに人工衛星打ち上げ用ロケットを開発することを目標とし、文部科学省のSBIRフェーズ3事業にも採択されている。
旭化成は、固体燃料を用いた推進システムの設計、製造や評価技術に関するノウハウならびに施設・設備を保有している。こうした保有技術と施設等を宇宙輸送分野に新たに展開し、上記課題を解決すべく、2025年より宇宙輸送にかかる事業・サービスの検討・検証を開始した。
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今回、革新的な宇宙輸送の実用化を目指すISCと、推進システムに関する知見、施設・設備を有する旭化成が連携することで、次世代宇宙輸送システムの早期実現を加速できると判断し、包括連携協定を締結するに至った。
包括連携協定の概要
ISCと旭化成は以下の事項について連携および協力を進めていく。
(1)旭化成の施設・設備を利用したロケットエンジン開発
ISCが実現を目指す宇宙輸送システムに必要となるロケットエンジンの開発に関して、旭化成が保有する推進システム製造技術・評価施設(滋賀県・高島市)を活用した試験および検討を実施する。すでに2025年1月にISCのロケットエンジン開発にかかる初回試験を実施した。

(2)その他の技術協力の可能性検討
次世代宇宙輸送システムの実現に向け、ロケットエンジン開発以外の分野においても、両社の技術を融合させる協力の可能性を検討する。
各社コメント
将来宇宙輸送システム株式会社 代表取締役社長 畑田康二郎氏
当社は2022年5月創業のベンチャー企業ながら、現在、日本国内で40を超える企業・団体・研究機関と連携を行っています。早期に再使用型ロケットによる高頻度宇宙輸送を実現するためには、実績のある企業との連携が鍵となります。当社は最先端の知見を有するパートナー企業と連携して謙虚に学び、開発速度を飛躍的に向上させ、世界で戦える宇宙輸送技術を確立して日本の宇宙産業を成長させます!
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旭化成 専務執行役員 兼 ライフイノベーション事業本部長 山岸秀之氏
旭化成は、長年培ってきた推進システムの技術や評価ノウハウを、これからの宇宙輸送領域に広く応用し、新しい価値を創造していきたいと考えています。このたびのISC社との協業により、信頼性・コストなど厳しい要件に対応する宇宙輸送ソリューション開発を一層加速できることをたいへん嬉しく思います。今後も多様な宇宙関連事業のパートナーとの連携を強化し、革新的な技術とサービスの提供を通じて宇宙輸送産業の発展に貢献してまいります。

※推進システム:ロケットや宇宙船のような物体を前進させるための動力装置。燃料を燃焼させ、発生した高温・高圧のガスを後方に噴射することで推進力を生み出す。主に液体燃料、固体燃料、またはその両方を組み合わせたハイブリッド方式があり、それぞれ特性や用途が異なる。